高齢者の年令給
一般的な理論によりますと生活給としての年令給を、55才から定年までの間、年々マイナスしてゆくことが書籍等で記載されておりますが、基本給自体が下がっても問題はないのでしょうか?それとも職能給は考課のいかんにかかわらず、年令給の減少以上に昇給させることが必要ということでしょうか?
基本給=年令給+職能給として考えております。
55才から定年まで昇進・昇格が無かった場合でも定年時が最高基本給額としておくのが一般的だと思いますがいかがでしょうか?
投稿日:2005/06/21 09:01 ID:QA-0000978
- あーさん
- 愛知県/機械(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
高齢者の年令給
■「経年」(年令や勤続年数など)とともに功績が大きくなると看做して処遇を引上げていくやりかたを「年功序列」といいます。他方、「賃金」は、社員にとっては「生活基盤」でありますが、企業経営から見れば、最大の「経営コスト」です。バブル崩壊を転機に、企業は激しい優勝劣敗の環境に曝され、有効活用に向けて、全ての経営資源の総点検を余儀なくされました。
■「賃金」について言えば、会社業績に対する貢献度を尺度にして個人別に決めていくという、「成果主義」制度に、経済社会全体が大きく転換しつつあります。「生活給としての年令給を、55才から定年までの間、年々マイナスしてゆくことが書籍等で記載されており云々」は、年功賃金から成果賃金への切り替えの過程の一コマなのでしょう。
■以下一般論としてコメント致します。
① 労基法などの労働法規類、労働法判例、民法上の公序良俗などに反しない限り、労働条件は労使間の自主的な合意に任されています。逆に言えば、ご質問の諸点は、一方的に不利益な労働条件の変更の回避、法的制限のクリアー、社員の納得と合意の取得といった条件を満たす限り、御社の自由裁量だといえます。
② 「基本給自体が下がっても問題はないか」⇒問題なしとは言えません。一方的に不利益な労働条件の変更に該当します。年令給の減額には、減額の必要性、内容の合理性、手続きの妥当性、激変緩和措置などを十分検討し、労組あるいは従業員代表者の合意の取得が必要です。
② 「職能給は考課のいかんにかかわらず、年令給の減少以上に昇給させることが必要か」⇒
必要はありません。年令給の減額補填のために職能給を考課に関係なく昇給させては、一体何をやろうとしているのか分かりません。
③ 「55才から定年まで昇進・昇格が無かった場合でも定年時が最高基本給額としておくのが一般的だと思いますが」⇒一般的ではありません。最初に申し上げましたように、会社業績に対する寄与度・貢献度を尺度にして個人別に決めていくという、「成果主義賃金」を目指しておられるならば、このような発想はでてこないと思います。
■少々、厳しいコメントになったかも知れませんが、要は、御社として、厳しさの増す今後の経営環境に、経営資源としての人材および人件費をどのように改革していくべきかについての明確な指標があれば、自ずから対処策も明らかになるものと思います。
投稿日:2005/06/21 11:28 ID:QA-0000980
相談者より
投稿日:2005/06/21 11:28 ID:QA-0030385大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川島 孝一
- 川島経営労務管理事務所 所長
高齢者の年令給
もし制度を改革した場合、現在の水準より下がるため、不利益変更になるという視点はとりあえず横において置きまして・・・・
生活給のカーブがある年齢以降下がっていくということ自体については、それが極端ではない限り(合理的であれば)問題はありません(書籍に載っている通りです)。それに伴い、職能給の上昇がそれを上回らない限り、基本給としても下がるということも仕方がありません(決して補填する必要はありません)。
賃金については、色々な視点がありますので、55歳と定年時(60歳?)を比べて、同じ水準の企業もあれば、定年時の方が高い企業、逆に低い企業と様々で、どれが正しいとは一概には言えません。無責任なようですが、会社(経営者)の思いが表れているということではないでしょうか?
なお、例えば退職金が基本給連動となっている場合、基本給が下がれば退職金も当然減ってしまいます。ただ単純に賃金カーブだけを考えるだけではなく、トータルで従業員をどう処遇していくかという視点を持つことは大切ではないでしょうか。
投稿日:2005/06/21 15:18 ID:QA-0000988
相談者より
投稿日:2005/06/21 15:18 ID:QA-0030389大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
高齢者の年令給
年齢給が定年まであがり続けないといけないということはなく、一定の年齢をピークに頭打ちまたは減っていくということも一般的だと思います。それには一応の根拠があります。平成16年の総務省統計局の「家計調査」によりますと、”所帯主の年齢階級別等1世帯当たり1ヶ月間の収入(全国勤労者世帯)”は45歳~49歳がピークとなっており以降は徐々に減少しています。また支出は50歳~54歳にピークを迎えています。貯蓄は55歳~59歳が圧倒的に多く、また生活レベルを示すエンゲル係数は50歳~55歳以降徐々に上がっています。いろいろな考え方はあるわけですが、そのひとつに年代別のライフスタイルに合わせた賃金制度ということで、支出が増える45歳~49歳、50歳~55歳に給与面についてピークを持ってくるような賃金体系がとられているといえます。
投稿日:2005/06/23 11:51 ID:QA-0001015
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