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【ヨミ】ガラスノガケ ガラスの崖

「ガラスの崖」(glass cliff)とは、2004年に英エクセター大学のミシェル・ライアン教授とアレックス・ハスラム教授が提唱した造語で、「ガラスの断崖」「ガラスの崖っぷち」とも訳されます。業績が低迷し、危機的な状況にある企業では、男性よりも女性が、リーダー的な役職や幹部に起用される傾向にある、という現象を指す言葉です。そうした女性が占める立場は見た目以上に危うく、マネジメントに失敗するリスクに晒されていることから、女性の昇進を阻む見えない障壁を意味する「ガラスの天井」(glass ceiling)にちなんで「ガラスの崖」と名づけられました。
(2014/3/31掲載)
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ガラスの崖のケーススタディ

危機下では女性がリーダーを任される!?
失敗のリスクをとるのも性差より実力で

近年、ガラスの天井に続いて、「ガラスの崖」という言葉が注目を集めています。2012年に米・インターネット検索大手のヤフーが、ライバル社のグーグルで副社長を務めたマリッサ・メイヤー氏を最高経営責任者(CEO)に起用する、と発表したことがきっかけでした。長く業績不振にあえぎ、市場からも厳しい評価を受けているヤフーが、女性で、しかも当時は妊娠中だったメイヤー氏に、再生の舵取り役を託すかたちとなったためです。

前出のライアン教授たちによれば、女性がガラスの天井を突破してこうしたリーダー職に就いた場合、その立場が「火中の栗を拾う」ような、リスクを伴う危ういものである確率は、男性に比較して不釣り合いに高いといいます。

教授たちは83人のビジネスパーソン(約半数は女性)を被験者とし、彼らに次の二つの企業の新しい財務責任者を選ばせる、という実験を行いました。一社は着実に利益が上がっている企業、もう一社は徐々に利益が下がっている企業。それぞれの会社の新しい財務責任者の候補には、ほぼ同じ経歴の男女一人ずつと、やや経歴の劣る男性一人の計三人を提示しました。実験の結果、被験者は業績好調な企業の財務責任者には男性を選ぶ割合がやや高く、業績が低迷している企業には女性を選ぶ割合がはるかに高かったといいます。業績の悪い企業の責任者には女性を選ぶという起用パターンは、被験者が女性でも変わりませんでした。こうした傾向は現実の経営判断にもあてはまるといわれ、ライアン教授たちは「誰かがスケープゴートになって失敗の責任を取らなければならない場合、最も優秀な男性がいけにえに差し出されることはない」と述べています。

もっとも、このように「ガラスの崖」が性差別に由来するという考え方がある一方で、ある調査では、財政面での支援は期待できなくても、部下からの支援が望めるようなリーダー職なら、失敗のリスクがあっても、女性は男性より積極的に引き受ける度合いが高いという傾向も出ています。一概に、性差別の結果とは言えないようです。

いずれにせよ、日本の企業社会でもようやく女性活用、女性活躍推進の流れが本格化のきざしを見せ始めてきました。それを加速させ、本当の意味でのダイバーシティ・マネジメントへと昇華するためには、適材適所が大前提。「女性だから」「男性だから」という理由だけで、人材登用を左右するようなことがあってはなりません。

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