企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

無料会員登録

日本の人事部への登録は45秒で完了
※登録内容はマイページで確認・変更できます

※「@jinjibu.jp」からのメールが受信できるようにしてください。

または各SNSで登録

日本の人事部があなたの許可無く投稿することはありません

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・ログイン

ありがとうございます。会員登録が完了しました。
メールにてお送りしたパスワードでログインし、
引続きコンテンツをお楽しみください。

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・自動ログイン

会員登録とログインが完了しました。
引続きコンテンツをご利用ください。

マイページ

“2枚目の名刺”が若手を育て、シニアを活性化
楽しく学ぶ「パラレルキャリア」の人材育成効果とは(後編)[前編を読む]

法政大学大学院 政策創造研究科 教授

石山 恒貴さん

石山 恒貴さん 法政大学大学院 政策創造研究科 教授

「この忙しいのにボランティア!?」「仕事で成果を上げたければ、NPOへ行っているヒマなどないはずだ」――。本業以外にもう1枚の名刺をもって社会活動に取り組む「パラレルキャリア」ですが、日本の職場ではまだ、この新しい考え方に誤解や偏見の目が向けられることも少なくありません。しかし一方では、その学びの効果に注目する企業が、人材育成施策の一環として活用する事例も出てきました。インタビュー後編では、石山先生に、パラレルキャリアの具体的なメリットや活用法、企業が推進する上での課題などについてうかがいました。

Profile

いしやま・のぶたか●一橋大学社会学部卒業、産業能率大学大学院経営情報学研究科修了、法政大学大学院政策創造研究科博士後期課程修了、博士(政策学)。NEC、GEにおいて、一貫して人事労務関係を担当、米系ヘルスケア会社執行役員人事総務部長を経て、現職。人的資源管理と雇用が研究領域。ATDインターナショナルネットワークジャパン理事、タレントマネジメント委員会委員長。NPOキャリア権推進ネットワーク研究部会所属。主要著書は『パラレルキャリアを始めよう!』(ダイヤモンド社)、『組織内専門人材のキャリアと学習』(日本生産性本部生産性労働情報センター)

組織の多様性とゼロからの立ち上げ体験がもたらす学びとは

「パラレルキャリア」は個人にどのようなメリットをもたらすのか。具体的な学びの効果について、少しくわしく教えていただけますか。

前編でパラレルキャリアは幅広く捉えていいと言いましたが、何でもありだと具体的なイメージがつかみにくいので、ここでは「二枚目の名刺」のような中間支援団体を介してNPO支援を行うサポートプロジェクトについて説明していきましょう。サポートプロジェクトは、中間支援団体に登録しているメンバー5~6人程度がチームを組んで行うものだと説明しましたね。メンバーは、所属する会社から業界、職種、年齢、性別までさまざまです。この多様性、異質性こそが、パラレルキャリアの醍醐味なんですね。プロジェクトに参加しなければ決して出会うはずのなかった人たちであり、お互いにバックグラウンドも違えば、価値観や言葉の使い方も違います。当然戸惑いは大きく、職場なら当たり前に通じるやりとりが、ことごとく通じなかったりすることも珍しくありません。しかしビジネスパーソンにとっては、そうした組織文化の壁を痛感する戸惑いや、ある種のカルチャーショック自体が一つの学び。同質な価値観に安住するシングルキャリアでは得られない、貴重な気づきにつながっていくのです。

 サポートプロジェクトでは、NPOを支援するために具体的に何をするか、チームの目標や課題などは最初から決まっているのですか。

パートナーNPOから「こういうことに取り組んでいきたい」というような大まかな課題は伝えられますが、はっきりとしているわけではありません。ほとんどの場合がゼロからの立ち上げで、目標もなければ正解もなく、指示をくれる“上司”もいない。「そもそも何をするのか」というミッションの部分から、ゼロベースで物事を考えていかなければいけないんです。

実はこの暗中模索のプロセスも、大きな学びの効果をもたらします。というのも、本業において、ゼロからの立ち上げを経験したり、イチから物事を考えたりするという機会は、すごく少ないでしょう? そのため、現代のビジネスパーソンは「問題解決症候群」に陥っていると言われます。問題解決症候群とは、問題は与えられるもので、与えられた問題には必ず決まった答があると考える思考法で、優秀なビジネスパーソンほど陥りやすい。実際、業務の流れが洗練された大企業ほど、部門の目標も細分化され、定型的な枠組みの中での問題解決が多くなるでしょう。要は、誰かに問題を与えてもらわないと何もできない、指示待ちになりやすいということです。サポートプロジェクトをゼロから立ち上げ、暗中模索する経験こそ、この問題解決症候群の罠から抜け出すための、きわめて有効な処方箋と考えられます。

また、NPOの活動の原点にあるのは、社会を変えたい、社会課題を解決したいという強い想いですから、何をどう変えるのか、解決するのか、すなわち「ミッション」と呼ばれるものが非常に重要になってきます。多様性・異質性に富む組織であればなおのこと、ミッションを明確に打ち出し、それに対する共感でメンバーを動機づけ、活性化していく。そういうリーダーシップのあり方も求められるでしょう。

