人事白書調査レポート2023 制度・評価・賃金
課長クラス昇進の際に「年齢」を重視している企業で「人件費の適正化」に悪い影響が出ているのは47.6%
「昇進・昇格・選抜」が「人件費の適正化」に対して悪い影響を与えている割合は、他項目と比べて高い
「昇進・昇格・選抜」が、「従業員の仕事に取り組む意欲」「従業員同士の健全な競争意識」「人件費の適正化」にどのような影響を与えているかをたずねました。
「良い影響を与えている」「どちらかといえば良い影響を与えている」を合わせた割合を見ると、「従業員の仕事に取り組む意欲」は90.5%、「従業員同士の健全な競争意識」は79.7%、「人件費の適正化」は70.4%となっており、「従業員の仕事に取り組む意欲」に対して良い影響を与えていることがわかります。それに対して、「人件費の適正化」では「悪い影響を与えている」(2.6%)、「どちらかといえば悪い影響を与えている」(27.0%)を合わせた割合が29.6%と、「従業員の仕事に取り組む意欲」(9.5%)、「従業員同士の健全な競争意識」(20.3%)と比べて高くなっているのが目を引きます。
課長クラスに昇進させる際に年齢を重視している企業では、「意欲」「人件費の適正化」に悪い影響が出ている
この結果を、別の質問 の「課長クラスに昇進する平均年齢」、および「課長クラスに昇進させる際の重視事項」とのクロス集計で見ました。
まず「従業員の仕事に取り組む意欲」では、「課長クラスに昇進させる際の重視事項」で「年齢」を重視して昇進させている企業は、「悪い影響を与えている」(2.4%)、「どちらかといえば悪い影響を与えている」(21.4%)を合わせた割合が23.8%と比較的高くなっています。
次に、「競争意識」を見ると、「課長クラスに昇進する平均年齢」が29歳以下、30~34歳と若い企業では、「良い影響を与えている」の割合がそれぞれ22.7%、11.5%と比較的高くなっています。
「人件費の適正化」の場合、「課長クラスに昇進させる際の重視事項」で「年齢」を重視して昇進させている企業は、「悪い影響を与えている」(2 .4%)、「どちらかといえば悪い影響を与えている」(45.2%)を合わせた割合が47.6%と半数近くを占めています。
以上の結果から、「昇進・昇格・選抜」においては、「年齢」に関する事柄が従業員の意欲や健全な競争意識、人件費の適正化に影響を与えている可能性があることがわかります。
『人事白書2023』の本誌では、「降格の発生頻度」「役職定年の年齢」などについても掲載しています。
人事白書2024――課題解決の糸口が見える人事実態調査 | 『日本の人事部』
実施時期 | 2023年3月6日~3月31日 |
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調査対象 | 『日本の人事部』正会員 |
調査方法 | Webサイト『日本の人事部』にて回答受付 |
回答数 | 6,504社、6,797人(のべ) |
質問数 | 168問 |
質問項目 | 1.戦略人事/2.採用/3.育成/4.制度・評価・賃金/5.ダイバーシティ&インクルージョン/6.働きやすさ・働きがい/7.組織開発/8.注目の人事課題(人的資本の情報開示、ウェルビーイング、Employee Experience、兼業・副業) |
出典:『日本の人事部 人事白書2023』
全国の人事の実態・課題を明らかにし、解決の糸口を探る『日本の人事部 人事白書』から、調査レポートを公開。貴社の課題解決にご活用ください。