定年年齢の引き上げによる退職金の支給時期の遅れについて
お世話になっております。
高年齢者雇用安定法の影響を受け、定年年齢を60歳から65歳にするか検討をしています。
これに伴い、退職金についてお聞きしたいことがあります。
退職金自体は、大阪第一信用金庫事件の判例に基づいて60歳を上限として、金額はストップするように考えているのですが、ここで問題と考えている点は、支給時期が今までは60歳に受けられていたものが、定年年齢の延長によって、65歳にならないと受けられないということは、不利益変更にあたるか。という点です。
ご教授下さいますようお願いします。
尚、参考までですが、現状、従業員の希望を考慮して、60歳で退職金がもらえる制度(この場合退職所得ではないので、給与所得として大きく税金が掛かってしまいますが・・・)と65歳定年時に受け取る方法を本人に選択してもらう総合制度も検討しています。
宜しくお願いします。
投稿日:2012/06/04 13:19 ID:QA-0049812
- *****さん
- 宮城県/情報処理・ソフトウェア(企業規模 51~100人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
総合的には、不利益変更とは看做されないと判断
ご思案中の、「 60歳で、在職のまま、受給 」 と 「 65歳定年時受給 」 の選択制度は、総合的には、不利益変更とは看做されないと思います。 「 総合的に 」 という意味は、「 60歳で退職し、退職所得の課税メリットを享受する 」 と言う 「 第三の選択肢 」 も依然ある訳ですが、規定次第で、「 自己都合退職として、退職金額自体が減少することもあり得る 」 というケースを推定してのことです。
投稿日:2012/06/04 14:01 ID:QA-0049814
相談者より
アドバイスありがとう御座います。
第3の選択肢は、知りませんでした。参考までにお尋ねしたいのですが、この60歳で退職金を受給し、かつ退職所得のメリットが受けられることの根拠を教えて頂けませんか?
判例、行政通達や法令等なにか、ありませんでしょうか?
宜しくお願いいたします。
投稿日:2012/06/05 09:02 ID:QA-0049819大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
定年引上げと退職金
■秋北バス事件、大曲市農協事件、第四銀行事件等の判例から推察しますと、65歳までの雇用を確保しますので一概には、不利益とはいえないと思われます。
▲ただし、直近定年を迎える方と、若い方よでは、とらえ方も違うでしょうし、中には退職金をあてにして、ローン等組まれている方もいらっしゃるかもしれませんので、事前アンケートや説明会、そして柔軟な対応も必要です。
■ポイントとしては、60歳で確定した退職金を、60~65歳の間で退職した場合の扱い、定年延長以外の、再雇用制度などの検討です。再雇用制度にすれば、原則、給与所得とはなりません。
投稿日:2012/06/04 14:52 ID:QA-0049817
相談者より
返事が遅れすみません。ありがとうございました。
投稿日:2012/06/08 11:00 ID:QA-0049877大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
総合的には、不利益変更とは看做されないと判断 P2
退職所得に対する取扱いは、所得税法第30条に定められています。対象となる 「 退職手当等の範囲 」 は、同条 《 退職所得 》 に関する基本通達において、「 退職手当等とは、本来退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいう 」 とされており、退職事由が、個人都合か会社都合かは、関係ありません。
投稿日:2012/06/05 10:17 ID:QA-0049821
相談者より
アドバイスありがとうございます。
なるほどですね。了解しました。
宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2012/06/05 11:27 ID:QA-0049824大変参考になった
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