懲戒による管理職の降格における再登用制度
懲戒による降格処分を検討している中で、管理職から降格して非管理職となった場合、その後の管理職再登用については、どのような制度が一般的なのでしょうか?
また、再登用制度を設定するうえで、法律上、気を付けなければならないことはございますでしょうか?
考えられるのは下記の3方法ですが、いかがでしょうか?
①通常の管理職登用の条件と同じように、登用試験を受け、通常の合格点を取れば再登用(或いは少し厳しくする程度)
②一定期間(1年か2年)は登用試験を受けれないが、期間満了後は①と同じ
③通常の管理職登用制度とは別の復活制度を設定(再登用には取締役会での承認が必要など)
投稿日:2016/01/22 18:00 ID:QA-0064946
- *****さん
- 大阪府/繊維製品・アパレル・服飾(企業規模 1001~3000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
処罰完結後は、敗者復活の機会を均等に保証することが大切
▼ 適正に定められた懲戒規定に則り、降格処分を課された場合、記録としては残りますが、当該事由への対応は完結します。完結後も、それを引きづって、意図的に不利な差別を行うのは、論理上も、人事管理上も宜しくありません。
▼ 依って、① の方式(但し、意図的に厳しくすることは避ける)が妥当だと考えます。尚、本事案に類する一般的制度というものは見当たりません。要は、処罰も登用も、公正な視線で行われるべきであり、敗者復活の機会も均等に保証することが大切です。
投稿日:2016/01/23 11:36 ID:QA-0064955
相談者より
早速ご回答いただきましてありがとうございます。再登用制度を厳しくすることは好ましくない(二重処罰?)、というご指摘は大変参考になりました。
投稿日:2016/01/25 14:28 ID:QA-0064963大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、特に一般的と言われるような管理職再登用の制度はございません。あくまで各企業の人事ポリシーに沿って検討の上任意に設定すべきものといえます。
また、管理職再登用は労働者に取りまして有利な取扱いになりますので、降格の場合と異なり特段注意すべき事柄もございません。(※勿論、男性のみ再登用する等、明らかに違法または差別的なやり方については避ける必要がございます。)
その上で回答差し上げますと、①のみでは登用試験が近接した時期にある場合降格の実質的な効果が失われてしまいますので、比較の上では②または③の方がより適切といえるでしょう。そして、②と③のどちらがよいかについては確答出来かねますが、懲戒による降格を受けた方の場合ですと管理職への適格性有無につき試験の点数のみで判定出来ない可能性が十分にございます。
それ故、そうした懸念を払拭する選考の仕方も加えられる③のような方法が望ましいのではというのが私共の見解になります。
投稿日:2016/01/25 09:42 ID:QA-0064957
相談者より
早速ご回答いただき有難うございました。今後の制度設計の参考にさせて頂きます。
投稿日:2016/01/25 14:24 ID:QA-0064962大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
制度設計
あくまで民間企業である貴社が判断されることですが、比較的多く取り入れられているものは②のような応募に猶予期間を設定する方法です。さまざまなプロセスが混在するのは煩雑ですので、猶予期間をどう取り扱うかをルール化してはいかがでしょうか。
しかし懲戒の内容も斟酌する必要があるかも知れませんので、完全な自動化は難しいかと思います。基本ルール+弾力運用のための審査会のような組み合わせでいかがでしょうか。
投稿日:2016/01/25 22:48 ID:QA-0064968
相談者より
ご回答いただき有難うございました。二重懲罰にならないよう、かといって、全く一般社員と同じルールで再登用されるというのも社内的に理解されにくいと思いますので、先生方のご意見を斟酌いたしまして検討させていただこうと考えております。
投稿日:2016/01/27 08:56 ID:QA-0064982大変参考になった
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