就業規則の改定
いつもお世話になります。
労働組合のない50人規模の会社です。
今度、役員より就業規則を改定すると言われました。
具体的には、旅費規程にある日当を廃止するとのこと。
既存の規程より従業員に不利益になりますので、会社従業員代表との合意が必要であると申し上げたところ、
「就業規則をオーバールールすののは、労働協約で、さらに労働協約 をオーバールールするのは、法律。労働組合がない会社は労働協約 が存在しない。就業規則は勝手に変更可。代表者は、会社が決める
ことが出来る」主旨の発言がありました。
コンプライアンスに反しないか、心配です。
良きアドバイスを戴ければ、幸いです。
投稿日:2010/11/19 11:46 ID:QA-0023898
- morinoさん
- 神奈川県/商社(専門)(企業規模 31~50人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
就業規則の本則と附則
就業規則の中でも就業時間や採用、解雇などの部分は絶対的記載事情として基幹の部分です。これに対して、附則の部分もあります。
実際問題、旅費日程をなくすという改訂は行なわれており、それは不利益変更の対象外と認識されている場合が多いです。
労働時間や賃金などでは不利益変更が問題になりますが、通勤費や出張規定の部分は、周辺部分であり、不利益な改訂はありうるし、それが会社の方針であればやむを得ないです。
ただ、出張自体を合理的にすることで、経費節減することも大事です。運用によって経費節減は可能です。
投稿日:2010/11/19 11:54 ID:QA-0023899
プロフェッショナルからの回答
就業規則の改定について
1.原則として、労働条件の不利益変更であれば、労働者の個別同意が必要です。
▲ただし、変更後の就業規則を周知させ、内容が合理的であれば、同意までは必要ありません。
2.日当は賃金の主たる部分にはあたりませんので、同意までは不要かもしれませんが、かといって一方的にかえていいものではありません。日当を廃止する理由は担保しなければなりません。
投稿日:2010/11/19 13:21 ID:QA-0023900
相談者より
投稿日:2010/11/19 13:21 ID:QA-0041669大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「 就業規則は、会社が自由に変えられる 」 というのは誤り
.
■ 効力の優先順位が、「 ① 労働基準法 ⇒ ② 労働協約 ⇒ ③ 就業規則 ⇒ ④ 労働契約 」 というのはその通りです。但し、「 労組がなく、労働協約も存在しないから、労基法に違反しない限り、就業規則は、会社が自由に変えられる 」 というのは誤りです。
■ 法律は、労基法だけではありません。一昨年施行された、「 労働契約法第10条 」 を参照して下さい。就業規則の不利益変更を 「 妥当な内容と手順を経たものに限る 」 目的で、従来の判例法理が成文化されました。ポイントは、① 周知・② 労働者の受ける不利益の程度・③ 変更の必要性・④ 内容の相当性・⑤ 労働組合等との交渉の経緯・⑥ 合理性です ( ⑤ に就いては、労組に代え、労働者の過半数を代表する社員との交渉の経緯 )。
■ 最上位である法律を守るのであれば、不利益変更となる今回の事案も、上記、労働契約法に則り、処理されるべきだと考えます。回答者としては、出張日当廃止の是非についてはコメント致しませんが、御社役員の、労使間のルールである就業規則の軽視姿勢には、大きなコンプライアンス違反が窺えます。
投稿日:2010/11/19 13:52 ID:QA-0023902
相談者より
投稿日:2010/11/19 13:52 ID:QA-0041670大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
代表者の方の就業規則を勝手に変更出来る旨の認識は完全に間違いです。仮にそうであれば、賃金カット等は幾らでも会社側で自由に行う事が出来ることになりますが、そのような措置が取れないことはいうまでもありません。労働契約法上でも、労働者との合意なき契約内容の変更は原則として無効とされています。
しかしながら、旅費規程にある日当を廃止することに関しましては、出張時における食費代に当たる等通常の日当であれば、賃金には該当しませんので、重要な労働条件の不利益変更に求められる労働者の個別同意が必要不可欠とまではいえません。
従いまして、事情を十分に説明し、労働基準法上の改正手続きに沿って従業員代表の意見も聴かれた上で変更される分には差し支えないものといえるでしょう。
重要性が低いとはいえ、不利益変更に該当する事に相違はないので、会社側が一方的に決めて従業員に押し付けるといった横暴な変更手法だけは避ける事が必要です。
投稿日:2010/11/19 22:30 ID:QA-0023916
相談者より
投稿日:2010/11/19 22:30 ID:QA-0041676大変参考になった
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