不当労働行為について
いつも勉強させていただいています。
先日、当法人と労組の協議会で、同様の労働をしている職場と同額の手当を他の職場へ拡大支給することを申し入れたところ、以下の理由で拒否をされました。
労働協約では「賃金は生活を保障たるものを基本として公平に決定する」又、賃金では、労働契約法三条1項では、「労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、変更するもの」としています。ここに、逸脱することは不当労働行為、一方的不利益変更は認められません。
現状出ている給与や手当の削減だと「一方的不利益」といえるかもしれませんが、法人としては同様の労働を行っている一方の職場に出ていないことの方が公平ではないと考えています。そのことも労組に問うたのですが①「労使が(手続き上)公平に決定する」ことであると考えており、現状の賃金内容が公平であるかどうかは別の問題であると考えている。②賃金の決定は「労使合意」が原則であって、削減でなくても法人が一方的に決めるものではなく、それを逸脱するのは不当労働行為である。という主張でした。
しかしながら今回、夏の一時金の要求で法人の申し入れと類似する内容が労組の「要求」として出されました。労組に今までの立場や見解と乖離があることも聞いたのですが、「職場との話し合いで合意があったので要求とした」ということでした(法人が申し入れを行った際に職場で十分論議もされなかったようです)。労組の対応にも問題ありと考えましたが、法人としては早期に解決できると考えて先日の協議会で「回答日を待たずに執行したい」ということを申し入れましたが、「要求として出しているので、回答してから執行してほしい。勝手に執行すると不当労働行為になる」という主張をしました。
法人としては回答日まで引き延ばすことの方が労働者にとって不利益になると考えてはいるのですが、「不当労働行為」と主張されると躊躇してしまいます。ここ数年、労使協議の場で労組側から(意見が一致しない場合に)「不当労働行為」という指摘が増えたようにも考えているのですが、具体的に不当労働行為に今回の問題は該当するのでしょうか。また、不当労働行為の内容にはどういったものがあるのでしょうか。
投稿日:2021/05/24 10:26 ID:QA-0103780
- Soumuさん
- 東京都/医療・福祉関連(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、不当労働行為に関しましては労働組合法第7条において4つの内容が定められています。ご覧頂ければ分かるように、労働組合員への不利益な措置、労働組合との団交拒否、労働組合への介入といったものが主な内容となります。
すなわち、労使交渉を拒否すれば不当労働行為になりますが、労使合意に至らなくとも不当労働行為とは通常なりえません。
従いまして、文面内容を拝見する限り労組側の主張は根拠が無いものといえますし、労働協約上に特約でもない限り組合が合意しない処遇を行えないという事はございません。
投稿日:2021/05/24 18:03 ID:QA-0103795
相談者より
さっそくのご回答ありがとうございます。賃金に関しては、労働協約上「賃金は生活を保障するたるものを基本とし公平に決定する」「賃金規定は組合と協議して決める。賃金規定は別に定める」となっているので、事前に合意を目指した協議は行いますが、経営判断で実施しても不当労働行為にはならないという解釈でよろしいのですよね。当然ながら、手当カット・賃下げなど不利益となる場合は合意が必要と考えますが。
労組執行部の交代等もあり、どういった行為が「不当労働行為」にあたるのか認識不十分なまま、法人提案に対し「不当労働行為」と指摘すれば法人は実施できないと考えている節も見受けられたので確認をさせていただきました。
投稿日:2021/05/25 09:07 ID:QA-0103816参考になった
人事会員からの回答
- 角五楼さん
- 神奈川県/保安・警備・清掃
参考になるかわかりませんが、都道府県ごとに設置する労働委員会は、労働組合からでなく、使用者側からの組合対応について相談を受け付けています。
必要とあれば、双方からの言い分を聞きあっせん等の場を設けてくれることもあるでしょう。
投稿日:2021/05/25 10:35 ID:QA-0103827
相談者より
ご回答ありがとうございます。
労働委員会の件も検討をしてみます。
投稿日:2021/05/26 09:34 ID:QA-0103851参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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