人材採用“ウラ”“オモテ”企業・求職者・人材紹介会社の「転職」三角関係

長期休暇をはさむ転職

2016/01/05
年内に決着しておけばよかったのか
正月の間に考えが変わった人材
年末年始休暇、夏休み、ゴールデンウィークといった長期休暇の後は、転職活動を始める人が増える傾向があると、昔から言われている。自分の生き方を見つめ直したり、実家に帰って家族や旧友と話し合ったり、時間をかけて情報収集ができたりと、その理由はさまざまだ。一方で、それまで進んでいた転職話を急にストップしたい、方向転換したいという人が現れるのもこの時期だったりする。そのため正月明けの人材紹介会社は、転職希望者からの突然の連絡に敏感になっている。
(1/2ページ)

転機となった年末年始休暇

「年明けの役員面接は、従来どおりであれば入社意思の確認になると思います。年内に最終面接まで済ませられたら良かったのですが、年末は役員が多忙でして」

F社はKさんの第一志望企業だった。書類選考と1次面接が無事に終わり、2次面接は最終の役員面接となる。スムーズに進んでいる案件だと思っていたのだが、佳境にさしかかったところで、ちょうど年末年始休暇が入ってしまった。F社の人事担当者も少し間が空くことを気にしていたが、こればかりは仕方がない。さっそくKさんに連絡を入れて、年明けの役員面接の日程を押さえてもらった。

Photo

「わかりました。年末ですから仕方ないですね。前回の面接の時にいただいた資料を読みこんで、役員の方の質問にしっかり答えられるようにしておきます」

Kさんの反応は最終面接を楽しみにしている、というものだった。何か問題があるような気配はまったくなかったのだが。

年明け早々にKさんから届いていたメールを見て、私はひっくり返りそうになった。

「誠に申し訳ないのですが、F社の件は辞退させて下さい。家族ともじっくり話し合った末の結論です」とある。

メールではそれ以上詳しいことがわからない。急いでKさんに電話をかけてみた。転職希望者の中にはそれっきり電話がつながらなくなって、連絡が途絶してしまうような人も少なくないのだが、幸いにもKさんは電話に出てくれた。

「ご尽力いただいたのに、申し訳ありません。実は……」

Kさんは1年ほど前に結婚したばかりだった。実家に帰った際に、転職活動のこと、年明けにF社に決まりそうなことなどを話したところ、両親から「結婚したばかりでの転職には賛成できない」と強く言われてしまったのだという。

Kさん自身も現職に不満があって転職するわけではなく、キャリアアップを考えての転職活動だったので、「もう少し今の会社で頑張ってみろ」という家族の意見に押し切られてしまったそうだ。たしかに、Kさんの勤務先は大手企業であり、F社は新進企業である。将来性はともかく安定感で考えると、家族の意向もわからないでもない。

 


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事にコメントする

この記事に対するご意見・ご感想のコメントをご投稿ください。
※コメントの投稿をするにはログインが必要です。

※コメントのほか、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)がサイト上に公開されます。

※投稿をしたコメントは、『日本の人事部』事務局で確認後、掲載されます。投稿後すぐには掲載されませんので予めご了承ください。

人材採用“ウラ”“オモテ”のバックナンバー

キャリアチェンジ転職
「売り手市場」が続く転職マーケット。とりわけソフトウェア開発を中心とする技術職は、引く手あまただ。しかし、本人がその貴重なキャリアを活かした転職を考えていないこ...
2017/07/05掲載
転職活動と電話
ビジネスにおいての連絡手段といえば「電話」であった時代は過去のものとなり、現在の主役は「電子メール」。近年では「いきなり電話するのは失礼だ」と考える人も少なくな...
2017/06/02掲載
40~50代の転職も増加中
長い間、「転職するなら35歳まで」と言われてきたが、この数年で「40代、50代でも経験重視で採用したい」というケースが徐々に増えてきている。人材紹介会社としては...
2017/05/01掲載

関連する記事

若手採用のパラドックス
せっかく採用した新入社員がすぐに辞めてしまう、という悩みを抱える企業は少なくない。そのため“すぐにやめない人材”であることも選考のポイントとなる。人材紹介会社で...
2017/04/03掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
フルタイム以外の人材紹介
子育てや介護などでフルタイムは働けない人の場合、これまではパートタイマーのような簡単な仕事を選択することがほとんどだった。しかし、「短い時間でもキャリアを生かし...
2017/03/03掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
社会人教育と転職
「働き方改革」の一つとして、人材が流動化しやすい社会、つまり転職しやすい環境をいかにつくるのかという課題がある。欧米では一般的な「大学などで学び直すことでキャリ...
2017/02/01掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
有本隆浩さん(株式会社MS-Japan 代表取締役社長):
感性を研ぎ澄ませて時代の流れを読み、あとは行動あるのみ――
「管理部門特化型」の人材紹介で市場を創造
株式会社MS-Japanは、人材紹介会社としてはきわめてユニークな「管理部門に特化する」戦略によって、業界屈指の高収益・高付加価値を実現しています。同社の創業者...
2017/01/30掲載HR業界TOPインタビュー
出張面談とプライバシー
腹を割って本音を話してもらう「転職相談」は、人材紹介に欠かせないプロセスだ。在職中で忙しい場合、求職者の希望の場所で出張面談を行うこともある。注意しなければいけ...
2017/01/04掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
2019年度 新卒採用特集
会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。会員ができること

注目コンテンツ


2019年度 新卒採用特集

激戦の新卒市場をリードするための最新のサービスやソリューションをご紹介。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


変わる、就職・採用!大量に集めて大量に落とすモデルの限界

変わる、就職・採用!大量に集めて大量に落とすモデルの限界

「厳選企業と優秀学生をつなぐスカウト型のエージェントサービス」IROO...


管理職1年生日記 (第1回)

管理職1年生日記 (第1回)

主人公は、首都圏に本社がある食品メーカーC社営業部第2課に勤務するA氏...