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田中潤の「酒場学習論」
【第6回】銀座「しらたまや」とトランスファラブル・スキル

株式会社Jストリーム 管理本部 人事部長

田中 潤さん

Jストリーム 人事部長  田中潤の「酒場学習論」

古今東西、人は酒場で育てられてきました。上司に悩み事を相談した場末の酒場、仕事を振り返りつつ一人で呑んだあのカウンター。あなたにもそんな記憶がありませんか。「酒場学習論」は、そんな酒場と人事に関する学びをつなぎます。

銀座のコリドー街の近く、ちょっと古びたビルの地下2階、そんな秘密めいた場所に「しらたまや」はあります。女将一人で営業する、料理と日本酒が中心の店。日本酒は燗酒好きが喜ぶ素晴らしいラインナップが並びます。お店の隅々まで想いがこもっている空間の中で、本当に良い雰囲気に浸りながら呑める店なのですが、実は私にとっては一種のアウエー感を抱かされる店でもあります。

カウンターに置かれた一升瓶が絵になる空間

カウンターに置かれた一升瓶が絵になる空間

この店は、歌舞伎座から歩いて10分程度。おそらく日本で一軒だけだと思われる、歌舞伎好きが集まる酒場です。歌舞伎好きには一人で観劇する人が多いそうですが、観劇後に誰かと語り合いたいという想いに応えられる場を創るという、女将の夢と想いが実現した店なのです。じわじわと歌舞伎ファンに知られる店となり、私以外は店中すべて歌舞伎ファン、という日も少なくありません。しかし嫌なアウエー感はありません。この店で出会う歌舞伎ファンには、排他的な人がいないのです。生まれてこのかた歌舞伎を見たことがない私でも、気持ちよく受け入れてくれます。そのため歌舞伎ファン以外の方、特に日本酒好きが多く訪れます。

地下2階のこの扉を開けると素敵な「場」が地下2階のこの扉を開けると素敵な「場」が

地下2階のこの扉を開けると素敵な「場」が

実はこちらの女将は、開店前からの知り合いです。彼女は以前、あるIT企業で長らく人事の仕事をしていたことがあり、いろいろな勉強会や交流会などでご一緒していたのです。社外の人事担当者の中でも、私が一目置く存在でした。そんな彼女が長らく勤めた会社を辞め、SNSの発信を見る限りどうやら有名な酒場で働いているようなので、連絡をとって仲間とお邪魔しました。すると「近々自分の店を出す」というので、びっくり。それが「しらたまや」です。

IT企業の人事から小料理屋の女将とは、なかなか聞いたことのない転身かもしれません。歌舞伎と日本酒という自分の好きなものを軸にして、それらを好きな人が集まる場を創りたい――そんな想いを実現したのです。料理の内容や酒の品揃えはもちろんですが、酒器、食器、おしぼり、店のレイアウトなど、徹底的にこだわりと想いが伝わってくる店です。

これも旨かった。一手間加えたアテがいただけます

これも旨かった。一手間加えたアテがいただけます

彼女の話を聞いていると、「トランスファラブル・スキル」の大切さを考えさせられます。キャリアカウンセラー養成講座であるGCDFのテキストでは、トランスファラブル・スキルを「一つの職業から他の職業に転用できる、転移可能なスキルのことをいいます。例としては、問題解決能力、意思決定能力、新しい仕事を学習し実行する能力、情報収集などがあります」としています。転職の際などは、専門知識やテクニカルスキルが注目されがちですが、実はこのトランスファラブル・スキルは非常に大切なものです。

「しらたまや」は、カウンターとテーブル席を合わせて10名ちょっと入ると満席です。カウンターからは店全体が見渡せます。女将は「毎日、カウンターの中でワークショップをしているみたい」だといいます。酒場はまさに「場」です。場というのは、そこにいる人たちが相互に影響しあって構成されるものです。人と人をつなげたり、騒ぎ過ぎる人をやんわりとたしなめたり、一人で寂しそうな人には声をかけたり。そんなことをカウンターの中で大将や女将が自然にできる酒場は、本当によい酒「場」です。

「しらたまや」は、まさにそんな店なのです。一人客が入ってきた瞬間に、この人を誰と誰の間に座らせると良い場が生まれるかを考え、座る席を勧めているのではないかと思います。これは、人事という仕事の経験があるからこそ、できることかもしれません。また、開店前のさまざまな書類づくりや申請などでも、人事時代の仕事が役に立ったという話を聞きました。それ以外にも、意思決定や安全衛生管理、顧客との対話、コスト意識、多くの分野で前職の経験が活きているはずです。

女将は常にカウンターから全体に目配り

女将は常にカウンターから全体に目配り

「しらたまや」は週休二日の店です。初めて店を持ったオーナーは早期に初期投資を回収したいがために、休みなく働いてしまいがちです。でも、この店はビジネスパーソン時代の週休二日をかたくなに守ります。そして、店が休みの日には、女将自らも歌舞伎観劇にいそしみます。

そしてもう一つ、素敵な話をお教えしましょう。この店のカウンター、実は前職の若手の仲間が皆で作ってくれたお手製なのです。人を巻き込む力も、大切なトランスファラブル・スキルの一つです。

■バックナンバー
【第5回】銀座「バー嘉茂」とアイデアの創出・副業
【第4回】八戸の洋酒喫茶「プリンス」とエンゲージメント、リファラル採用
【第3回】「都橋商店街」「折尾」のRのある世界と、人事制度の運用
【第2回】国分寺「燗酒屋がらーじ」と、決める・決めてもらうのが私たちの仕事
【第1回】赤羽「まるます家」と酒場での学び


田中 潤さん(株式会社Jストリーム 管理本部 人事部長)
田中 潤
株式会社Jストリーム 管理本部 人事部長

たなか・じゅん/1985年一橋大学社会学部出身。日清製粉株式会社で人事・営業の業務を経験した後、株式会社ぐるなびで約10年間人事責任者を務める。2019年7月から現職。『日本の人事部』にはサイト開設当初から登場。『日本の人事部』が主催するイベント「HRカンファレンス」や「HRコンソーシアム」への登壇、情報誌『日本の人事部LEADERS』への寄稿などを行っている。経営学習研究所(MALL)理事、慶応義塾大学キャリアラボ登録キャリアアドバイザー、キャリアカウンセリング協会gcdf養成講座トレーナー、キャリアデザイン学会代議員。にっぽんお好み焼き協会監事。


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