無料会員登録

日本の人事部への登録は45秒で完了!
※登録内容はマイページで確認・変更できます。

※「@jinjibu.jp」からのメールが受信できるようにしてください。

既に会員の方はこちら

または各SNSで登録

日本の人事部があなたの許可無く投稿することはありません

既に会員の方は
こちらからログイン

ログイン

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・ログイン

ありがとうございます。会員登録が完了しました。
メールにてお送りしたパスワードでログインし、
引続きコンテンツをお楽しみください。

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・自動ログイン

会員登録とログインが完了しました。
引続きコンテンツをご利用ください。

マイページ

会員登録済み


選択したSNSアカウントは既に会員登録済みです。

「キラキラした若者」はなぜ会社を辞めるのか
ソーシャル・エンゲージメントの視点から

パーソル総合研究所 シンクタンク本部 上席主任研究員 小林 祐児氏

「キラキラした若者」はなぜ会社を辞めるのか ソーシャル・エンゲージメントの視点から

パーソル総合研究所では、立教大学の中原淳教授、ベネッセ教育総合研究所との研究プロジェクトである『ハタチからの「学びと幸せ」探究ラボ』において、若手社会人が仕事で活躍し幸せを感じること(幸せな活躍[注1])のヒントを探求している。本コラムでは、そこで得られた成果のうち、就業者の幸せな活躍にとって重要な社会へのエンゲージメント、「ソーシャル・エンゲージメント」について詳細な分析を紹介したい。

すでにコラム「社会」へのエンゲージメントが仕事で活躍し幸せを感じることに導く――ソーシャル・エンゲージメントとは何かで紹介したとおり、本ラボでは、就業者の重要なエンゲージメントとして、「社会」へのエンゲージメントである「ソーシャル・エンゲージメント」という概念を提起した。

ソーシャル・エンゲージメントとは、①「社会への関心があること」、②「社会的責任感を持っていること」、③「社会課題解決への効力感」という3つの側面からなる、個人が持つ「社会への志向性の強さ」のことである。定性的・定量的な検証ののち、このソーシャル・エンゲージメントは、本人のウェルビーイング(Well-being)、職場での個人パフォーマンス、ジョブ・クラフティング(従業員が自らの職務内容や職務のフレームを再構築し、それをより意味があるものに変える行為)[注2]といった重要な成果に強いポジティブな関係があることが分かっている。本コラムでは、そのソーシャル・エンゲージメントという概念を用いながら、若者の仕事意欲の低下や離職リスクなどについて議論を行っていく。

入社後「意識の高い若者」の目が曇っていく

就活の現場を見ていると、ボランティアや国際活動など、何らかの社会性に溢れた活動を学生時代から積極的に行い、コミュニケーションがうまく経験豊富な学生に出会うことが多々ある。学生はその経験を活かした就活を行い、しばしば企業からの人気も高く、大手企業の内定を幾つも獲得していく。また、企業側も、採用マーケティングや企業説明会などで、自社の事業の社会的意義や地域への貢献、地球環境への配慮などをアピールすることがほぼ通例となっている。

しかし、そうした「キラキラした」「意識の高い」ように見える学生の多くが、社会人として数年を過ごしていくうちに企業内で意欲を失っていくことが多いこともまた事実だ。企業理念や事業の社会的な意義に共感し、意気揚々と入社するにもかかわらず、入社後にどこかのタイミングで落胆し、早期離職に至ることも、「意識の高い若手あるある」として採用担当者の間でよく聞かれるものだ。こうしたケースで見られるのは、「社会」的な関心が強い20代の若者、つまりここでいう「ソーシャル・エンゲージメント」が高い層の若者が、入社後に活躍していかないという課題である。

ソーシャル・エンゲージメントの各要素を、年齢別に見てみよう。「社会課題への具体的関心」と「課題解決への効力感」は20代を通じてやや減少傾向にある。その後ソーシャル・エンゲージメント全体は横ばい傾向になり、50代後半から上昇するという傾向が見られる。「キラキラした意欲が失われていく」といった現象は、データでも兆候として見られるようだ。ただ、この年齢傾向は、世代効果(コーホート効果)か加齢効果かの判別はできない。そのため、詳細な仕事経験とソーシャル・エンゲージメントの関係を見てみよう。

