人材採用と外見。外見の良さは転職に有利か?
感じのいい人、そうでない人 外見の良さは転職に有利か?
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「アピアランス」と言い換えるケースも
「ルックスという言葉を使うとあまりにも露骨なので、『アピアランス』と言い換えている会社もあるようですね。直訳すれば容姿という意味ですから、日本であまりなじみのない英語にただ直しただけですが」
システム担当スタッフが他社での事例を教えてくれた。つまり、紹介時の参考データとして活用しているケースも少なくないということなのだろう。個人的にはルックスで採否が決まるというのはなんとなく釈然としないし、おそらくほとんどの企業が仕事の経験・能力を最優先で選考しているのは間違いない。ただ、人が人を選ぶのが採用である以上、「感じがいい/よくない」ということが全く考慮されないかというと、それもまた違うと言わざるをえない。
結局、清潔感とか親しみやすさが直接仕事に関係してくるような職種の場合だけ、参考にできるようなデータとして、データベースに反映させてもいいのではないか。その日のシステム担当スタッフとの打ち合わせはそんな結論でひとまず終わった。
しかし考えてみると、これまでにもデータベースにルックスの項目はなかったにもかかわらず、結果的には「感じのいい人だから」という理由で、ルックスのいい人材を優先的に紹介するようなケースがあったかもしれない。紹介する側でもそうなのだから、採用して長い間一緒に働こうという企業側がそこに全くこだわらないとは考えにくい。やはり、ルックスのいい人材は転職にも有利ということは間違いない事実なのだろう。
ただ、転職におけるルックスというのは「容姿」だけを意味しない。そこが芸能人との大きな違いだ。いくら見た目が良くても終始偉そうにしている人は、やはり紹介しづらい。髪型が特殊すぎたり、無精ひげが伸びたりしている人も、気配りの点でどうかと思ってしまう。また、明らかに太り過ぎている人も、健康面の不安をどうしても感じてしまう。そういうことなのである。
「いつも感じのいい人を紹介してくれますね」
人材紹介会社には、企業側からそう言ってもらいたいという思いが常にある。いわゆる容姿端麗な人しか紹介しないということではないが、ある程度は好感度の高さという意味でのルックスも考慮して紹介しなくてはならないのだ。
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