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社員53人で100億円を売上げる驚異の生産率
女性活躍を推進し、チームの力を最大に高める秘訣とは

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たった一言の価値観でも、会社を変えることができる

――社員に任せるにあたって、ポイントとなったことは何でしょうか。

会社の価値観、つまり、私が最も大切にしていることをはっきりと打ち出したことです。私が本当に大切にしているものは何なのか。それを失ってしまえば会社がなくなってしまう「価値観」とは何か。本気で会社を変えたいという思いを社員に伝えるためにも、それらを強く訴える必要がありました。3ヵ月間悩んだ末に出てきたのが、“挑戦”の一言です。

株式会社ランクアップ代表取締役社長 岩崎裕美子さん Photo

当時は“挑戦”と紙に書いて社内のあちこちに貼り、ことあるごとに口にしました。そうすることで、ようやく社員が本気で受け止めてくれるようになり、会社が変わる端緒となったのです。

また、社員に挑戦してもらうために、目標と裁量権を与え、私は予算以外に一切関与しませんでした。権限移譲したのです。そうすると、社内が活気づき、私にはないアイデアも続々と出てきて、年商が56億円から70億円近くまで伸び、その後すぐに90億円近くまで爆発的に伸びました。私よりも社員の方が、“できる”人たちだったのだと、その時ようやく気づいたのです。

――岩崎さんが日ごろから挑戦する姿を社員に見せていたからこそ、社員に挑戦という価値観を伝えることができたのではないでしょうか。

私にとって大きな挑戦だったのは、2009年ごろに、17時半の退社定時を17時に早めたことと、残業ゼロを宣言したことです。もともと19時には全員が退社していたこともあり残業は少なかったのですが、私が出産と育児を経験することで両立の大変さに気づき、女性が働きやすいように改革しようと決意しました。

当時は、会社設立以来はじめてのシステムトラブルがあり、全社員が残業する中で、私だけが育児のために早く帰ることになり、とても肩身の狭い思いをしていました。仕事も家事も中途半端という後ろめたさに加え、子どもの夜泣きで眠れないこともあって、大きなめまいに襲われるようになり、仕事と育児の両立の大変さを嫌というほど知りました。この経験から、社員の出産ラッシュを控えていたこともあり、私のような辛い思いをしないよう、改革に取り組んだのです。勤務時間が減ることで売上が落ちるのではないかと強い不安を覚えたのも事実ですが、仕事も子育てもあきらめないで済むよう、サポートしたいという気持ちはもっと強いものでした。実際はふたを開けてみると、かえって業績は良くなりました。

――残業を減らす取り組みを具体的に教えてください。

残業の多い社員に業務についてヒアリングし、仕事の棚卸しと見える化を行いました。不要なデータ入力などの無駄な仕事を洗い出し、システム化できるものやアウトソーシングできる仕事を明確にしました。この作業により残業が圧倒的に減ったこともあって、今でも年に2回、全社員が仕事の棚卸表を作成するようにしています。

また、小さなルールを複数設けました。「社内資料は作り込まずに、ワード1ページに収める」「社員間のメールで『お疲れさまです』といった形式的な挨拶は使わない」「社長も含めて空いているスケジュールは勝手に予約できる」といった“省エネ”をルール化したのです。

――残業をなくすことで、仕事と育児の両立は進みましたか。

女性が仕事と育児を両立させるだけでなく、生涯を通して活躍するためには、長時間労働の是正だけでは足りません。子どもは頻繁に熱を出しますし、インフルエンザになれば1週間会社を休むことになります。子どもの体調不良が続くと、同僚からは「ママには責任ある仕事は任せらない」と判断されることもあるでしょう。周囲への負担感を懸念し、退職する方も少なくないと思います。

そこで、私が導入したのは、子どもの体調不良時に、ベビーシッターを利用できる制度です。ベビーシッターの利用料金は1日あたり約2.5万円~3万円ですが、社員の負担は300円ですむように会社が補助を出しています。これにより、同僚への負担が確実に減り、重要なアポイトメントも果たせるようになりました。

この制度の話をすると、多くの経営者の方から「経費を理由に導入ができない」と言われます。しかし私は、女性社員が出産を機に退職してしまう方が、経営へのダメージが大きいと考えています。それほど、経験を積んだ女性社員の力は大きいのです。


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