 リーダーシップに関する学びも得られるわけですね。

サポートプロジェクトのメンバー間に、上下関係はありません。したがって、本業でいくら権限を持っていて役職が上位でも、それを振りかざして、人や物事を動かせるわけではないのです。組織の論理に縛られがちなビジネスパーソンにとって、上下関係が通じない多様な人々と社会活動に取り組むパラレルキャリアは、権限や役職だけに頼ったリーダーシップの限界に気づき、同時に「権限のないリーダーシップ」を学ぶことができる重要な機会となるでしょう。リーダーシップとは、すなわち影響力ですから、対話や個々の思いを重視してそれを実現するのが、権限のないリーダーシップのあり方ということになります。

近年、経営環境の急激な変化に対応していくためには、組織内だけでなく、外部の知恵を積極的に取り入れてイノベーションを起こす、「オープンイノベーション」が必要と言われるようになってきました。オープンイノベーションの要諦は、組織の壁を越えた多様で柔軟なチームワークです。社内限定の権威にものをいわせて物事を動かそうとする旧来型のリーダーシップの下では当然、うまくいくはずがありません。むしろ求められるのは、状況にあわせて、誰がリーダーになってもいい「シェアド・リーダーシップ」。そういう役割意識を学ぶ場としても、パラレルキャリアは有用です。


記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

キーパーソンが語る“人と組織”のバックナンバー

松尾 睦さん:
部下の強みを引き出し、成長させるリーダーに求められるものは何か
「経験学習」のサイクルをまわすために重要な三つのポイント
人の成長の7割は経験によって決まる、といわれます。この「経験から学ぶ力」を体系化し、成長につながるサイクルを確立させたのが「経験学習」の考え方です。ビジネスの世...
2020/12/18掲載
有賀 誠さん:
人が輝き、組織が活性化して、力を発揮し続けるために
「人材ファースト」を掲げ、急成長企業のさらなる発展を実現する
日本の人事部「HRアワード2020」企業人事部門 個人の部 優秀賞に輝いた、株式会社日本M&Aセンター 常務執行役員 人材ファースト統括の有賀誠さん。人事として...
2020/12/09掲載
村瀬俊朗さん:
チームが心でつながる「感情的信頼」がカギ
リモートでも強いチームをつくる秘訣とは
新型コロナウイルス感染症の流行により、人々の働き方やビジネスのあり方が大きく変化しています。とくに緊急事態宣言が発出された2020年4月以降、在宅勤務をはじめと...
2020/11/24掲載

関連する記事

日向野幹也さん:
権限、役職、カリスマ性がなくても発揮できる
職場と学校をつなぐ「リーダーシップ教育」の新しい潮流(後編)
金融論の研究者から、リーダーシップ教育の第一人者へ――日向野幹也・早稲田大学教授の思いがけないキャリアチェンジの物語は、そのまま日本の大学におけるリーダーシップ...
2016/07/28掲載キーパーソンが語る“人と組織”
日向野幹也さん:
権限、役職、カリスマ性がなくても発揮できる
職場と学校をつなぐ「リーダーシップ教育」の新しい潮流(前編)
「リーダーと聞いてどんな人を思い浮かべますか?」リーダーシップという言葉の意味するところが、いま、大きく変わりつつあります。リーダーシップの新しい世界標準とは何...
2016/07/21掲載キーパーソンが語る“人と組織”
石山恒貴さん:
“2枚目の名刺”が若手を育て、シニアを活性化
楽しく学ぶ「パラレルキャリア」の人材育成効果とは(前編)
いま、“2枚目の名刺”を持つビジネスパーソンが増えています。本業をしっかりと持ちながら、同時にNPOやプロボノなど本業以外の社外活動に取り組み、複数のキャリアを...
2016/05/09掲載キーパーソンが語る“人と組織”
井原慶子さん:
グローバルで女性が活躍するためには何が必要か
――レースクイーンから「世界最速の女性レーシング・ドライバー」になった井原慶子さんに聞く(後編)
~女性活躍推進には、「制度」よりも、まずは「ムーブメント」~
「前編」では、井原さんがカーレーサーとなり、欧州での厳しい生活環境の中、プロフェッショナルとして活躍するために、「今日やるべきことを、できるところまでやる」など...
2015/11/20掲載キーパーソンが語る“人と組織”
井原慶子さん:
グローバルで女性が活躍するためには何が必要か
――レースクイーンから「世界最速の女性レーシング・ドライバー」になった井原慶子さんに聞く(前編)
~極限の世界を生き抜くモチベーションの源泉~
ビジネスのグローバル化が進んでいますが、グローバル人材育成という面では日本企業は不十分と言えます。特にグローバルに活躍できる「女性」を育成できている日本企業は、...
2015/11/13掲載キーパーソンが語る“人と組織”

最新の人事部の取り組みやオピニオンリーダーの記事をメールマガジンでお届け。

会社の法律Q&A テレワークに最適なWEBツール oVice 「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

記事アクセスランキング

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。