未許可の残業に対して手当支払いは必要か
	いつも参考にさせていいただいております。
 残業は上司に事前申請を行い認められて行うものとの定義を当社はしております。ですので、その日に必要ない残業は認めず帰宅するように上司から指示をしますが、帰らずに残業を行いその時間を計上する社員がおります。上司が認めていないことからその分の残業手当を支払わないことは可能でしょうか?また、上司の指示を聞かないことを懲罰対象とすることも可能でしょうか
 
 よろしくお願いいたします。    
投稿日:2015/10/06 13:05 ID:QA-0063808
- okabaさん
 - 大阪府/情報処理・ソフトウェア(企業規模 501~1000人)
 
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
					- 川勝 民雄
 - 川勝研究所 代表者
 
「事前承認制の徹底」に加え、「業務量の適切化のチェック」が欠かせない
                ▼ 会社の命令に基づかない、所謂、「勝手残業」は、賃金支払の対象にならないことは勿論、状況によっては、「懲戒対象」になり得ます。但し、会社が、勝手残業の禁止に積極的、且つ、明示的に周知していない場合は、同残業を容認したとされ、残業手当の支払義務が生じる場合があります。
 ▼ 現実には、社員の判断で自発的に行われ、事後承認が、常態化している場合が多く見られます。闇残業(残業代の不払い)に対する監視は厳しくなり、経営者逮捕に至ることも珍しくありません。
 ▼ このような逆風の下では、事前承認制の徹底が最重要措置であることは明らかですが、その前に、業務量の適切化、業務遂行の効率化に十分な配慮がなされているかどうか検討しておくことが欠かせません。
 ▼ さもなくば、《 使用者の具体的に指示した業務量が、客観的にみて正規の勤務時間内ではなされ得ないと認められる場合には、黙示の指示による残業 》と判断されるリスクがあります。                
投稿日:2015/10/06 22:11 ID:QA-0063813
相談者より
                ご回答ありがとうございます。
事前残業が徹底できているかと言われると事後承認となるケースも部署や時期によって発生しています。ご指摘のとおり、まずは事前残業申請の運用徹底と作業量の適切化確認を行っていきます。
ありがとうございました。                
投稿日:2015/10/07 16:44 ID:QA-0063831大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
二つに分ける
                本件は2つの視点があります。まず給与に関しては基本的に労働対価なので勤務簿通りに払う方が無難です。もちろん勝手な残業であることから拒絶することは可能ですが、それを巡ってエスカレートの際の手間と比べ、割が合いません。
 もう一つは服務規律違反です。こちらは非常に重要で、上司の指示に従わず、さらには勝手に職場を使用するという点で、野放しにはできません。勝手な残業が発覚した際はうやむやにせず、必ず事情聴取の上、厳重に注意し再発を宣誓させるなど、強い措置が必要です。合わせて上長は管理責任が問われます。結果として査定や昇給に影響するような重大事ですので、給与についてはトラブルを避けるため、今回に限り支払ってはいかがでしょうか。                
投稿日:2015/10/06 23:23 ID:QA-0063815
相談者より
                ご回答ありがとうございました。
本人にヒヤリングした結果、必ずしも必要であった残業では無かったとのことであったので、厳重注意をいたしました。(手当支払いは行う予定)また、事前申請についての運用も徹底できていない面を今後改善していきます。
ありがとうございました。                
投稿日:2015/10/07 16:56 ID:QA-0063834大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
残業許可制を厳格に運用しているか
                ご質問のように残業許可制を運用している企業において、
 上司が残業を認めていないことだけを理由に残業手当を支払わない、ということはできません。
 
 使用者が時間外労働を命じておらず、労働者の判断で時間外勤務がなされる場合も、
 時間外労働を余儀なくされるほどの量の仕事を与えていた点や、
 時間外労働の成果を使用者として受領した点で、時間外労働を容認しており、
 黙示の命令または合意があるとして、使用者の「指揮命令下」にあると認められる場合があります。
 
 一方で、使用者が本当に必要な業務か判断をした上で時間外労働を認め、かつその手続を形骸化せずに厳格な運用をしている場合には、
 合理的な理由なく上司の承認手続きを得ずに労働者の判断で時間外労働をしても、
 使用者の「指揮命令下に置かれている時間」には該当しないと認められ、割増賃金の支払い義務は生じません。
 
 もし、厳格に残業許可制を運用しているのであれば、再三の残業禁止命令にも関わらず違反して残業を続ける場合には、
 就業規則に従い、まずは訓戒などの懲戒処分にて強く指導する必要があるでしょう。                
投稿日:2015/10/07 09:16 ID:QA-0063816
相談者より
                ご回答ありがとうございました。
ご指摘にある事前残業申請を厳格に運用が出来ているかと言われると事後承認をしている部門や時期があります。今回の手当支給はやむなしとして、まずはこの運用徹底から行っていきたいと思います。
ありがとうございました。                
投稿日:2015/10/07 16:53 ID:QA-0063833大変参考になった
人事会員からの回答
- 阿倍野区民さん
 - 大阪府/その他業種
 
                まずは、
 ・本当に不必要な残業をしているのか
 ・上司が業務の実情を理解せず、杓子定規に残業を認めないのか
 をしっかり見る必要があるでしょう。後者でしたら、社員には非はなく
 むしろ上司への指導が必要です。
 
 前者の場合も、今回やってしまった残業についていきなり手当不支給は避けるべきです。
 ただし、命令違反ということで厳重注意の上、今後同様の場合には手当を支給しないことを
 明確に伝えておけばよいでしょう。
 
 また、残業の許可制が全社的にどれだけ実態として浸透しているかということも
 重要なポイントとなります。                
投稿日:2015/10/07 12:33 ID:QA-0063823
相談者より
                ご回答ありがとうございました。
今回のケースについては、本人も残業をしてまで作業を行う緊急性が無いことを認識をしており、残業を認めていない上司側の問題はないと判断しています。ただ、ご指摘のとおり残業の許可制が全社的に徹底できているかと言うと事後承認になる部門・時期も発生しておりますので、まずは運用の徹底を検討・実施していきます。
ありがとうございました。                
投稿日:2015/10/07 16:50 ID:QA-0063832大変参考になった
    回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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