株式会社リクルートライフスタイル:
成長を促すための風土づくりと、制度の独自運用がライフスタイルの特徴
株式会社リクルートライフスタイル 企画統括室 人事部グループマネジャー
飯田竜一さん
ITを使ったサービス提供、IT人材の育成が重要な課題に
今後は、ITが非常に重要なカギを握ってきますね。
その通りです。私たちは、顧客接点を通じて提供する商品・サービスを磨き込んでいくわけですが、そこではITの活用が非常に重要な戦略となっています。Web領域職種の新卒採用はホールディングスで採用した後に、ブートキャンプ(3ヵ月間のネットサービス開発研修)を行っています。リクルートライフスタイルでは、早期育成を目的に、Web職種領域以外の新卒採用にも対象を拡大しています。
「ブートキャンプ」の参加者からは、どのような声が上がっていますか。
Web領域職種以外の新卒社員は、Webに関する本格的な研修を受けたことがない人が多かったので、「ブートキャンプ」ではどんなプロセスでWebの商品・サービスができ上がっていくのか、そのバックヤードを理解することができたようです。そのため、各現場に配属された後も、商品やサービスが技術的にどうなっているのかをよく分かった上で仕事に取り組むことができます。最初は皆とても苦労したようですが、終了後には参加してよかったと言っています。
今後の課題は何ですか。
まずは、これまでやってきたことを、さらに強化していきたいと考えています。特にWeb領域に関しては、非常に不足感があるので採用・育成にいっそう力を入れていきたいです。
また、ダイバーシティへの対応も課題の一つです。弊社は女性社員の割合が高く、ワーキングマザーも多いため、女性が安心して働ける環境の創出を継続して行っています。会議の時間を1時間から30分にする、無駄な会議を減らす、夜6時以降の定例会議をなくすなど、そういったことから始めました。その後、ワーキングマザーのための相談窓口や、ワーキングマザーになる手前の女性社員が働くことについて考える機会の設置、システムを整備した上での在宅勤務などにも取り組んできました。これまでの働き方に関する「当たり前」を見直す取り組みを行っている最中です。もちろん女性に限ったことではなく、他の人たちの働き方も含め、変えなければならないことがたくさんあると認識していますので、ダイバーシティには全社で取り組んでいきたいと考えています。
その他に、新たに取り組みたいと思われていることはありますか。
近年、私たちはIT系への取り組みを数多く行っていますが、世の中からはそういう会社だとあまり思われていません。今でも、営業の強い会社と認識をしている人が多いのではないでしょうか。現在はエンジニアをはじめ、いろいろなプロフィールの人たちがさまざまな領域・分野で活躍しています。また、そうした人たちが働く環境も整っています。だからこそ、世の中のいろいろなことに興味・関心のある人たちに参加してもらえるよう、情報発信をしていかなくてはならないと思っています。
「リボンモデル」ビジネスと表現していますが、クライアントサイドとユーザーサイドをどうマッチングさせていくかが私たちのミッションです。リボンモデルの片方が顧客接点で、そこでは人(営業)を介してお客様の課題を聞き、今度はそれをどうユーザーにサービスとして提供していくか、その両方を事業としています。
そして、ユーザーという観点でみた時、昔は雑誌を作っていればよかったけれど、それがフリーペーパーとなり、今ではスマートフォンを媒介とした情報提供となっています。このようなデバイスの進化とともに、私たちも変わっていかなくてはなりません。人を介した顧客接点を持ちながらも、今まさにITが必要ならば、ITにシフトして一緒に進化していく。そういうことを目指していきたいと思っています。
雑誌をめくっていた時代とは、顧客との接点のあり方が随分と変わってきました。しかし、送客をどう実現するのか、どう利益を上げるのかといった、クライアントとユーザーを結び付ける「リボンモデル」ビジネスの原点は変わりません。また、マーケット全体が良くなっていってほしいという気持ちも同じです。その志は忘れず、新たな取り組みに挑戦していきたいと思っています。
第2回目は、リクルートライフスタイルの人材育成に対する考え方とその取り組みを伺いました。第3回目は、リクルートキャリア。「人材」を扱う同社ならではの人事施策について、具体的なお話を聞いていきます。