長期出張社員の賃金変更について
いつもお世話になっております。
弊社は長期間の出張者を今まで出張扱いとしていたのですが、2月から転勤ということで辞令を出しました。
もともとは、転勤となると、従業員が行きたがらないのと、赴任手当が4万円しかつかないので、出張扱いにしていました。
出張といっても、本社から出張先まで片道80キロもなく、電車で往復5千円程度の距離です。
また、出張だと日当と朝夕食事代が毎日付くので、12万円ほど本人が受給できます。
出張先の水道光熱費、家賃も会社負担です。
しかし、この出張者は長い人で10年近くなる人もいます。
もはや、実態は出張ではなく転勤だと思います。
所属長も、この出張者の査定は出張先の上司がするべきと言っているのですが、出張先の上司は所属は本社なのでできないと言っている状態です。
このような理由で転勤辞令を発令しました。
そこで、この者たちに賃金変更の話をしました。
まず、本来の赴任手当4万円にプラス8万円をして、特別に12万円毎月給与で支給する旨伝えました。
なおかつ、家賃と水道光熱費は本来は本人負担なのですが、特別に会社が支払うことにしました。
この時点で、他の従業員より大幅な給与総額で、事業所長より金額が大きくなるのですが、それでも本人は納得がいかないようです。
彼らの言い分は、社会保険料や所得税で手取りが減るので、更にその分を上乗せしてほしいとのことです。
出張者は3名います。
54歳(正社員)と31歳(正社員)と70歳(60歳退職後1年ずつ更新の再雇用契約)です。
他の従業員とのバランスもあるので、簡単に聞き入れるのはどうなのかなと思うのですが、長い間ほったらかしにしていたのも問題だと思っています。
一体どのような対応をすればいいのでしょうか。
投稿日:2015/01/26 10:12 ID:QA-0061370
- **りんさん
- 兵庫県/建設・設備・プラント(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
~一体どのような対応をすればいいのでしょうか。
会社のルールに従い、公明正大に対応することです。
まず、会社がどのようにしたいのか、スタンスを明確にして下さい。
そのうえで、以下の規定の確認です。
・転勤規定、
・服務規定、懲罰規定
・出張旅費規程
・賃金規定
規定に整合性がなければ、今回の件をきっかけとして
改定も検討してください。
社員の言い分は聞いても、全て受け入れる必要はありません。
わがままなのか正当な理由なのか、規定が根拠の一つとなります。
単なるわがままであれば、懲戒の対象ともなります。
投稿日:2015/01/26 20:41 ID:QA-0061375
相談者より
ご回答ありがとうございます。
弊社の就業規則では、職場の変更は、正当な理由がなければ拒むことができないとしております。
また、出張旅費規定には、「出張期間が1年を超える場合は、転勤を命ずることがある」としております。
賃金規定にも、単身赴任手当として4万円を記載して、特例は一切設けておりません。
ただ、服務、懲罰規定に該当するかわからないのですが、「会社諸規定に違反する行為のあった者」と記載しております。
恐らく本人は、取れるだけ取ろうという考えなのかもしれません。
会社としては、やはり他の従業員のモチベーションが下がるのは避けたいので、本人ともう一度話合ってみます。
投稿日:2015/01/28 14:54 ID:QA-0061391大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、賃金に関しましては就業規則(賃金規程)に基づき支払われる事が求められます。
従いまして、原則としまして転勤で負担増になるとしましても規定上根拠の無い手当まで支払う義務は会社にはございません。文面のケースですと、本来転勤で負担すべき費用まで長年会社が負担してきたわけですから、むしろこれまで多くの利益を得てきたのは従業員側といえます。
また、転勤規定がある以上、他に特約でもしていない限り従業員が応じる義務がございますので、転勤を拒む事自体本来認められない事といえます。
とはいえ、会社側でも長年転勤とすべきを出張扱いされる等誤解を招くような規定外の運用をされてきた点にいささか落ち度がないとは言い切れません。従いまして、無理な要求にまで応じる必要はないですが、相談の上一定の上乗せ程度なら可能という事であれば支給されてもよいでしょう。但し、繰り返しになりますが義務ではございませんので、御社判断で必要無と考えれば根拠なき上積みとして断っても差し支えないというのが私共の見解になります。
投稿日:2015/01/26 22:33 ID:QA-0061378
相談者より
ご回答ありがとうございまし。
この従業員は、転勤を拒んではおりません。
家庭の事情があって、むしろ気に入っております。
ただ、もらえるものがもらえなくなるのが納得いかないようで…。
就業規則、賃金規定、出張旅費規定と会社の規定に根拠のない手当を支払い義務はないということで、安心しました。
投稿日:2015/01/28 15:50 ID:QA-0061393大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
正常化は必須。大筋をシッカリ見詰めて対応を
長期出張と転勤の区分の法的区分はありませんが、 通常、 住居の変更 ( 或いは、 単身赴任 )を必要とするか否かが、 一つの有力な区分になっています。 長期出張と転勤では、 滞在施設、 手当、 日当、 実費支弁など、 大きく異なりますので、 就業規則や転勤旅費規程において定義付けておかなくてはなりません。 長期間、 本来あるべき措置との乖離のチェックを怠ったツケは可成り厄介な気がします。 ご説明だけでは、 詳細な経緯が分かりませんが、 先ず、 (1) 長期出張と転勤の定義作成、 (2) 社内コンセンサスの樹立と就業規則の追加変更、 (3) 定義に基づき、 本人たちへの通知 ( 或いは、命令 )、 (4) 新定義による取扱い適用によって発生する、 経済的減額に対する激変緩和措置の検討など、 細かい議論避け、 大筋をシッカリ見詰めて、 正常化することが重要です。 正常化過程で、 修羅場っぽい局面もあるかと思いますが、 場合によっては、 何方か、 外部の力を借りることが必要かも知れません。
投稿日:2015/01/26 22:35 ID:QA-0061379
相談者より
ご回答ありがとうございました。
転勤規定というものはないのですが、異動は拒むことができないことを、社内規定の条文に記載しております。
1年以上出張の場合は、転勤命令が出せることも記載しております。
本人たちは転勤を拒んでいるのではなく、むしろ転勤先を気に入っています。ただ賃金について、優遇されたいようで、規定外のことまで要求してきております。
正当な賃金にしたからといって、決して生活が困窮することはないのですが、今までもらえてたのがもらえなくなるのが納得いかないようです。
再度交渉してみます。
投稿日:2015/01/28 15:44 ID:QA-0061392大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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