人材採用と外見。外見の良さは転職に有利か?
感じのいい人、そうでない人 外見の良さは転職に有利か?
「人は見かけが8割」あるいは「9割」などと言われたりする。「人の印象は最初の数秒で決まる」という説もあるが、この場合も外見やルックスが大事だという意味を含んでいそうだ。こういった考え方からすれば、数回の面接で採否が決まることが多い中途採用の場合も、ルックスはとても重要なものということになる。もちろん、企業側が就職差別につながりかねないルックスを募集条件にすることはないが、実際のところどうなのか、誰もが気になるところではないだろうか。
もしも能力面で差がないなら
人材紹介会社にとって、データベースは不可欠なツールである。「人が介在するサービス」が売り物なので、最後はキャリアアドバイザーの経験や気配りが決め手になるわけだが、万単位の人材情報と求人情報を、記憶を頼りにマッチングすることはほぼ不可能であり、候補を絞り込む段階ではデータベースが大いに役立っている。
ある日、システム担当のスタッフから、データベースに「ルックス」の項目を入れようか検討している、と相談を受けた。
「企業によっては『見た目のいい人材』が欲しいといった要望もありませんか? ルックスの項目を追加すれば、その条件でも検索できるようになります」
データベースにはより使いやすくなるように新しい機能が追加されていく。次の更新時に「ルックス」でも検索できるようにしたらどうか、という提案だった。
私は自分の担当企業の求人情報を思い出してみた。確かに、ルックスのいい人材を欲しがる企業はある。しかし募集条件として、はっきりとルックスを求めてくる企業は基本的にはない。その昔、新聞の求人欄に「容姿端麗な方」などと堂々と載せていた時代もあったが、コンプライアンスが厳格になっている現代では全廃されている。

ただ、公募では不可能でピンポイントな希望にも対応できるのが、人材紹介会社の強みでもある。性別や年齢などと同じく、企業側から「こういう人材を紹介してほしい」という要望があれば、担当者がその意向に沿って候補者をリストアップする。ルックスも、その一つと言えなくもない。
例えば、若手の営業職などは、見た目の感じがいい人を求める会社が多いように感じる。また、新卒採用を担当する人事などの場合は、学生に人気が出そうな爽やかなタイプがいいという要望があるし、女性秘書の募集で、「履歴書に必ず写真を貼付してください」と言われたこともあった。ルックスのいい人とは言っていないが、どう考えても書類選考時に外見を選考基準の一つにしていることをうかがわせるものだろう。
他にも、似たような話は時折耳に入ってくる。ある会社の女性社員はなぜか似たようなタイプが多い、おそらく人事部長の好みのタイプの女性を採用しているのであろうなど。もちろん、仕事ができることは前提なのだろうが、能力が同じなら見た目がいい人材を採用するということなのだろう。
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