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タナケン教授の「プロティアン・キャリア」ゼミ【第2回】
そもそも「キャリア自律」は、必要なのでしょうか?

法政大学 教授

田中 研之輔さん

タナケン教授の「プロティアン・キャリア」ゼミ

令和という新時代。かつてないほどに変化が求められる時代に、私たちはどこに向かって、いかに歩んでいけばいいのでしょうか。これからの<私>のキャリア形成と、人事という仕事で関わる<同僚たち>へのキャリア開発支援。このゼミでは、プロティアン・キャリア論をベースに、人生100年時代の「生き方と働き方」をインタラクティブなダイアローグを通じて、戦略的にデザインしていきます。

タナケン教授があなたの悩みに答えます!

さて、プロティアン・キャリアゼミの第2回をお届けします。

第1回では「プロティアン・キャリア」という考え方と、これからのゼミの進め方について共有しました。最後のところで、本ゼミはインタラクティブなダイアローグ形式で展開していくので、質問を寄せてくださいと伝えました。

すると早速、いくつかの質問が寄せられました。ありがとうございます!
その中から今回は、次の質問を取り上げることにしますね。

Q.そもそも「キャリア自律」は、必要なのでしょうか?

兵藤さん(48歳・女性 勤務先:その他)

核心をついた質問です。この本質的な問いから逃げるわけにはいきません。

キャリア自律とは何か

まず、「キャリア自律」という言葉について解説します。「キャリア自律」というと専門的な定義があって、ビジネスシーンでは直接的には活用できない、難しい概念だと思われるのではないでしょうか。

このゼミは専門用語を学ぶ場ではありません。大切にしたいのは、専門的な知識の習得と、ビジネスシーンでの洞察や行動変容の<橋渡し>をしていくことです。理論や知識は、現場では役に立たないと言われることもありますが、私はそうは思いません。理論や知識は、現場で直面するさまざまな問題への解決策や突破口を手繰り寄せるヒントになります。

「キャリア自律」については、次のように理解しておくだけで十分です。

「キャリア自律」とは、ビジネスパーソンである個々人が、自分自身の働き方やこれからの生き方について向き合い、自ら主体的に行動していくこと

このように説明すると、容易に理解できますね。さあ、質問にもどりましょう。キャリア自律は必要でしょうか。私は必要だと考えています。「キャリア自律は不要だ」とするなら、自ら主体的に働く必要はなく、所属する組織にキャリアを預けておけばいい、ということになります。それでいいのでしょうか。

キャリアとは、個々人がこれまで経験してきた「軌跡」です。軌跡といっても、通ってきた道に刻まれた痕跡だけでなく、イメージで言うなら立体的なもの。「経験の蓄積物」です。組織内での昇進や昇格、資格や達成など組織の中のキャリアは、キャリアの狭義の理解になります。

現在は、最初に入社した組織にとどまらず、違う組織へと移っていくことが当たり前になりました。これまでのように一つの企業の中での昇進や昇給によって上昇していく、直線的なキャリアにあてはまらない経路をたどる人が増えているのです。

いまの働き方にフィットするのは、直線的なキャリアモデルではありません。ただし、転職してもうまくいく場合と、うまくいかない場合があります。一つの組織で働き続けるとしても、思い通りにいかずに昇進できなかったり、会社の事業が芳しくなくて減給されたりすることもあります。そんなときには棒高跳びの棒のように、ぐっと力をため込んでおく。そしてあるときに、その「溜め」から力を放出していくようなキャリアモデルが必要です。昇進や昇格という客観的な評価を受けなくても、そのときは、キャリア形成の「溜め」だと捉えることができますね。

また、キャリアとは職業経験のほかに、さまざまなライフイベントなども含んだ時間的な経過や、個々人の歴史を含む、広義の意味で捉えていく必要があります。キャリアは「結果」ではありません。キャリアとは、個々人が「何らかの継続経験」を通じて「能力」を蓄積していく「過程」を意味します。

これまでの経験の「歴史」でありながら、これからの「未来」でもあるのです。まとめると、キャリアとは、これまで生きてきた足跡(結果)であり、生き方を客観的・相対的に分析する(現在)ことであり、これからの生き方を構想していく(未来)羅針盤なのです。
 
このようにキャリアを理解して、あらためて自ら主体的にキャリアを形成していく「キャリア自律」について考えてみてはいかがでしょうか。

「伝統的キャリア」と「プロティアン・キャリア」はどう違うのか?

