狭い業界での転職事情
人材紹介会社のスマートな利用法とは
こんな割り切った利用法も… 紹介会社経由でカドの立たない内定辞退

お互い気まずい思いはしたくない

ある意味で人材紹介会社以上に業界の転職事情に通じているWさん。一つ不思議に思うことがあったので訊いてみた。

「各企業にお知り合いがいるわけですから、直接応募してもよかったわけですよね。中には人材会社を間に挟まない方がうまくいくと考えている求職者の方も多いですよ」

人材紹介会社が間に入ると、採用企業は紹介手数料を支払わなくてはならない。だから直接応募の方が採用されやすくなると考える人は多い。

そう言うとWさんはうなずいた。

「たしかにそれはあるでしょうね。でも、知り合いに紹介を頼むと、内定を辞退した場合、すごく気まずいでしょう?給与の額などは内定が出ないと明確に分からないし、特に私の場合、複数の企業の仕事内容や条件を聞いてみたかったので、何社か内定が出たとしたら1社以外は必ず辞退することになるわけですから」

それに、この業界はとても狭いので…とWさんは言った。10社ぐらいしかないのだから、いつまたどこでお世話になるか分からない。できるだけカドが立つような辞退の仕方はしたくないのだという。

「その点、人材紹介会社を介して応募したという形にしておけば、誰にも負担はかけないですしね。給与が希望に合わなかった時に引き上げを交渉したくても、知人に直接話すというのはなんだか気まずいでしょう」

そういってWさんは笑った。

その後、面接に進んだ3社のうち2社から採用通知が届いた。Wさんの心配していた通り、1社にはお断りを入れなくてはならない事態になったわけだ。

「それともう一つ、面接で落とされた会社からの連絡を知人経由で聞くのもお互い気まずいんですよ。今回1社落とされましたが、人材紹介会社から聞く方がすっきり受け入れられます」

今回が2回目の転職だというWさん。周囲にも転職経験者が多いという業界の特性もあるのかもしれないが、たしかに要所を押さえた非常にスマートな人材紹介会社の使い方だった。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「人事辞典「HRペディア」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

人材採用“ウラ”“オモテ”

企業と求職者の仲介役である人材紹介会社のキャリアコンサルタントが、人材採用に関するさまざまなエピソードをご紹介します。

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千葉県 電気・ガス・水道・エネルギー 2011/02/22

かつて人材紹介会社にいたことがありますが、生々しく非常に共感しました。

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