ダレのための解禁日なのか?
アイデム人と仕事研究所 研究員
関 夏海
守らないのに必要な理由
実際に解禁日を順守した企業はどのくらいあるのでしょうか。2016年3月卒業予定者(以下、16卒学生)の採用活動に関する企業調査では、採用選考に関する指針を「守った」は57.9%、「守らなかった」は12.5%となっています。
18卒学生の採用選考に関する企業調査で同様の質問をしていますが、特に選考活動解禁日について、「厳密に守った」は45.6%、「守らなかった」は19.3%、「一応は守った(正式な活動は解禁日以降に行ったが、解禁日前から当該活動に近い活動を始めていた)」が35.1%となりました。半数以上の企業が選考活動解禁日を守っておらず、順守意識は低くなっています。
「解禁日は必要」とする企業が多いにもかかわらず、設定されている日付を守っている企業が少なくなっているのはなぜでしょうか。考えられるのは、設定されている解禁日を適切でないと捉えている企業が多くいるのではないかということです。16卒学生及び17卒学生の就職活動に関する企業調査では、適切だと思う解禁日について聞いています。
二つの結果は「解禁日は必要ない」の回答の取扱いが異なるため、単純に数値で比べることはできないのですが、広報活動解禁日となっていた「卒業前年次3月」が適切(=「現行どおり」)と回答する企業よりも、「現行の解禁日より前」と回答する企業のほうが多い結果となりました。17卒対象調査では広報活動も選考活動も「現行どおり」と回答する企業が1割にも満たない結果でした。
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