図1:年齢別の社会への意識
図1:年齢別の社会への意識

出所:パーソル総合研究所・ベネッセ教育総合研究所・中原淳「就業者の社会貢献意識に関する定量調査」

若者のソーシャル・エンゲージメントはなぜ下がるのか

34歳以下の若年層に絞って、ソーシャル・エンゲージメントにマイナスの関係を持つ仕事経験を分析した。すると、仕事における3つの要素が、人の社会への志向性を奪っているような様子が見られた。

その要素の1つ目は、仕事における「貢献感の欠如」だ。これは、「会社の利益だけを出す仕事だ」「直接人から感謝されにくい仕事だ」といった貢献実感のなさである。2つ目に、「他人を傷つけたり、軽んじたりすることがある仕事だ」「人を騙している気になることがある仕事だ」という「他者軽視感」である。3つ目に、「今の仕事は自身の成長につながっていない」「遠くない未来に不要になる仕事だ」といった「無成長実感」である。これらの3つが、若者のソーシャル・エンゲージメントにマイナスの関係が見られたのだ。

また、「貢献感の欠如」と「他者軽視感」の一部は、入社してすぐに特に強く感じられているという傾向も見られた。社会的志向の高い若者が、ビジネスの貢献実感のなさや他者を軽視した仕事の在り方に気が付き、学生時代からのリアリティ・ショックとして経験されている可能性が高い。

図2:ソーシャル・エンゲージメントが下がる仕事の経験率(就業年数別)
図2:ソーシャル・エンゲージメントが下がる仕事の経験率(就業年数別)

出所:パーソル総合研究所・ベネッセ教育総合研究所・中原淳「就業者の社会貢献意識に関する定量調査」

人類学者デヴィッド・グレーバーは、著書『ブルシット・ジョブ』において、まったくやりがいの感じられないようなムダで無意味な仕事=ブルシット・ジョブが社会で増えているということを指摘している。グレーバーの表現を借りれば、現代はこうした「どうでもいい仕事」が蔓延する一方、本当に役に立つ仕事は低賃金で搾取されるという倒錯が起こっているという。

ここで若年層に見られたこの3つのネガティブな要素は、まさにグレーバーが喝破した「どうでもよさ」を、就職後の若者が感じてしまっている例である。実際にこの3つの要素は、就業者の社会変化への諦め感(達観視・無力感・無関心)を上昇させており、そうした諦念感が、ソーシャル・エンゲージメントの低下につながっていることが判明している。

「今の仕事」が社会貢献へとつながるかが鍵

先ほどのデータが示すのは、ソーシャル・エンゲージメントが高くても、今の仕事が社会貢献へとつながっている実感がないのであれば、人は社会への関心を低減させていくということだ。つまり、ソーシャル・エンゲージメントだけ高くとも、現状の仕事とつながっていなければいけないのだ。

この事態は、ソーシャル・エンゲージメントにもう一つのコンセプトを組み合わせることでより見通しの良い議論が可能になる。 われわれは、こうした「今の会社での仕事が、社会貢献に何らか関連しているという実感」のことを、「ソーシャル・レリバンス」と呼んで測定した。レリバンスとは、「関連」や「意義」といった意味をもつ言葉だ。詳しい項目は下記に図示する。

図3:ソーシャル・レリバンスの詳細
図3:ソーシャル・レリバンスの詳細

出所:パーソル総合研究所・ベネッセ教育総合研究所・中原淳「就業者の社会貢献意識に関する定量調査」

このソーシャル・エンゲージメントとソーシャル・レリバンスの2つを組み合わせ、高低を組み合わせて4群に分けて分析すると、最も企業で活躍しウェルビーイングが高いのは、ソーシャル・エンゲージメントが高いことに加えて、ソーシャル・レリバンスも高い群(共に高い層)である。高い社会への志向性からパフォーマンスを引き出そうとするのであれば、具体的な仕事と社会貢献へのつながりを実感することがやはり有効だということである。

ソーシャル・エンゲージメントのみ高い層は、パフォーマンスやワーク・エンゲイジメントが高いが、同時に転職意向・キャリア焦燥感(キャリアを築くことへの焦り)も高いという結果になった。

