柔軟な働き方を実現するための措置(時差出勤)について
2025年10月1日から施行されます『柔軟な働き方を実現するための措置』のメニューの「時差出勤」についてご教示願います。
選択メニューのうち1つを「始業時刻・終業時刻の繰り上げ又は繰り下げ」(前後30分の時差出勤)を選択しようと考えております。
例えば、看護師や介護職など夜勤のあるシフト制の職種は、
①早番(7:00~16:00)、遅番(10:00~19:00)、夜勤(16:30~10:00)は適用不可
②日勤(8:30~17:30)は適用可
など、「一部の勤務時間のみ時差出勤を認める」ことは問題ないでしょうか。
よろしくお願いします。
投稿日:2025/05/23 14:53 ID:QA-0152854
- ちゃぼさん
- 静岡県/医療・福祉関連(企業規模 10001人以上)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、厚生労働省によりますと、「始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる時間の範囲について一律の制限はありませんが、保育所等への送迎の便宜等を考慮して通常の始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度である必要があります」とされています。
従いまして、日勤以外の勤務の場合でも保育に支障が生じるような場合には、時差出勤を認められるべきと解されます。
投稿日:2025/05/26 09:42 ID:QA-0152891
相談者より
ご教示いただきありがとうございます。
「保育所等への送迎の便宜等を考慮して」という目的が大切ということですね。
大変勉強になりました。
投稿日:2025/05/26 12:58 ID:QA-0152944大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
一部の勤務時間帯(日勤)のみに時差出勤を導入することは可能です。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.2025年10月1日施行の『柔軟な働き方を実現するための措置』について
この制度は、「労働条件の明示ルールの改正(改正労働基準法施行規則)」に基づき、企業が柔軟な働き方を実現するための「選択的措置メニュー」から少なくとも一つ以上を導入・実施するよう求められるものです。時差出勤(スライド勤務)はその選択肢の一つです。
2.「時差出勤の一部勤務帯のみ適用」は可能か?
結論:はい、問題ありません。
「一部の勤務時間帯に限って時差出勤制度を適用する」ことは、制度の趣旨に反しない範囲で適切に運用すれば可能です。
3.留意点・対応のポイント
(1)対象業務や勤務帯の合理的な区分けがあること
たとえば、夜勤や交替制勤務には業務特性上の制約があり、柔軟な出退勤が困難であることは合理的な理由となります。
一方で、日勤帯に関しては一定の裁量が可能なため、そこでのみ時差出勤を導入することは現実的です。
(2)対象者や対象業務を就業規則または社内制度に明確化すること
「時差出勤制度の対象は日勤勤務に従事する者に限る」など、対象者や対象勤務帯を明確に規定しておく必要があります。
労使協定や就業規則の変更に際しては、従業員代表等との合意も適切に行ってください。
(3)差別的取扱いや不合理な排除がないこと
制度の導入において、恣意的・不公平な取扱いがないよう、合理的理由を説明できる形で運用することが重要です。
4.実務上の記載例(就業規則の補足等)
第○条(時差出勤制度)
会社は、業務の効率化および従業員のワーク・ライフ・バランスの推進のため、以下の者に対して時差出勤を認めるものとする。
1.対象者:日勤勤務(所定勤務時間8:30~17:30)に従事する従業員
2.勤務時間:
(1) 通常勤務 8:30~17:30
(2) 繰上げ勤務 8:00~17:00
(3) 繰下げ勤務 9:00~18:00
3.交替勤務(早番・遅番・夜勤)に従事する者は、本制度の対象外とする。
5.まとめ
(1)一部の勤務時間帯(日勤)のみに時差出勤を導入することは可能です。
(2)制度の対象範囲を明確にし、合理性を持って区分することが重要です。
(3)就業規則や社内規定への反映・周知を通じて、制度導入の透明性を確保してください。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/05/26 09:44 ID:QA-0152892
相談者より
ご教示いただきありがとうございます。
夜勤や交代制勤務の場合は、柔軟な出退勤が困難ですので、それを除外することは合理的であるということで理解いたしました。
夜勤者や交代制勤務者には、できるだけ別のメニューも選択できるよう、引き続き検討していきたいと考えております。
投稿日:2025/05/26 13:04 ID:QA-0152947大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答させていただきます。
結論、一部の勤務時間のみ時差出勤を認めることも、
柔軟な働き方を実現するための措置における時差出勤に該当いたします。
特段、一部についてのみの適用はNGなどの定めはございません。
なお、時差出勤を認めたシフト該当日においては、公平公正の観点から、
平等に認められることが必要となります。(一部の該当者は認めないはNG)
上記も含め、貴社の会社規程内に規定されておくことをお勧めいたします。
投稿日:2025/05/26 10:11 ID:QA-0152906
相談者より
ご教示いただきありがとうございます。
今回の措置は、「公平感」をどのように担保するかということが、非常に悩ましいところです。
できるだけ、利用しやすい制度になるよう引き続き検討してまいります。
投稿日:2025/05/26 13:06 ID:QA-0152949大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
業務によって違いがあるのは当然ですので、就業規則等で明記、周知の上で展開すれば問題ないでしょう。
夜勤のある職種なら合理性も高く、納得感も得やすいと思います。
投稿日:2025/05/26 10:55 ID:QA-0152925
相談者より
ご教示いただきありがとうございます。
多少不公平感は残るとは思いますので、職員への周知は、繰り返し丁寧に行っていきたいと考えております。
投稿日:2025/05/26 13:09 ID:QA-0152950大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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