借り上げ社宅| “会社負担”と“社員負担”の決め方(1)
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こんにちは、プレニーズの秋口です。
物件を借りた際、家賃、管理費、敷金・礼金、更新料など様々な費用が発生しますよね。借り上げ社宅制度においては、諸費用を会社負担にするのか、社員負担にするのか、はたまた双方で負担する場合その割合は?といった点を事前にはっきり決めておかないと後々面倒事に発展してしまいます。
そこで今回は社宅にかかる諸費用の負担について、決め方の基準などをお話しさせていただきます。
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はじめに 負担者の考え方とは
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賃貸物件を借りる際に発生する諸費用は、大きく2種類に分けられます。
A.どの物件でも必ず発生する項目
B.物件ごとにあったり無かったりする項目
社宅は会社名義で契約し社員のための福利厚生として機能していますから、「契約上必ずかかる費用に関しては会社負担にする」という考え方を採用している企業様が多いです。社員様にできるだけ負担させないようにという配慮ですね。
上記で言えばA.の項目に関しては基本的に会社負担、B.は個人負担と社宅規定で定めます。
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(1)『賃料』の負担割合
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まずは基本の項目『賃料』。
必ず発生する費用ですが、全額会社負担にするとその費用は社員への「給与」とみなされてしまいます。
そのため会社:社員で負担割合を決める必要がありますが、会社負担:社員負担=8:2のように極端に多い割合で設定した場合も同様に「給与」とみなされる場合があるので気を付けましょう。
■“給与”とみなされたらどうなる?
<会社視点>給与として支払う=経費として落とせる(メリット)
<社員視点>給与として受け取る=所得が増えるので所得税の支払いが増えてしまう(デメリット)
このように社員様にとって不満が残る形になってしまいます。
■理想の割合とは
おおまかな決め方ですと<賃料上限〇〇円、その内××%を会社負担、残りを社員負担>のような決め方が多く採用されています。
例:社宅規定で<賃料上限10万円、その内50%を会社負担、残りを社員負担>と定めている場合
(物件A)賃料80,000円
- 会社負担 → 80,000×50%=40,000円
- 社員負担 → 80,000-40,000=40,000円
(物件B)賃料120,000円
- 会社負担 → 100,000×50%=50,000円
- 社員負担 → 120,000-50,000=70,000円
会社が負担するのは上限以内の賃料50%までなので、物件Bのように上限を超えた場合は社員様の負担が多くなります。
※実際にはこの他にも細かな計算方法があるので、あくまで大まかな一例としてご参考ください
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(2)『管理費(共益費)』の負担
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『賃料』のようなネックとなる事項が無いため、全額会社負担/全額社員負担/一部社員負担と判断が分かれます。ただ、必ず発生する費用なのでやはり会社負担としている企業様が多いです。
また、賃料と合わせて見た際、毎月の送金額が同じでも下記のように設定が異なる物件があります。
- (物件C) 賃料80,000円 + 管理費5,000円
- (物件D) 賃料85,000円 + 管理費0円
すると物件Cで「賃料はクリアしたけど管理費がオーバーしている」といった事が起こり得るため、(1)『賃料』の規定を「賃料+管理費」で設定する企業様もいらっしゃいます。お部屋探しの際もわかりやすいですね。
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(3)『敷金』『礼金』の負担
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一般的に全額会社負担です。なお首都圏であれば賃料の0~2か月分が基本なので、多くの社宅規定で<上限2か月分まで>と設定されています。
例外は「通常1ヵ月分だが喫煙したら2ヵ月分」のように入居者の都合で費用が追加される場合です。「本来は1ヵ月分で済んだのだから」という考えから、入居者都合で追加された費用に関しては社員負担と定めることができます。
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(4)『仲介手数料』の負担
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全額会社負担にしている企業様がほとんどです。(3)の『敷金』『礼金』とセットにされることが多く、この3点は特に“不動産賃貸借で必ず発生する費用”と言われています。
余談ですが、個人契約で賃貸物件を探す際は仲介手数料無しの物件を優先する方が多くいらっしゃいます。社宅規定で<仲介手数料は会社負担>と定められていたら手数料有無を気にせずに済んで物件の選択肢が広がるため、会社負担で設定されていると喜ばれる項目です。
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(5)『更新料』の負担
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全額会社負担とする企業様が圧倒的に多いです。更新の際には“更新事務手数料”も別にかかりますが、こちらも更新料とまとめて会社負担とするケースが多いです。
『敷金』『礼金』同様、一般的に〇ヵ月分という単位で設定されているので<上限1ヵ月分>のように規定されます。
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(6)『短期解約違約金』の負担
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基本的に会社負担ですが「1年以内の解約なら1ヵ月分まで負担」のように線を引いています。もし規定額を超える費用が発生した場合は社員負担です。
ここで注意したいのが解約の理由です。
なぜ短期解約することになったのかをはっきりさせ、「会社都合で仕方なく解約する場合は全額会社負担にする」と定めているパターンもあります。いずれにしても企業様ごとの判断に委ねられるので、何か月分までを会社負担とするのか、規定額を超えた分はどう判断するか?まであらかじめ定めておきましょう。
─ 社員都合の理由 例
- ペット可の物件に引っ越したい
- 気になる部屋が空いたからそっちに住みたい
- 退職するため
─ 会社都合の理由 例
- 長期出張を命じられた
- 部署異動で通勤しづらくなった
- 勤務形態が変わり会社近くに引っ越すよう指示が出た
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(7)『原状回復費用』の負担
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全額会社負担とする企業が多いです。
ただし以下のような場合は善管注意義務違反となり、通常よりも原状回復費用が高くなります。通常損耗の範囲を超えた分も会社負担とするのか、それとも社員責任として請求するのか、退去時に揉めないように定めておきましょう。
─ 原状回復費用が高くなる例
- 室内で日常的に喫煙をし著しく壁紙が汚れた
- ペットの糞尿を放置して床にシミができた
- 冬場結露の掃除を怠りカビが大量に発生した
- むしゃくしゃした日に壁を殴って穴をあけた
その他項目については次回コラムにてお話しさせていただきます。
- モチベーション・組織活性化
- 福利厚生
- マネジメント
- コミュニケーション
- ビジネスマナー・基礎
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秋口 朱里(アキグチ シュリ) 株式会社プレニーズ 法人営業課 社宅コンサルタント
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