図4:ソーシャル・エンゲージメントとソーシャル・レリバンスの高低別特徴
図4:ソーシャル・エンゲージメントとソーシャル・レリバンスの高低別特徴

出所:パーソル総合研究所・ベネッセ教育総合研究所・中原淳「就業者の社会貢献意識に関する定量調査」

これがまさに、社会的志向性が高い若者が、貢献実感のなさに落胆し、その会社を辞めていくという事態を説明しているといえよう。ソーシャル・エンゲージメントはソーシャル・レリバンスと組み合わさったときに大きな力を発揮するのであり、その就業者の社会貢献への期待が裏切られてしまえば、他に活躍の場を求めていく者が増えるリスクがあるようだ。

では、ソーシャル・エンゲージメントが低い就業者だけで組織を構成すれば良いかといえば、そうではない。先ほどの4群の中でソーシャル・エンゲージメントとソーシャル・レリバンスの両者が低い群(共に低い層)は、ソーシャル・エンゲージメントのみが高い層よりもパフォーマンスもウェルビーイングも最も低いからだ。社会性を一切感じず、興味もないという群が最も活躍から遠のいている。そうした人だけを集める企業が持続的に成果を出すのは難しいだろう。

このソーシャル・エンゲージメントとソーシャル・レリバンスの両立のために企業は何ができるだろうか。詳しくは別コラム(近日公開予定)に譲るが、「貢献実感のなさ」や「他者軽視感」といった若手就業者の働く状況を改善することが第一歩であろう。

求人広告や採用ホームページでは事業の社会貢献性を強調しておいて、働き始めた途端、細切れで何に貢献しているかが分からない仕事に関わることになったり、顧客のためにならないような詐欺的なサービスの売り上げをひたすらに追いかけさせられたりするなどの仕事の在り方が、社会性の強い若者にリアリティ・ショックを生んでいる。それは、社会倫理的にというよりもまず、人材マネジメントの戦略としての失敗であろう。人事や管理部門は、こうしたことが自社で起こっていないか、まずは現場に降りて確認してほしい。

まとめ

「ソーシャル・エンゲージメント」が高い若者は、視野が広く、ジョブ・クラフティングができ、パフォーマンスが高いものの、「自社での仕事」が社会への貢献とひもづいている実感がないと、離職していくリスクが高まっている。これが本コラムで議論した「意識の高い若者から辞めていく」という「あるある」の背景を説明している。

離職しなくても、短期業績ばかり追い、貢献実感が欠如した仕事を続けることで、人は「社会」を考えることを徐々にやめていく様子も見られた。社会貢献など青臭いことだと「達観」し、「無力感」に囚われ、「無関心」になっていっている。このような傾向は、企業での働き方が、人から社会性を失わせていくメカニズムそのものである。90年代以降の成果主義トレンドの功罪はこうした観点からも検討されるべきである。

[注1] 具体的には、以下のように「幸せな活躍」を定義した。「はたらく幸せ実感」はパーソル総合研究所×慶應義塾大学 前野隆司研究室 「はたらく人の幸せに関する調査」より「はたらく幸せ実感」の項目を使用した。

本調査での「幸せな活躍」の定義と測定:

「はたらくことを通じて、幸せを感じている」などの7項目を「個人の主観的な幸せ(はたらく幸せ実感)」として測定し、「顧客や関係者に任された役割を果たしている」「担当した業務の責任を果たしている」などの5項目を個人のジョブ・パフォーマンスとして測定した上で、全体分布の中でともに高い層を「幸せな活躍層」として定義。

[注2] ジョブ・クラフティング: 仕事の自律的再創造に向けた理論的・実践的アプローチ 単行本 – 2023/3/18 高尾 義明 (編集), 森永 雄太

株式会社パーソル総合研究所

株式会社パーソル総合研究所
パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、タレントマネジメントシステム提供、社員研修などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。
https://rc.persol-group.co.jp/

HR調査・研究 厳選記事

HR調査・研究 厳選記事

? このジャンルの新コンテンツ掲載時に通知します このジャンルの新コンテンツ掲載時に通知します
フォロー

無料会員登録

フォローすると、対象ジャンルの新着記事が掲載された際に通知します。
利用には『日本の人事部』への会員登録が必要です。

メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。

この記事ジャンル エンゲージメント

無料会員登録

会員登録すると、興味のあるコンテンツをお届けしやすくなります。
メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

