ハローワーク新システム開始!
人を集める求人票の書き方
社会保険労務士
東谷義章
4.求職者の視点に立った求人票の書き方のポイント
筆者は、ハローワークで約5年間、求人募集をする会社の担当者や求職者の相談対応をする部署の相談員として働いていました。その際に、会社の方からよく相談された内容が「ハローワークで求人募集をしているけど、全く応募がありません。どうすればよいでしょうか」というものでした。
実際に、筆者の目から見て、「この求人票は非常によく書けているな」と思える求人票は全体の1%もありませんでした。筆者は、ハローワークの求人票で「求職者が応募しやすい求人票」にするためには、以下の七つのポイントに注意した求人票を作成する必要があると考えます。
(1)【職種】欄で求職者の興味を引くようにする
(2)【仕事の内容】欄は仕事内容をできるだけ詳しく「です・ます」調で記載する
(3)【必要な経験等】欄には「経験者優遇」や「経験あれば尚可」と記載しない
(4)【賃金】欄は賃金の上限額ではなく下限額を意識する
(5)【求人に関する特記事項】欄では会社の将来のビジョンなど会社のアピールをする
(6)【職務給制度】欄では職務に応じて賃金を決定することをアピールする
(7)【復職制度】欄では再雇用制度があることをアピールする
(1)【職種】欄で求職者の興味を引くようにする
ハローワークを利用して求職者が仕事探しをする場合、ハローワーク内では求人検索機(ハローワークにある求人検索専用のパソコン)で「希望職種」「希望の就業場所」「希望賃金額」などの条件を入力して検索します。ハローワークインターネットサービス(ハローワーク以外でもWEB上でハローワークの求人検索ができるサイト)で仕事探しをする場合も同様です。検索した結果、まず「求人情報一覧」として各求人票の求人番号や職種、雇用形態などの一定の情報だけが掲載されている画面が表示されます(参考1)。
求職者は、この画面から自分が気に入った求人票の「詳細を表示」をクリックして、詳細な条件を確認します。
まずは、この「求人情報一覧」画面で求職者の目に留まる必要があるのです。しかし、求人区分や就業時間、雇用形態、求人番号などは定型の項目ですので、求職者の目を引くような工夫はできません。賃金額を他社よりも高い額で提示できればもちろん目を引きますが、それができれば苦労しないでしょう。そこで、工夫できる数少ない箇所が【職種】欄となります。
一般的に、【職種】欄には、飲食業では「ホールスタッフ」や「キッチンスタッフ」、情報通信サービス業では「システムエンジニア」や「プログラマー」など、職種しか記載してはいけないと思われていますが、それ以外のことも記載することができます。例えば、飲食業では「ホールスタッフ(未経験の方大歓迎。丁寧に指導します)」、製造業では「プレス工(経験者は月額25万円以上)」などと記載することも可能です。ただし、求人募集に全く関係ないことは記載できません。どこまで記載できるかは各ハローワークの判断によりますので、管轄のハローワークに確認してください。
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