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リアリティ・ショックの扱い方がポイントに
新入社員の組織適応を促す要素とは

甲南大学経営学部 教授

尾形 真実哉さん

尾形 真実哉さん(甲南大学経営学部 教授)

この4月に、新入社員を迎えた企業は多いでしょう。昨今の労働力不足を考えると、採用した人材が組織に定着し、長きにわたって活躍するしくみを整えることは、企業にとって重要な課題といえます。では、新入社員が入社初期の葛藤を乗り越えて組織に適応するために、何が必要なのでしょうか。適応を阻害する要素や、定着する人と離職する人の違いはどこにあるのでしょうか。若手ホワイトカラーの組織適応を長年にわたり研究し、適応のメカニズムに詳しい、甲南大学経営学部教授の尾形真実哉さんに、新入社員の組織適応に関わる要素と、人事がおさえるべきポイントについて聞きました。

Profile
尾形 真実哉さん
甲南大学経営学部 教授

おがた・まみや/2002年明治大学商学部卒業。2004年神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了、博士(経営学)取得。2007年甲南大学経営学部専任講師などを経て、2015年より現職。専門は組織行動論、経営組織論。近著に『若年就業者の組織適応: リアリティ・ショックからの成長』(白桃書房)

組織になじむプロセスの成否が適応を左右する

尾形先生は、若年就労者の組織適応について研究されていますが、何がきっかけだったのでしょうか。

大学では商学部で貿易を専攻していたのですが、4年生のときにたまたま目にした、経営学の教科書がきっかけです。組織論の本で、リーダーシップやチームワーク、モチベーションなどを取り上げていました。バスケットチームのキャプテンをしていたこともあり、書かれている内容に共感すると同時に、こんなに面白い学問があったのかと驚きました。そこで、組織行動論について学ぼうと大学院に進学したんです。

研究テーマを考えていた頃に、一般企業に就職した学生時代の友人たちと会うことになりました。学生の頃、一緒にやんちゃをして騒いでいた仲間たちです。しかし、目の前にいる彼らは疲れていて、すっかり元気をなくしている。それがとてもショックで、会社で何が起こっているのだろうと疑問が湧いてきました。

元気を失う原因を解明できたなら、彼らを救えるかもしれない。そう思ったときに出会ったのが「組織社会化」でした。まだあまり研究されていない分野でもあり、テーマにするにもぴったりだと思いましたね。ここから組織適応や組織社会化について、継続的に研究を重ねてきました。

あらためて組織社会化について、教えてください。

平たく言えば、組織になじむ過程です。私たち日本人は、毎日を過ごす中で自然と日本の環境になじんでいます。日本語を話し、歴史をある程度認識し、家の中では靴を脱ぐ、空気を読む、といった独自の生活習慣や風習になじみ、当たり前のように過ごしています。

これと同様のことが、企業や学校などの組織でも起こります。新しい組織に入ると、最初は戸惑いながらも、経験を重ねて組織の常識になじんでいきますよね。つまり新人が組織の一員となるために、組織やグループにおける価値観や規範、要求されている行動パターンなどを学び、職務遂行に必要な技能を習得して組織に適応するプロセスが、組織社会化なのです。

組織社会化は、仕事に関する知識やスキルを習得する職業的社会化と、会社の風土や⽂化、人間関係や政治、暗黙のルールなどを理解する文化的社会化の二つに分けられます。新入社員であれば、誰でも組織社会化のプロセスをたどります。その成否が、いろんな側面に作用することは言うまでもありません。

具体的にどのような影響を与えるのですか。

個人の組織適応に、大きく関与すると考えられます。組織適応には、仕事や組織にまつわる情報の理解にあたる知識的側面と、組織に対する情緒的なコミットメントや仕事のやりがい、離職意思など感情的側面の二つの観点があり、組織社会化はいずれにも関係してきます。

組織社会化が成功した場合、個人と組織のそれぞれにいい影響を与えます。個人については、組織でのキャリアイメージが湧くようになります。仕事や会社で過ごすことの見通しが立てば、目標を立てやすくなり、「長く働きたい」という気持ちが生まれるでしょう。組織への愛着も芽生え、モチベーション高く仕事に打ち込めるように。それがパフォーマンスにつながり、昇進や給与に反映されれば、ますます意欲的に働くという循環が生まれます。

組織へのメリットも複数考えられます。まずはリテンション効果です。組織に愛着が生まれれば、簡単に辞めることはありません。採用した人材が組織に定着しますから、採用や育成にかけたコストは十分回収できます。さらに人材が長く活躍すれば、コア人材の育成にもつながるでしょう。当然ながら組織全体のパフォーマンスは上がり、業績は向上します。企業価値も向上するので、余計な採用コストをかけなくても優秀な人材が集まるようになることも考えられます。

いいことばかりですね。

何ごともそうですが、負の側面にも目を向けることが必要です。あまりに組織社会化が進むと、組織の同一化、同質化が起こります。似たような思考や価値観の人の集合になってしまうのです。ダイバーシティが弱まり、イノベーション創発が損なわれるおそれがあります。

また、過剰な組織社会化という現象にも注意が必要です。個人が会社人間に仕立てられることによってワーカホリックに陥り、バーンアウト(燃え尽き症候群)や過労死の引き金になりかねません。また不祥事などの反社会的行為に鈍感になる、組織が意図的に過剰社会化を促すことで洗脳されるなど、心身や倫理上の問題に発展する場合もあります。

組織社会化のメリット・デメリット
"適度な"組織社会化 "過剰な"組織社会化
組織
  • リテンション効果
  • コア人材育成
  • 採用投資の回収
  • 企業イメージの向上
  • 組織内の同質化
  • ダイバーシティの弱まり
  • イノベーション創発の損失
個人
  • 組織への愛着
  • モチベーション向上
  • パフォーマンス向上
  • 過剰社会化
  • ワーカホリック
  • バーンアウト、過労死
キーパーソンが語る“人と組織”

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この記事ジャンル 新入社員育成

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