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過払い給与の精算について

とある社員への誤った人事発令から給与を過払いしてしまっていることが発覚しました。
当該社員は発令内容の修正と過払い分の返還を拒否しています。
このような場合、発令内容の遡及修正と給与の調整を一方的に行うことができるか、その場合の法的な留意点をアドバイスお願い致します。

投稿日:2007/11/05 14:37 ID:QA-0010341

*****さん
東京都/商社(専門)(企業規模 1001~3000人)

この相談に関連するQ&A

プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答2

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

まず誤った人事発令が具体的に何を意味するのかが分かりかねますが、会社側の単純なミスであり、辞令を受けた役職等の職務を現実に行っていなかったならば、本人が不当な利益を得ていることは明らかですので、内容修正及び過払い請求を行っても差し支えないといえるでしょう。

但し、賃金から控除する事は賃金全額払いの原則に反することになり通常出来ませんので、あくまで別途請求することが必要です。

尚、この場合の消滅時効は民法167条第1項より10年とされていますが、会社側の手落ちでもありますので、現実には早急に対応すべきといえます。

また、本件の場合、本人が拒否していますので最悪訴訟になるケースもございます。
そうなりますと、会社にとっても信用を損ない得策とはいえませんので、本人と誠意を持って話し合い、場合によっては金額面で多少の譲歩もするといった柔軟な対応をされることをお勧めいたします。

投稿日:2007/11/05 23:29 ID:QA-0010343

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プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

錯誤発令の取消しと過払いの処理

■まず、堅苦しい法律面から見ますと、人事発令という意思表示を行うに際し、その法律行為の要素に錯誤があったときは、その意思表示を無効とすることできます。(ただし、表意者に重大な過失があったときは、無効を主張することができない)とされています。錯誤は2種類あります。10万円と10万ドルと誤記するような表示上の錯誤と、円とドルが等価であると勘違いして10万円と10万ドルと誤記する内容の錯誤があります。(民法95条)
■服部様からもご指摘がありましたように、誤った人事発令の内容とプロセスが分からないと確たる回答を差し上げるわけには行きません。例えば、非役付者を係長に任命するのに部長として発令してしまったなど、誰が見ても明らかな錯誤要素が認められる場合と、課長補佐を課長代理として発令した場合とでは無効主張の対抗力が異なってきます。
■次に、労働法は、不当利益を許容するものではありませんが、民法に対する特別法として、当事者間の対等原則では不利益を蒙る可能性の高い労働者保護を目的としていますので、錯誤に基づく意思表示を無効や、消滅時効などの民法の規定だけで解決するわけにはいかないでしょうが、まずは法的な原則を理解した上で、既にご示唆のありました柔軟な対応が必要だと思います。

投稿日:2007/11/06 10:50 ID:QA-0010350

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回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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