勘のいい方なら、「キャリア自律は不要である」と考えてきたのは、これまでの伝統的なキャリア論であり、「キャリア自律は必要である」と考えているのが「プロティアン・キャリア」論であるということに気がついたのではないでしょうか。

伝統的なキャリアとプロティアン・キャリアの対比は、次のように整理できます。

伝統的キャリアとプロティアン・キャリア
伝統的キャリア プロティアン・キャリア
キャリアの所有者 組織 個人
価値観 昇進、権力 自由、成長
移動の程度 低い 高い
成果 地位、給料 心理的成功
姿勢 組織的コミットメント 仕事満足感
  専門的コミットメント
アイデンティティ 組織から尊敬されているか?
(他人からの尊重)
自分は何をすべきか?(組織認識)
自分を尊敬できるか?(自尊心)
自分は何がしたいのか?
(自己認識)
アダプタビリティ 組織に関連する柔軟性
(組織内での生き残り)
仕事に関連する柔軟性
現行のコンピテンシー
(市場価値)

(出典 『プロティアン』 日経BP社)

細かな対比は、今後このゼミの中でも順に解説していきますね。これまでの伝統的なキャリアの考え方は、「キャリアは組織に預けるものであり、キャリアの所有者は組織」であったわけです。そのため、伝統的なキャリア観を持ち続けている人や、組織内での昇進や昇格がキャリア形成の支柱であると考えている人は、「キャリア自律は不要だ」と感じるのでしょう。

しかし現在は、一つの組織にとらわれずに、副業・兼業・転職のように、多様な働き方をするビジネスパーソンが増えてきました。働き方は今、転換期を迎えているのです。その変化にあわせて、私たちのキャリア観もヴァージョンアップしていかなければなりません。

組織から個人への働き方の転換後のキャリア形成をサポートしていくのが「プロティアン・キャリア」です。「プロティアン・キャリア」では、自らキャリアをデザインしていくことを前提とします。そのとき、キャリアの所有者は、個人です。

個人の視点から、これからの働き方や生き方を構想していく。副業するのか、転職するのか、今のまま仕事を続けていくのか。役職定年後はどうするのか。企業の寿命より私たちのキャリアの方が長くなった今、さまざまな局面で自らのキャリアをハンドリングしていくことが不可欠です。今いる組織に不満がある場合は、あなた自身がなんらかの行動をするしか突破口はないのです。

自ら決めるのです。そうであるからこそ、「キャリア自律」は必要なのです。

いかがでしたか。質問があれば、遠慮なくメッセージをお寄せくださいね。

 「プロティアン・キャリア」ゼミは、さらに先に進んでいきます。今回の質問にひきつけるなら、「キャリア自律は必要か、不要か」という二軸で捉えるのではなくて、「キャリアをいかに形成していくのか」という<自律>の「内実」について丁寧にみていきます。

それではまた来月、第3回でお会いしましょう!


田中 研之輔さん(法政大学 教授)
田中 研之輔
法政大学 教授

たなか・けんのすけ/博士:社会学。一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員をつとめる。2008年に帰国し、現在、法政大学キャリアデザイン学部教授。専門はキャリア論、組織論。<経営と社会>に関する組織エスノグラフィーに取り組んでいる。著書23冊。『辞める研修 辞めない研修–新人育成の組織エスノグラフィー』『先生は教えてくれない就活のトリセツ』『ルポ不法移民』『丼家の経営』『都市に刻む軌跡』『走らないトヨタ』、訳書に『ボディ&ソウル』『ストリートのコード』など。ソフトバンクアカデミア外部一期生。専門社会調査士。社外取締役・社外顧問を14社歴任。最新刊『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』


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