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社用車の修理費用負担について

会社の営業車、当然社員しか使用しないのですが、間違いなく運転中ぶつけた形跡がありました。しかし、自主申告を求めても誰からも申し出がありません。

この様な場合のために、就業規則
『車両・施設等を損傷した者からの申し出なき場合は、全従業員で費用すること』と記載してますが、本当に修理費を全社員で折半させることに問題ないでしょうか?

投稿日:2005/09/30 19:09 ID:QA-0002102

*****さん
長崎県/その他業種(企業規模 11~30人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答2

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

社用車の修理費用負担について

■就業規則記載の条文は、「損害賠償責任の原因となった不法行為者は不明、不法行為の成立要件も会社推定のまま、社員全員に連帯責任を課する」と読み替えることができます(不法行為の成立要件・民法709条参照)。
■どのような経緯で就業規則の当該条文が作成されたか分かりませんが、会社財産保全の目的で、加害者不明のまま、全員に連帯責任を課することは、著しく良識を欠き、民法上の公序良俗に反する可能性が高いと判断できます。公序良俗に反する規則、規程は無効となります。
■他方、実態面ではどうでしょう? ご相談に「<本当に>修理費を全社員で折半させることに問題ないでしょうか?」と迷いが感じられるとおり、著しく良識を欠く行為だけに、強行されれば社員から、「会社は何を考えているの?」といった批判の声が上がるでしょう。むしろ、車輌利用・管理規程の見直し、運用面のチェック、社員への徹底といった基本行動面の再点検が筋道ではありませんか?

投稿日:2005/10/01 15:27 ID:QA-0002107

相談者より

「迷いと不安」に対して、明解且つ理と法にかなった回答、誠にありがとうございました。ご指摘の社員への徹底で、個別面談調査したところ…「実は…社用車の傷は私がやりました。」という社員が現れました。今後このような社内秩序を乱す(社員同士が疑う)ようなことがないよう管理規定の見直しを図ります。ただ、今回この申告した社員に対しての処分は、①幾分かの修理費負担又は②始末書等の懲戒、どちらの処分が適正なのでしょうか?ご教示頂ければ幸甚です。何卒宜しくお願い致します。

投稿日:2005/10/09 21:14 ID:QA-0030836大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

社用車の修理費用負担について

■損傷事故を起こした社員が名乗り出てくれたことでホッとし、気分も明るくなりました。これを、良好な秩序と明るさのある職場作りの機会にしてください。本人に対する社内措置については、懲戒や損害賠償に関する御社の就業規則の定めに則って決められれば如何がでしょう。業務使用中の事故か、私用運転中かによりかなり違ってくると思います。懲戒事由としては、事故を起こしたことよりも、「申告を求められても申出でなかった事実」の方が重要だと思います。
■社有車には当然、車両保険が付保されていると思いますので実際に求償できないのは免責部分だけですね。① 修理費負担させるのも私用運転の場合に限るのが妥当ではありませんか? ② 処分としては、最も軽いものとされている「戒告」あるいはその次の「譴責」のレベルが妥当と思います。因みに、通常、「戒告」とは、将来を戒めるのみで、始末書の提出は求めず、「譴責」では、始末書を提出させて将来を戒めることを言います。譴責の場合は、昇給・昇進・昇格や賞与において不利な査定を受けることがあります。。
■以下、参考にして下さい。
労働者に対する懲戒処分には厳しい制限があり、普通解雇のチェック項目の外、次の点をチェックすることが必要です。これらの要件を欠いた懲戒処分は懲戒権の濫用として無効となります。
1. 罪刑法定主義の原則⇒懲戒事由、懲戒内容を明示すること
2. 平等待遇の原則⇒すべての労働者を平等に扱うこと
3. 二重処罰の禁止⇒同じ事由で二重に処分することはできない
4. 不遡及の原則⇒懲戒規定の制定以前の行為には適用できない
5. 個人責任の原則⇒連座制は許されない
6. 相当性の原則⇒処分の種類・程度には客観的妥当性が必要
7. 適性手続きの原則⇒就業規則や労働協約などで定められた手続きが必要

投稿日:2005/10/10 11:08 ID:QA-0002189

相談者より

二度に亘るご回答、ありがとうございました。
どちらも奥深い所までのご教示に心から感謝申し上げます。本当に勉強になりました!

投稿日:2005/10/10 14:08 ID:QA-0030873大変参考になった

回答が参考になった 0

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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