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となりの人事部
第73回 株式会社ローソン

男性が変われば企業風土も変わる!
ダイバーシティ先進企業、ローソンが行う「男性の育児休職取得」促進のための取組みとは(前編)

株式会社ローソン 人事本部 人事企画 部長 山口 恭子さん
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男性社員たちが自発的に育児に取り組む

―― 男性の育児休職取得を促進するために、具体的にどのようなことを行われているのでしょうか。

2014年度から、男性社員向けに「短期間育児休職制度」の啓蒙を目的として、「イクメンキャンペーン」をスタートしました。キャンペーンとして行ったことは二つあります。一つ目は、取得促進ポスターの作成および全事業所への掲示です。キャッチコピーは全社員から募り、投票によって決定しました。当事者だけでなく、社員全員に関心を持ってもらいたかったからです。

株式会社ローソン 山口恭子さん

もう一つは、制度を利用した男性社員の所属部署に、お祝いの品として生まれた子供の名前が入った「どら焼き」一箱を贈呈することです。名前入りにすれば、「なぜ、この名前を付けたの」といった会話が生まれ、コミュニケーションが活発化するのではないかという考えもありました。ローソンらしく、楽しいアイデアのため、社員からは大変好評です。短期間とはいえ、育児休職を取得している間も仕事は稼働しています。そうした中でも休みを取らせてくれる上司や、本人が休んでいる間の仕事をシェアしてくれる同僚に、会社から感謝の気持ちを伝えるべきではないかと考えたのです。「どら焼きをもらえるので、ぜひ○○さんに育児休暇をとってもらってください」などと、私から上司に対して、育児休職取得を依頼するメールを送ることもあります。

「イクメンキャンペーン」以外では、社内報や社内ウェブ、冊子などによる告知活動も行っています。トップからのメッセージや施策紹介、社員紹介などによって男性の育児休暇をクローズアップするようにしています。インパクトがあったのは、上司自らが育児休職を取得した事例を取り上げた時です。「自分自身が取得したことでその重要性がわかったので、部下や同僚にも取得を勧めたい」というコメントは影響力がありました。また、管理職研修にダイバーシティ研修という項目も入れました。そこでも、男性の短期間育児休職の必要性を説明し、子育て支援への理解を促しています。

――社員による自発的行動も生まれたそうですね。

株式会社ローソン 山口恭子さん

「イク☆Men部」のことですね。当社には、社員が5名以上集まって会社に活動を申請すると、公認の部活動として認定され、活動費用を補助する仕組みがあります。「イク☆Men部」は、北海道でスタートしました。北海道はもともと育児休職の対象者からの申請が活発だった地域で、社員が自ら育児に参加する取り組みを始めたのです。その活動内容は、休日にパパ社員とパパ予備軍の若手社員が子供たちと一緒に遊ぶ機会を設けるという、ごくシンプルなものです。基本的には、奥さんをゆっくりさせてあげるのが狙いです。

「イク☆Men部」は、東京でも発足しました。さまざまな企業の方々によって構成される「丸の内イクメン部」と連携して、休日にローソン店舗を利用してのクイズ形式のラリーイベントを行うなど、幅広く活動を行っています。そうした取り組みは随時、社内報でも取り上げるようにしています。あくまでも自主的な活動、業務外の活動ですが、今後もどんどん広がっていってほしいと考えています。


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