産休期間の確定拠出年金掛金の扱いについて
当社では育児休業を取得する際、「休職届」に事由(育児休業)と出産予定日を記載して提出させています。多くは出産の数ヶ月前から休職(自己都合)に入るのですが、この届により育児休業の開始以前は、産前産後の休暇期間も含めて「自己都合休職」という扱いになっています。
就業規則では育児休業、産休ともに無給であると定めていますが、確定拠出年金の規約では「私傷病・自己都合休職」「育児休業期間」「介護休業期間」については掛金の拠出を中断する、とのみ記載されており産休については触れていません。これに基づくと産休期間は拠出を中断できないものと考えられます。
現在は休職届により「自己都合休職である」という理由で産休期間も掛金の拠出を中断しているのですが、これは産休取得者に対する不利益な扱いとなり改善を要するものなのでしょうか。
また、掛金は勤続月数を一つの要素として決定されるのですが、産休期間は勤続月数に算入すべきものでしょうか。
投稿日:2009/10/06 14:25 ID:QA-0017717
- *****さん
- 兵庫県/販売・小売(企業規模 1001~3000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 冨田 正幸
- 冨田社会保険労務士事務所 東京都社会保険労務士会 所長
Re
企業型確定拠出年金は公的年金の上乗せですが、企業の福利厚生と考えられます。
そう考えると、福利厚生の措置の実施に当たっての条件を男女で異なるものとすることに関しては差別的な取り扱いにあたってしまう可能性があります。
またこの制度の場合、規約で規定をすれば一部従業員を加入対象から外すこともできますがその場合、不当に差別的ではないことという記載もあります。
そこで、同様のほかの制度を見てみると
育児休業中の厚生年金保険・基金の保険料は、申請により免除されるのですが、その場合の年金額は育児休業前と同じ保険料を納めたものとみなされることになっていますのでここからしても、自己都合休職させること自体が厳しいとも見えます。
企業で決定した年金の運用制度により、差が出てしまうこと自体、問題とも思えません。運用により差が出るのはこの制度で仕方ないことですがその拠出がされないことによる差は、対象者から差別的な取り扱いとして問題になるとも限りませんので、改善をされたほうがよろしいかと思います。
なお、規約を変更するにあたっても労使の合意が必要になると思いますので、労使で話し合い見直しをされることをお勧めします。
以上ご参考にしていただけましたらと思います。
投稿日:2009/10/06 23:09 ID:QA-0017740
相談者より
ご回答ありがとうございます。
「差別的な取扱い」というのがキーになるようですね。
当社の年金規約においても拠出中断の自由は「私傷病・自己都合」「育児休業」「介護休業」だけですので、これ自体は差別的取扱いにならないと考えます。
産前産後の休暇を自己都合休職の扱いにせず、拠出を継続できるように改善を検討いたします。
投稿日:2009/10/07 09:40 ID:QA-0036941大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
産前産後の休暇期間とは、母性保護の観点から法律に基き使用者に措置が義務付けられている休暇ですので、これを労働者の自己都合休業に含めることは明らかに妥当性を欠く事になります。
従いまして、まずは法定の産前産後休暇期間を自己都合休業から除外しなければなりません。
その上で産前産後休暇期間については、規定上の根拠がないことからも掛金の拠出を中断するべきでないというのが私共の見解になります。
投稿日:2009/10/06 23:26 ID:QA-0017742
相談者より
ご回答ありがとうございます。
使用者に義務付けられて与える休暇を「自己都合」とすることが問題ですね。
社内の届け出のフローを修正することで改善できそうなので早速取り組むことにいたします。
投稿日:2009/10/07 09:44 ID:QA-0036943大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。