この記事を既読にする

無料会員登録

「既読機能」のご利用には『日本の人事部』会員への登録が必要です。
メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

この記事をオススメ

あなたのオススメとして、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)が公開されます。
※コメント入力は任意です。

オススメ
コメント
(任意)
■コメント投稿に関するご注意
以下に定めるご注意をご承諾の上、コメントを投稿してください。

1.
記載されている記事や回答の内容に関係のないコメントは、ご遠慮ください。
2.
以下の内容を含んだコメントの投稿を禁止します。『日本の人事部』事務局が禁止行為に該当すると判断した場合には、投稿者に通知することなく、コメントを削除または修正することもございます。予めご了承ください。
・第三者の名誉または信用を毀損するもの
・第三者を誹謗・中傷するもの
・第三者の名誉、信用、プライバシーを侵害するもの
・第三者の著作権等の知的財産権を侵害するもの
・第三者の権利または利益を侵害するもの
・公序良俗に反する内容を含んだもの
・政治活動、宗教、思想に関する記載があるもの
・法令に違反する、または違反のおそれがある記載のあるもの
・差別につながるもの
・事実に反する情報を記載するもの
・営利目的の宣伝・広告を含んだもの
・その他、内容が不適切と判断されるもの
3.
氏名・住所・電話番号などの個人情報を記載すると、トラブルに繋がる可能性があります。絶対に記載することのないよう、ご注意ください。
4.
掲載されたコメントにより発生したトラブルに関しては、いかなる場合も『日本の人事部』事務局では責任を負いかねますので、ご了承ください。
5.
ご投稿いただきましたコメントは、『日本の人事部』や、当社が運営するウェブサイト、発行物(メールマガジン、印刷物)などに転載させていただく場合がございますので、ご了承下さい。

コメントを書く

あなたのオススメとして、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)が公開されます。

コメント
■コメント投稿に関するご注意
以下に定めるご注意をご承諾の上、コメントを投稿してください。

1.
記載されている記事や回答の内容に関係のないコメントは、ご遠慮ください。
2.
以下の内容を含んだコメントの投稿を禁止します。『日本の人事部』事務局が禁止行為に該当すると判断した場合には、投稿者に通知することなく、コメントを削除または修正することもございます。予めご了承ください。
・第三者の名誉または信用を毀損するもの
・第三者を誹謗・中傷するもの
・第三者の名誉、信用、プライバシーを侵害するもの
・第三者の著作権等の知的財産権を侵害するもの
・第三者の権利または利益を侵害するもの
・公序良俗に反する内容を含んだもの
・政治活動、宗教、思想に関する記載があるもの
・法令に違反する、または違反のおそれがある記載のあるもの
・差別につながるもの
・事実に反する情報を記載するもの
・営利目的の宣伝・広告を含んだもの
・その他、内容が不適切と判断されるもの
3.
氏名・住所・電話番号などの個人情報を記載すると、トラブルに繋がる可能性があります。絶対に記載することのないよう、ご注意ください。
4.
掲載されたコメントにより発生したトラブルに関しては、いかなる場合も『日本の人事部』事務局では責任を負いかねますので、ご了承ください。
5.
ご投稿いただきましたコメントは、『日本の人事部』や、当社が運営するウェブサイト、発行物(メールマガジン、印刷物)などに転載させていただく場合がございますので、ご了承下さい。

問題を報告

ご報告ありがとうございます。
『日本の人事部』事務局にて内容を確認させていただきます。

報告内容
問題点

【ご注意】
・このご報告に、事務局から個別にご返信することはありません。
・ご報告いただいた内容が、弊社以外の第三者に伝わることはありません。
・ご報告をいただいても、対応を行わない場合もございます。

HR調査・研究 厳選記事のバックナンバー

関連する記事

【用語解説 人事辞典】
アップスキリング
限界認知
キャリア
テクニカルスキル(業務遂行能力)
シャドウイング
エンゲージメントを高めるためのポイント
エンゲージメントがもたらすメリット
効果測定
静かな退職(Quiet Quitting)
心理的資本(Psychological Capital)