株式会社ノバレーゼ:
お客様の喜びに自分の喜びを見出せる人材を育てたい
躍進企業は超“エンターテイナー”集団
株式会社ノバレーゼ 教育研修部長
永江 愛香さん
夢中になって働くことを教える、23泊24日の合宿
貴社の人事施策は、非常にユニークな人事・休暇・報奨制度や採用手法を次々と打ち出すなど、さまざまな仕掛けで社員のやる気を積極的に刺激し、まさにRockするような“攻め”の姿勢が際立っています。どういう勝算があるのでしょうか。
社員の平均年齢は30.4歳(2011年末現在)と若いスタッフが多いので、やはり職場環境にも面白い仕掛けをたくさん作ったほうがいいと思うんです。変化がないと、人は飽きてしまうもの。「人が命」の会社が、その大切な人材を飽きさせるわけにはいきません。お客様を喜ばせてわくわくさせるためにも、まずスタッフにいつもわくわくして欲しいんです。また、アイデアのある人事施策を打ち出すことで話題にのぼり、こうしてメディアからの取材を受ける機会も増えました。
スタッフが「ノバレーゼは社会的に注目されている会社なんだ」とあらためて実感することで、働く意欲や喜びが高まり、会社を愛する気持ちにつながればと期待しています。どんどん仕掛けて、それで社員みんながRockされてモチベーションが上がるなら、人事としてもやりがいがあります。
そうはいっても、新しい休暇制度を取り入れたり、研修の内容を充実させたりすると、それ相応のコストや手間がかかるのではありませんか。
弊社ではそうした人事施策に関する議論に、コストや手間という発想はまったくといっていいほど持ちこみません。過去にそういうテーマが、役員会などで話し合われたこともありませんし、経営陣を含め会社にその考え方自体がないんです。人に関わる施策なら、効率も、費用対効果も度外視といっていいでしょうね。
いくつものアイデアあふれる制度や仕組みのうち、代表的なものについて内容や導入の経緯などをご紹介ください。まず「アイデア休暇」、通称「エイプリル・フール休暇」とはどのような制度ですか。
“ユーモアのあるストーリー”を口実にして、それが面白ければ、オフィシャルに“ずる休み”を取得できる制度のことです。「野球のメジャーリーグからオファーが来たから休みます」など、エイプリル・フールの要領ですね。いかに面白い嘘やほら話を考えつくかがポイントで、それが面白いか否かを、本人の直属の上司が独断と偏見でジャッジします。部下がメールで送ってくる休暇申請の文面を見て、笑ってしまったら承認です。全然ウケずに却下されることも多いのですが、私はこれまで何度も笑わされました(笑)。社長自らの発案であり、いってみればこれも、人を楽しませるエンターテイナーとしての試金石の一つ。笑顔の絶えない職場環境の醸成に役立っていると思います。
永江さんが開発・運営を担当されている社員研修の中にも、「スター研修」や「余興研修」など、ユニークなプログラムがありますね。
両プログラムとも、23泊24日の完全合宿形式で行う新人研修のカリキュラムの一つとして取り入れています。新人研修ではいろいろなことを学びますが、何よりもまず社会人になった最初の段階で「時間の使い方が変わった」ということを、実感してもらうようにしています。お客様のために夢中になって働くというのは、そういうことですから。研修施設と寮との行き来しかない、自然豊かな場所で合宿生活を行うのはそのためです。そしてそこに、“スター社員”がやって来てくれるのです。