社員死亡時の給与支払いについて
いつもお世話になっております。
社員が死亡した場合の給与支払いについての質問です。
当社では末締めの当月20日に給与を支給する事となっています。
当該社員死亡は10日で、1日から10日までは一般傷病による欠勤中で基本給の70%を支給する事となっていました。また、当該社員については前月も前々月も欠勤許容期間中となり基本給の70%を支給しています。
社内規定では社員が、「賃金計算期間の途中で死亡したときは、その月分を全額支給する。」となっていますが、当該社員場合は欠勤許容期間中ですので支払いについて迷っています。
①基本給の全額を支給すべき
②1日から10日までの基本給の70%を支給すべき
③基本給の70%の1か月分を支給すべき
上記のいずれかの支給になると思うのですが、どれが正しいかご教授ください。よろしくお願いします。
投稿日:2025/08/19 13:11 ID:QA-0156833
- ぶーちゃんさん
- 大阪府/その他業種(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
就業規則に特別規定がある以上、1の全額支給が適切です。
仮に2、3を採用した場合、就業規則の死亡時は全額支給と矛盾いたします。
なお、多くの企業で全額支給とする趣旨は、死亡退職時に遺族の生活を考慮し、
給与を減額しないようにするためと考えられております。
投稿日:2025/08/19 13:39 ID:QA-0156835
相談者より
ありがとうございます。
投稿日:2025/08/19 14:49 ID:QA-0156840大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 前提整理
賃金締日:月末締め
支給日:当月20日
死亡日:10日
1日~10日:一般傷病で欠勤 → 社内規定上は 欠勤許容期間中70%支給
就業規則:
「賃金計算期間の途中で死亡したときは、その月分を全額支給する。」
2. 法律上の大原則
労働基準法には「死亡時に給与を全額支払う」という定めはありません。
したがって、会社の就業規則や給与規程が優先 されます。
ただし、「全額支給」と明文化している場合、通常は欠勤控除や病気欠勤の減額規定を超えて、満額を支給する趣旨 と解釈されます。
この規定は、死亡した本人の生活補償ではなく、遺族への一定の保障の意味を持つケースが多いです。
3. 今回の規定と適用解釈
社内規定で「途中で死亡した場合はその月分を全額支給」と明記。
よって、欠勤期間中であっても、その月については 「基本給全額を支給する」 解釈が最も妥当です。
欠勤控除や70%ルールは「生存していることを前提」とした減額規定であり、死亡という特別事情には適用しないのが一般的です。
4. 選択肢との照合
(1) 基本給の全額を支給すべき → 就業規則の文言からこちらが正解
(2) 1日~10日の70%支給 → 規程に「死亡時は全額」とあるため不適切
(3) 70%の1か月分支給 → 同上、不適切
5. 実務上の留意点
死亡時の給与は「未払賃金」として遺族に支払います。
遺族への支払いは、労基法第37条に基づく「未払賃金立替払制度」の対象にもなり得ます。
社会保険(標準報酬月額)の対象となる給与は「全額支給」ベースで扱うことになりますが、死亡月は資格喪失となるため、最終月の社会保険料は日割りで調整されます。
6.結論
今回のケースでは、就業規則に「賃金計算期間の途中で死亡したときは、その月分を全額支給する」とある以上、
(1) 基本給の全額を支給すべき が正しい取扱いです。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/19 13:48 ID:QA-0156837
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2025/08/19 14:55 ID:QA-0156841大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
就業規則
社内規定の最上位にある就業規則の定めが優先されます。つまり「1.」となります。
投稿日:2025/08/19 14:39 ID:QA-0156839
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2025/08/19 15:51 ID:QA-0156846大変参考になった
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