労働条件通知書発行後の内定取り消しについて
この度正社員内定者に労働条件通知書を発行し、前職退職日までの間(約2か月間)アルバイトで勤務可能との事でしたのでアルバイト用の雇用契約書を締結しました。
しかし、その後すぐに本人より前職の都合で、当初約束していた日付で正社員入社ができず年明け以降(正社員入社予定日より3か月後)の入社になってしまうと連絡がありました。
こちらとしては、欠員募集だったこともありあまり長引いてしまうとこの時期に採用した意味もなくなってしまい・・アルバイトで交わした雇用契約期間以降も継続雇用するのか検討しています。
そもそも、労働条件通知書を提示後、このような状況で
内定取り消しが可能なのでしょうか。
本人の希望通り、何か月先まで入社待ちをしないといけないのでしょうか。
ご教示頂けますでしょうか。
宜しくお願い致します。
投稿日:2025/09/12 09:37 ID:QA-0158168
- ラオウさん
- 東京都/フードサービス(企業規模 301~500人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、当初からそうした事情が分かっていれば、当初から雇用契約は結ばれていなかったものと推察されます。
従いまして、重要な前提条件が変わった事から、当人には丁寧に理由を説明された上で内定取消が可能といえるでしょう。
投稿日:2025/09/12 10:57 ID:QA-0158181
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
本人から正式な入社希望日の連絡がありましたら、
アルバイト雇用での継続等も含めまして、慎重に判断したいと思います。
ありがとうございます。
投稿日:2025/09/12 14:50 ID:QA-0158193大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
本ケースの事案においては、本人都合で入社日が大幅に変更され、
当初の合意条件を履行できないというのは、あくまで本人都合です。
上記においては、当初条件での雇用契約が成立しなかったと評価でき、
一方的な会社都合による内定取り消しとは性質が異なります。
よって、法的に会社が何か月でも入社を待たなければならない義務はなく、
当初予定日で入社できないのであれば、内定は維持できないことを
伝えることは法的にも許容される範囲と言えるでしょう。
勿論、内定を維持することも出来ますので、最後は経営判断となります。
投稿日:2025/09/12 11:00 ID:QA-0158182
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
本人から正式な入社希望日の連絡がありましたら、アルバイト雇用での継続等も含めまして、慎重に判断したいと思います。
ありがとうございます。
投稿日:2025/09/12 14:52 ID:QA-0158194大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 内定取り消しの法的性質
労働条件通知書を交付した時点で、雇用契約が成立していると解釈される可能性が高いです。
判例上も「内定通知+労働条件通知書(または雇用契約書)」があれば、始期付解約権留保付労働契約とされ、会社側が一方的に取り消すことは「解雇」にあたると判断されやすいです。
このため、内定取り消しは 解雇権濫用法理(労基法第16条) に照らして正当な理由が必要となります。
2. 今回のケースでの内定取消しの可能性
本人の都合(前職の事情で入社時期を延ばす)により、当初約束した入社日に入社できない → これは会社に責められない事情です。
欠員補充が目的で採用したにもかかわらず、入社が3か月も遅れることで業務運営に支障が出るのであれば、正当な事由が認められる余地があります。
ただし「ただ遅れる」というだけでは裁判例上、取り消しが有効とされにくいケースもあります。
→「入社時期の延期が業務運営上重大な支障となる」「代替要員の確保が困難」など、具体的な経営上の不利益を説明できるようにしておく必要があります。
3. 入社を待つ義務はあるか?
法律上、企業に「何か月先まで入社を待つ義務」はありません。
合理的に業務に支障があると判断される場合は、内定取消しまたは入社日の再調整を打診することは可能です。
ただし「入社延期を了承しながら後で取消し」すると、トラブルになりやすいため、早めに方針を示すのが望ましいです。
4. 実務対応の選択肢
内定取消しを行う場合
書面で「当初予定日から大幅に遅れるため、業務運営上重大な支障が生じる」旨を明記。
損害賠償請求を避けるために、説明責任を果たし、誠実な対応をする。
入社時期を改めて調整する場合
「〇月までに入社できない場合は内定を取り消す」などの条件を本人に提示。
アルバイト契約も含め、契約期間をどうするか(延長するか否か)を明確にしておく。
アルバイト契約の扱い
既に締結したアルバイト契約は、雇用契約として効力を持ちます。
契約期間満了で終了とするか、更新するかは会社判断ですが、更新を拒むこと自体は可能です(ただし雇止めにあたるため、更新の合理性は問われます)。
5. リスクと留意点
本人からの損害賠償請求リスク
→ 前職を退職したのちに取り消された場合、失職期間に対する損害を請求される恐れがあります。
社内外への影響
→ 内定取消しは評判リスクがあるため、書面にて理由を丁寧に説明することが重要です。
6,まとめ
内定取消しは「解雇」に近い扱いになるため、安易にはできませんが、今回のように「本人都合で大幅に入社が遅れ、採用目的が果たせない」場合には、取消しの正当性が認められる余地があります。
待つ義務は法律上はありません。業務に支障が出るなら「〇月までに入社できない場合は取り消し」と明示するのが望ましいです。
取消しに進む場合は、必ず理由を具体的に示し、書面で通知することをお勧めします。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/12 11:44 ID:QA-0158183
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
本人から正式な入社希望日の連絡がありましたら、
アルバイト雇用での継続等も含めまして、慎重に判断したいと思います。
ありがとうございます。
投稿日:2025/09/12 14:53 ID:QA-0158195大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
いつから稼働できるかは採用判断の要なので、内定時にも条件等入れておけばこうした齟齬が防げるでしょう。
今回は合理的範囲内で貴社の都合に合う稼働開始日が満たせないので、冷静に宥和的に、採用はしないと話すのが良いと思います。
投稿日:2025/09/12 11:58 ID:QA-0158186
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
提示した労働条件通知書の内容で労働できなくなったわけですから、
内定取消も合理性があり、可能といえます。
投稿日:2025/09/12 13:42 ID:QA-0158191
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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