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となりの人事部
第62回 野村證券株式会社

多様性に優先順位をつけない!
野村證券の“草の根”発「ダイバーシティ&インクルージョン」の取り組みとは(前編)

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人材開発部 エグゼクティブ・ディレクター タレントマネジメント・ジャパンヘッド 兼 
ダイバーシティ&インクルージョン・ジャパンヘッド 東 由紀さん
2015/7/23
2014年3月、野村證券株式会社は東京証券取引所と経済産業省が選定する「なでしこ銘柄」26社の一つに選ばれました。「なでしこ銘柄」とは、女性活躍推進と業績向上を両立している優良企業のこと。しかし同社がダイバーシティ・マネジメントの先進企業と評される理由は、女性登用の成果だけではありません。その取り組みは、働き方の改革や海外人材との協働、世代間コミュニケーションの促進、さらにはLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーに代表される性的少数派)への対応など、驚くほど多岐にわたっています。「女性が本当に働きやすい職場はLGBTにとっても、また多様な価値観を持つ多くの人にとっても働きやすい職場であるはず。すべての違いが認められ、生かされる組織ほど競争力が高い」と語るのは、同社の人材開発部で「ダイバーシティ&インクルージョン」のジャパン・ヘッドを務める東由紀さんです。本インタビュー前編では、同社におけるダイバーシティ推進の歩みや、課題に優先順位をつけない、ユニークな活動の背景にある思いや考え方などについてうかがいました。
プロフィール
野村證券株式会社 人材開発部 エグゼクティブ・ディレクター タレントマネジメント・ジャパンヘッド 兼 ダイバーシティ&インクルージョン・ジャパンヘッド
東由紀さん プロフィール写真
東由紀さん
野村證券株式会社 人材開発部 エグゼクティブ・ディレクター タレントマネジメント・ジャパンヘッド 兼 ダイバーシティ&インクルージョン・ジャパンヘッド
ひがし・ゆき ●ニューヨーク州立大学卒業後、1994年にブルームバーグ東京入社、営業部門で電子取引システムの導入・企画開発・運営に携わる。2005年にリーマン・ブラザーズ証券債券部門で、リサーチや分析ツールを機関投資家に提供するサービスの企画・開発・マーケティングの責任者を務める。2008年の野村證券による継承に伴い、リサーチ部門でリサーチレポートの執筆から配信までのプロセスをグローバルに統合するプロジェクトのマネージャーとして企画・開発・運営を担当する傍ら、「アライ」としてLGBT社員ネットワークのリーダーを務める。2013年、社内公募制度により人材開発部へ異動、本社部門の人材育成とダイバーシティ&インクルージョンのジャパンヘッドに着任。2015年6月よりタレントマネジメント業務が加わり、現在タレントマネジメント・ジャパンヘッドとして、グローバルビジネス部門の人事戦略と、野村證券全社に向けて多様性の理解と促進に取り組んでいる。

日本企業のダイバーシティ推進はなぜ“女性”優先か

―― 野村證券が、組織の多様性を推進する取り組みとして「ダイバーシティ&インクルージョン」を導入された経緯から、まずお聞かせください。

2008年にリーマン・ブラザーズの欧州とアジアのビジネスを継承したのがきっかけで、そのときにダイバーシティ&インクルージョンのコンセプトが同時に入ってきました。「ダイバーシティ&インクルージョン」という文化そのものも、後でご説明しますが、それを推進するための「社員ネットワーク」という取り組みも、もともとリーマン・ブラザーズで実践されていたものです。海外ビジネスの継承で中途採用や外国人の採用が一気に増えたことから、こうした考え方がきわめて重要であるとの経営判断がなされ、09年に改めて弊社で再開することになりました。それが大まかな経緯ですね。

実は私自身も、リーマン・ブラザーズから弊社に移ってきました。高校、大学とアメリカで過ごし、リーマン以前もずっと米系企業で働いていたのですが、野村證券に移り、業務やさまざまなプロジェクトのマネジメントを経験して、部下には“2種類”いることを痛感させられたんです。

東由紀さん Photo

―― 「2種類の部下」とは、どういうことでしょうか。

外資系から来た部下と、いわゆる野村の生え抜きの部下。受けてきた教育や、本人のキャリアに対する価値観などがかなり違っていたのです。まさにダイバーシティですね。最初は私もずいぶん悩みましたが、いろいろと学んでいくうちに、むしろそうした組織の多様性そのものに興味がわいてきたのです。海外の人々を含め、価値観の異なるさまざまな人材とどうすれば協働していけるのか、その仕組みづくりにチャレンジしてみたいと思いました。そこで、もともとはリサーチ部門で勤務していたのですが、2年前に自ら希望して人材開発部へ移りました。

―― 欧米に比べ、日本企業のダイバーシティに関する取り組みはまだ遅れているといわれます。海外経験豊富な東さんから見て、やはりそういう印象はありますか。

日系企業の場合、ダイバーシティへの取り組みというと、イコール女性活躍推進、女性のキャリアと子育てをどう両立するか、という話がまず優先されます。しかし、ダイバーシティに関するテーマはそれだけではありません。人材の多様性という意味では、外国人もいれば、今日お話しするLGBTの当事者もいます。また、女性を支援するにしても、女性に限った制度や施策だけでは不十分で、社員全体の働き方改革が必要です。それらを後回しにして「とにかく女性を」という風潮には正直、違和感があります。そもそも人間が二人いたら、そこには必ず“違い”があるはずで、その違い自体に1番目も、2番目もありません。ダイバーシティに優先順位をつけるのは、本来のダイバーシティ推進ではないのです。弊社では、そうした基本理念の部分から、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを継承しているので、実際の活動はきわめて多岐にわたっていますし、どれがメインということもありません。もちろん女性の活躍推進にも力を入れていますが、ポジティブ・アクションは行っていないんです。優遇や特別扱いは一切無しです。


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徳島県 医薬品 2015/07/29

「ストレートの人たち」のなかには「LGBTの人たち」と一緒に仕事をすることに抵抗がある人もいるのではないか、と思います。たとえば席が近い、プロジェクトを一緒にしたくない、一緒に出張したくない・・・、等です。この根本的な抵抗って本当に克服できるのでしょうか?それとも時間をかけて解決途上といったところなのでしょうか?人によって区別や差別を感じる項目は異なるとは思いますが、特に性に関しての障壁は高いように感じます。

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