越境学習
「越境学習」とは、所属している組織の枠組みを“越境”し、異なる環境に身を置くことで新たな視点や学びを習得すること。具体的な方法としては、社外のセミナーや勉強会への参加、他社への出向、ボランティア活動、ビジネススクール、地方創生への参加、副業などがあります。職場でも自宅でもないサードプレイスで学び、交流することで、職場では習得できない知見やノウハウ、文化に触れることができるため、人材育成の一環として注目されています。
越境学習の手法はどう選ぶ?
効果的な学びのための四つのポイント
学びの手法が多様化する中で、なぜ越境学習が注目されているのでしょうか。その背景には、大きく分けて二つのポイントがあります。一つ目は、不確実性の高まっている今、企業が事業や組織を変革していくため、自ら課題を発見し、自律的なキャリアを描ける人材が求められていること。二つ目は、越境学習に取り組むことで、従業員が社内研修だけでは得られない視点や学び、ネットワークを得られること。
従業員が越境学習に取り組むことは、企業と従業員の双方にメリットをもたらします。企業は、自社にはないノウハウや視点を取り入れることで、事業や組織の競争力強化につなげることができます。従業員は、既存の職場に所属しながら新しいことに挑戦し、スキルや新たな視点を得ることで、自らのキャリアの可能性を広げることができます。
越境学習の種類はさまざまで、副業・複業や、レンタル移籍(社外留学)、プロボノ、地域協働、新興国で働く「留職」、異業種交流研修などがあります。また昨今は、従業員が新しいスキルを身につける「リスキリング」のきっかけとして、越境学習を通して経験の幅を増やすという動きもあります。
越境学習の手段を選ぶ際のポイントは四つ。一つ目は、実施する目的や期待する成果が明確になっているか。そもそも自社がどんな人材を育成したいのかを考えることが重要です。二つ目は、社外の人とどのくらい深く接点を持てるか。どのような人材と、どの程度関われるかによって、越境学習の効果は変わってきます。三つ目は、時間を十分に確保できるか。企業は短時間で効率的な学びを求めがちですが、成果を得るにはある程度まとまった時間が必要になります。そして四つ目は、本人の意向に沿っているか。主体性を持って取り組めることが、越境学習が成功するカギとなります。
越境学習は事業の競争力強化やイノベーション創出など、さまざまな効果をもたらすもの。自社がどのような目的で越境学習を行いたいかを改めて考え、目的に合った手法を選ぶようにすることが大切です。
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