企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ミシュウショクソツギョウシャ 未就職卒業者

「未就職卒業者」とは、大学を卒業した時点で、就職も進学もしていない人を指します。就職できずにいったん卒業すると、大学の就職支援を受けにくく、フリーターなど不安定な雇用形態に固定化される原因になるといわれます。日本では、少子化で大学・短大への入学者数が減少しているにもかかわらず、この未就職卒業者の数は増加傾向にあります。
(2012/2/13掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

未就職卒業者のケーススタディ

第2のロストジェネレーション発生の懸念
“ネット就活”への依存が支援を困難に

社会の入り口でつまずく若者が増えています。文部科学省「学校基本調査」によると、2011年3月卒業の未就職卒業者の数は10万7000人で、リーマン・ショックが発生する直前の08年3月に卒業した7万1000人を4万人近く上回っています。大学への入学者数そのものが減少傾向にあることを考えれば、そこから企業に採用されて実社会へ送り出される人材の“歩留まり”の悪化はきわめて憂慮すべき事態であり、学生自身の「就業力」のレベルアップおよび就職支援体制の強化が急がれます。

就職できない学生が増加している背景としては、第一に依然として根強い学生の大手・有名企業指向があります。リクルートワークス研究所の調査によると、12年3月卒業の大学生を対象とした大企業の求人倍率が0.65倍と狭き門なのに対し、中小企業の求人倍率は3.35倍。学生の視野の狭さや偏りに起因する雇用のミスマッチが、就職難に拍車をかけているのは明らかです。さらに近年は、インターネットを活用した“ネット就活”への依存も問題視されています。就職に関する情報収集や企業への応募にかかわる手間が著しく軽減された反面、ネットだけに頼って大学やハローワークなどのサポートを受けないため、ますます視野が狭くなり、何度不採用になっても問題点の客観的な分析や改善が進まない――そういうケースも目立つようです。

未就職卒業者が増加している現状がこのまま放置された場合、フリーターなど非正規労働者層が拡大し、“第2のロストジェネレーション”の発生に至るおそれがあります。そこで国や自治体も支援に動き出しています。厚生労働省は12年度から、現役大学生の就職支援を強化する方針を打ち出しました。若者向けハローワークの就職相談員(ジョブサポーター)を300人増員して全国の大学に派遣、卒業年次前の大学3年生から就職についてマンツーマンで徹底指導を行うほか、卒業間近になっても就職先が決まらなければ、学生本人にハローワークへの登録を促し、卒業後も就職先が決まるまで相談員がフォローし続けるとしています。新設大学などでは専門の職員が足りず、大学による手厚い就職支援を受けられない学生も増えています。厚労省では相談員の増員と大学への派遣、早い段階からの就職支援の徹底によって、大卒者2万人の就職拡大につながると想定しています。

また同省は、未就職卒業者が“第2のロスジェネ”として固定化するのを防ぐために、企業に対しても雇用機会の確保に向けた取り組みを要請しています。10年11月に雇用対策法に基づく「青少年雇用機会確保指針」を改正。「卒業後3年間は新卒枠で応募可能にすることを企業の努力義務とする」と発表し、あわせて3年以内既卒者を採用する企業を支援する目的で、「3年以内既卒者採用拡大奨励金」「3年以内既卒者トライアル雇用奨励金」などの助成金も創設しました。“既卒3年=新卒扱い”という新卒の定義見直しを受けて、企業側にも新卒採用枠を既卒者にまで拡大する動きが広がっており、今後の動向が注目されます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

希望留年制度
卒業時までに企業から内定をもらえなかった学生に対して、翌年度も就職に有利な“新卒”として就職活動ができるよう、本人が希望すれば留年を認め、在学させる制度です。「卒業延期制度」とも呼ばれ、就職戦線の激化を背景に導入する大学が増えています。
就職内定率
就職希望者に対する就職内定者の割合(%)のことです。高等学校や大学などの卒業予定者を対象に、文部科学省や厚生労働省が年に数回行っている「就職内定状況に関する調査」の中で公表しています。
逆求人
企業が求人募集をかけて学生を集める従来の新卒採用活動の流れとは逆に、学生側がイベントやインターネットなどを活用して自らをアピールし、興味をもってくれた企業からのアプローチを待つしくみのことを「逆求人」と言います。知名度は低いけれど採用意欲の高い中堅・中小企業と、人気企業にこだわらずより広い選択肢か...

関連する記事

マイナビ「2014年卒の就活キーワード」を発表
2013年2月26日(火)に、株式会社マイナビ(東京・千代田区)による「2014年卒の就活キーワード発表会」が開催されました。マイナビHRリサーチセンター長 栗田 卓也氏が「2014年就職活動―学生のポイント」と題し、エントリー開始から約3ヵ月が経過した201...
2013/03/15掲載イベントレポート
ダレのための解禁日なのか?
毎年学生と企業を悩ます新卒採用の「解禁日」。解禁日を厳守している企業は年々減少し、形骸化が進む今、「解禁日」は本当に必要なのでしょうか。「解禁日」に関する調査結果から、企業と学生の本音に迫ります。
2018/04/09掲載新卒・パート/アルバイト調査
2016学生の傾向は?
就職活動の後ろ倒し、そして景気回復による売り手市場を受け、当事者である2016年卒学生に何か変化はあるのでしょうか。今回は、「2016年3月卒業予定者の就職活動に関する調査(2014年11月1日状況)」から、2016年卒学生が、2015年卒学生とどのような違い...
2015/09/14掲載新卒・パート/アルバイト調査

関連するキーワード

分類:[ 採用 ]
管理職のコミュニケーション能力を高める!ソリューション特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

仕事と介護の両立支援セミナー

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ


管理職のコミュニケーション能力を高める!ソリューション特集

今求められるコミュニケーション能力・マネジメント能力とは


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


企業のAI活用に不可欠なリテラシーと人材育成の方法とは?

企業のAI活用に不可欠なリテラシーと人材育成の方法とは?

さまざまな事業領域でAI(人工知能)が活用されています。そのため、ます...