技能実習生を受け入れる際の雇用形態について
技能実習生の受け入れを検討しておりますが、まだ詳しく分からないため、ご教示いただければと思います。
技能実習生や特定技能実習生には「在留期間」があると思います。
雇用する際、正社員として受け入れたいとは思っておりますが、そうすると”無期雇用”となってしまいます。
例えば、在留カードに記載された在留期間が1年である方を”無期雇用”とした場合、1年後には退職してしまうと思うので、本来であれば”1年間の有期雇用+更新なし”とすべきではないか、と思いました。
長く働いてほしいと思う反面、技能自習制度の趣旨からして、長期間日本に滞在することは本人にとってもあまり良くないのではないか、とも思ってしまいました。
技能実習生との雇用契約(正社員や契約社員、契約期間や更新など)について、先生方の考えを教えていただければと思います。
投稿日:2025/07/04 08:44 ID:QA-0154903
- いちにいさん
- 宮城県/その他業種(企業規模 1~5人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 技能実習生と特定技能の制度の違い
区分→技能実習→特定技能
在留資格の目的→技能の「習得・移転」が目的(研修的要素)→特定産業分野での「労働力確保」が目的
主な対象者→外国人技能実習機構に認定された監理団体経由で来日→試験・経験をもとに本人が自主的に申請
在留期間→原則最長5年(1号1年+2号2年+3号2年)→原則最長5年(特定技能1号)
※特定技能2号は更新可能で長期滞在可
転職・転籍→原則不可(転籍には厳しい制限)→同一分野内で転職可能(一定条件あり)
雇用契約形態→有期契約が原則(在留期間に合せる)→有期・無期いずれも可能(在留期間と整合が必要)
2. 技能実習生を「正社員(無期雇用)」にできるのか?
◆ 結論:できません。
技能実習制度の本質はあくまで「一定期間の技能習得→帰国・母国での活用」であり、無期雇用は制度の趣旨に反します。
そのため、技能実習生との雇用契約は在留期間に合わせた「有期雇用契約」が原則です。
例:在留カードが1年 → 雇用契約も原則1年(更新可能)
更新していけば最長5年までは雇用可能(制度上の上限)
3. 特定技能の場合は「正社員(無期雇用)」にできるのか?
◆ 特定技能1号:原則有期雇用
在留期間は最長5年であり、原則は有期契約。
ただし、就業分野や本人の希望、労使の合意により無期雇用も可能とされています。
ただし無期雇用にしても、在留資格の更新に応じて就労継続の可否が決まるため、契約期間が保証されるわけではありません。
つまり「無期雇用=ずっと働ける」ではなく、「更新が前提」かつ「在留資格が切れれば退職となる」ため、実務上は有期雇用契約+更新の形で管理する方が確実です。
4. 雇用契約の実務的なおすすめ運用
◆ 技能実習生(特に1~3年のケース):
有期雇用契約(1年)+更新ありの形式が適切。
就業規則にも「在留資格の有効期間内に限る」旨の文言を明記しておくと良い。
契約書例:
契約期間:2025年8月1日~2026年7月31日(在留資格の有効期間と一致)
備考:在留資格が延長された場合、本人の希望および会社の合意により契約を更新することがある。
◆ 特定技能(1号):
原則:有期雇用契約(1年や6か月)+更新制
本人の希望があれば、無期雇用も制度上は可能だが、更新ができなければ解雇手続きが必要になるリスクもある。
実務的には「有期契約を都度更新+在留資格の有効性を定期確認」が推奨されます。
5. その他の注意点
項目→留意点
雇用契約書の言語→日本語+母国語翻訳の併記が原則(本人理解を確認)
就業規則の適用→基本的には技能実習生にも就業規則が適用される
社会保険→労働時間が通常社員と同程度なら、社会保険加入が必要(例:週30時間超など)
住居・生活支援→技能実習制度上、会社または監理団体に生活支援義務あり(住居、通訳、生活指導)
6. 長期雇用を望む場合の選択肢
技能実習が終了した後、本人と会社双方が希望すれば「特定技能」への移行が可能です。
この制度移行により、最長10年程度の就労も可能となります。制度を段階的に活用するのも一案です。
7.まとめ
技能実習生は在留資格に応じた「有期雇用」が原則(無期は制度趣旨に反する)
特定技能は就業分野や条件により無期雇用も可能だが、実務上は有期雇用+更新制が現実的
本人の在留資格更新や制度移行により、継続雇用の道はあるが、制度の目的に沿った運用が求められる。
以上です。よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/07/04 10:40 ID:QA-0154912
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/07/04 15:21 ID:QA-0154938大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
外国人の技能実習制度は、一定期間で帰国することが前提であり、
在留資格に紐づいた実習期間が明確なため、無期雇用は、制度上も
整合しないものと言えます。
在留期間がある方に対し、期間の定めなしとしますと、
後日、入管から指摘される可能性ありますので、ご注意ください。
つまり今回のご質問のケースでは、
”1年間の有期雇用+更新なし”が適切と思案します。
契約期間は在留期間を最大とすることが前提となる為です。
なお、在留資格が特定技能であり無期限に更新が可能な場合等で
あれば、雇用期間+更新する場合があり等、必ずしも打ち切りを
明示する必要はありません。
投稿日:2025/07/04 10:48 ID:QA-0154914
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/07/04 15:21 ID:QA-0154939大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、国内一般の雇用の場合でも正社員で中途退職される事は珍しくないですし、正社員雇用される事自体に問題はございません。
加えまして、技能実習生の場合在留期間が過ぎましても新たな在留資格を取得すれば引き続き就労も可能になりますので、今の段階で更新無と明記される必要性まではないものといえます。
在留資格等の詳細に関しましては、専門家である行政書士等にご確認頂ければ幸いです。
投稿日:2025/07/04 11:05 ID:QA-0154921
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/07/04 15:21 ID:QA-0154937大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
原則として技能実習生の場合には、「管理団体」をとおし、
特定技能実習生の場合には、「支援機関」をとおします。
雇用期間についても、管理団体、支援機関に確認してください。
いきなり、無期雇用契約ということはありませんので、
在留資格の範囲内が通常です。
投稿日:2025/07/04 16:10 ID:QA-0154950
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/07/04 16:47 ID:QA-0154953大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
技能実習というプログラムの主旨に反する雇用契約(無期雇用)ができるのかどうかがポイントです。
人事の一般論ではなく、実習生のエージェントやVISAコンサルといった、専門機関の確認を得るべきでしょう。
投稿日:2025/07/07 19:07 ID:QA-0155049
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/07/08 13:11 ID:QA-0155095大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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