出向者の費用改善方法
出向について覚書(給与・社会保険料・通勤交通費・退職金相当額)を交わしていますが、出向者の給与が出向先の基準を超えているため、覚書の金額は出向前の給与のみとなっており、社会保険料等は出向元が負担している状況です。
近々に転籍させる予定ですが、このままだと現行の給与を維持されず年間100万円以上ダウンしてしまい、本人の拒否が想定されます。当然、両者の話し合いが必要ですが、差額を詰めるための交渉への準備や考え方がありましたらアドバイスをいただきたくお願いをいたします。
投稿日:2020/03/05 11:39 ID:QA-0091093
- 特命班さん
- 東京都/販売・小売(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
労働条件の維持
会社の方針により異動・転籍・出向させる以上は、社員に非はありませんので、労働条件を下げないことが何より重要です。転籍出向を決めた際に、基準ではなく、経営上の必要性から判断したことを優先し、特別な対応をすること、今後も同様な調整が必要なのであれば、そもそも基準が現実に機能していないことなど含めて話し合うことになります。
一方、懲罰的な意味で転籍させるとしても、一方的不利益変更はできません。
投稿日:2020/03/05 11:53 ID:QA-0091095
相談者より
ご回答ありがとうございました。転籍出向が経営上の必要性で優先されたことと、基準が現実に機能していないこと等の点から、不利益変更にならないよう協議していくことにいたします。
投稿日:2020/03/09 16:16 ID:QA-0091221参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
転籍に伴う賃金ダウン
▼前提条件無しとすれば、出向と転籍は、労働契約面で根本的に違います。転籍は、「現在の会社と従業員との労働契約を合意解約し、転籍先企業と従業員が、新たに労働契約を成立させる」ことなので、一旦、ゼロからの仕切りとする必要があります。
▼他方、現実には、出向先からの転籍という、従来の労働条件を引きずってくる場合が多いので、出向時の条件維持が出発点になります。表向け声高には言えませんが、実務的には、対象人材に関して、出向先が招聘したいのか、出向元が引き取って欲しいのかが条件の決め手になります。
▼ご相談では明らかに後者の状況なので、スンナリ行く見通しは極めて少ない様です。移籍先としては、出向期間を通じてある程度の目鼻が付いている様ですが、ミラクルはあり得ませんので、100万円強の差額を折半する用意があるかどうかがポイントでしょうね。
▼難しければ、出向元が、支給退職金の積増で、移籍先負担を軽減するサイド策もあります。この方法のメリットは、退職金として扱われる、相当パンチの効く手取金額増となる点です。
投稿日:2020/03/05 17:38 ID:QA-0091118
相談者より
ご回答ありがとうございました。
確かにミラクルな得策はありませんので、差額の折半について交渉することと、出向元が退職金を積増することも検討いたします。ただ、転職後の給与水準を少しでも維持できるかも協議していきたいと考えます。
投稿日:2020/03/09 16:24 ID:QA-0091222参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、労働条件の不利益変更を伴った転籍になりますので、本人の拒否が予想されるだけでなく、経緯によっては御社の悪評を立てられる可能性もございますので、転籍の再考を含めまして極めて慎重に対応される事が求められます。
その上で申し上げますと、どうしても転籍してもらいたい場合には給与が下がる分について何らかの補填となる処遇を採られるべきといえます。例えば、特別な手当の支給や特別有給休暇の付与等が考えられます。但し、休暇増等出向先の勤務に影響を及ぼすような措置につきましては当然ながら出向先の理解を得る事も欠かせませんので、そのような場合には出向先も含めた3者間できちんと話し合われることが重要といえます。
投稿日:2020/03/06 17:23 ID:QA-0091154
相談者より
ご回答ありがとうございました。
労働条件の不利益変更転籍は、慎重を要するため、出向先との協議が大であり、特別手当等の措置を検討して合意点を探っていきたいと思います。
投稿日:2020/03/09 17:15 ID:QA-0091229参考になった
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