雇用1年未満の社員の育児休職に係る対応について
当社では雇用された期間が1年未満の者については、育児休職できない旨の労使協定を結んでいます。
最近、雇用された期間が1年未満の社員の出産が頻発しています(どのケースも産後休暇まで使用した時点で雇用1年に満たないようなケースで、採用時検診では妊娠は判明しておりませんでした)。対応として、産後休暇の翌日から雇用1年に達するまでの間は自己都合欠勤扱いとし、雇用1年に達した後から育児休職としています。
社内でクローズアップされているのがこの自己都合欠勤を無条件に認めなければいけないのかという点です。当社では無断欠勤は2週間で懲戒事由としていますが、自己都合欠勤は就業規則で言及しておりません。育休者をフォローする社員からは過剰な対応ではないかという意見を持っている者もおります。
労使協定を結びなおして、雇用期間に関係なく育児休職を誰でも取得できるようにするというのも一案ではですが、当社では社員のニーズを受けて2年前から、随時育児休職制度を拡充し、従前と比べ育児休職者が3割以上増えている現況もあり、これ以上の拡充は組織運営上大変厳しい面があります。女性比率の高い会社特有の悩みかもしれませんが、当該社員及びそれをフォローする社員それぞれが納得するような対応として、何かよい手立てがございますでしょうか?
よろしくご教示くださいますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
また、現行の当社対応で問題がある点についてもご指摘の程お願い申し上げます。
投稿日:2011/08/25 15:55 ID:QA-0045619
- 着眼大局さん
- 静岡県/医療・福祉関連(企業規模 10001人以上)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、単に女性比率が高いというよりも、比較的若い年齢層の女性社員や雇用期間の短い女性社員が多い事が御社における人員構成の特徴のように思われます。
そのような特別な事情があれば、育児休業の対象有無に関わらず、一定期間勤務が困難となる社員が続出するのも想定しうるものといえるでしょう。
それ以外に御社固有の問題もあるものと思われますのでこの場で具体的な確答までは困難ですが、一つの策としましては、休業対象者を広げるというよりも、例えば託児所の設置等休業せずに働きやすい職場作りを考えるという事が挙げられます。或いは、現行の業務運営や人員配置等を見直して、より育児休業に対応可能な職場の体制を整えるといった方法も考えられます。
さらにこうした問題に関しましては、当事者である若い女性社員の意見に加え、フォローする側の社員の意見も聴かれることが大切です。人事部門だけで考えてもなかなか現場の実情に合った良い案は浮かんでこないでしょうし、逆にこの問題をきっかけに社員相互の活発なコミュニケーションが行われることで、相互理解も深められるはずです。いずれにしましても、制度充実の為には受入れ体制も併せて整備しなければいけないという事を念頭において、職場全体で知恵を出し合って解決を図られることが重要です。
投稿日:2011/08/25 23:16 ID:QA-0045631
相談者より
ご回答ありがとうございました。
一つ懸念しているのが、産休と育休の間をつなぐ自己都合欠勤を無制限に認めるのが果たしてコンプライアンス上適切かという点です。当社では私傷病欠勤・私傷病休職については規則上、勤続年数に応じた所定日数を経過しますと自然退職となる決めがあります。突き放した見方をするとどちらも自己都合欠勤といえなくもないのですが、扱いに差をつけている現況は果たして適切・公平なのでしょうか?
投稿日:2011/08/26 10:57 ID:QA-0045645参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
女性比率の高い職場における労務管理
貴社では若い女性の比率がかなり高いようですね。私がかつて関与したことのある会社も同様で、社長は新人育成を熱心に行なっているのに、早期に妊娠して退職してしまう社員が続出することに遺憾の意思を表明していました。少子化社会が懸念される中、私は複雑な思いがします。抜本策はありませんが、貴社で短期就業者に育児休暇を与えないか否かは社内で検討すべき課題でしょう。保育所を作るなり、働きやすい環境作りをすることも企業としての責任と思われるのですが、いかがでしょうか。働きやすい環境があれば、女性の定着化が進み、戦力化も進むでしょう。
投稿日:2011/08/26 05:32 ID:QA-0045632
プロフェッショナルからの回答
雇用1年未満の育児休職
■自己都合欠勤部分については、有休、欠勤扱いあるいは、育児休業としてしまうなどの選択肢があります。
労使協定の文言でも、育児休業の申し出を「拒むことができる」となっていないでしょうか?
すなわち、労使の話し合いということになりますが、育児休業とすれば、社会保険料が免除となるという会社のメリットもあります。
■あとは社内託児所等の設置検討も含め、各種助成金の活用の検討をお勧めいたします。
以上
投稿日:2011/08/26 10:48 ID:QA-0045644
相談者より
ご回答ありがとうございました。
社内でも雇用1年以上という育児休業取得要件を絶対視してしまっている方が多いのですが、労使協定を変更することも含め、制度の適正なあり方を再考したいと思います。
投稿日:2011/08/26 11:08 ID:QA-0045647参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き有難うございます。
「産休と育休の間をつなぐ自己都合欠勤を無制限に認めるのが果たしてコンプライアンス上適切か」という御質問ですが、コンプライアンス(法令遵守)が問題になるのは文字通り法令に関して違反となる可能性が生じるような場合に限られます。
従いまして、当事案のように労働者にとって法令や就業規則の定めを上回る部分での措置を認めることはそれ自体法的には問題となりません。
従いまして、後段でもご指摘されている通り、これはあくまで社内での公平・適切さといった面から考えるべき問題といえますが、こうした事柄は会社の個別事情も踏まえた判断が必要になります。
他の自己都合休職と同様の扱いをするか否かについては様々な見解があるでしょうしこの場で確答は出来かねますが、相応のコストをかけて採用・育成されている女性労働者に長期間働いてもらいたいというのであれば、育児休職に限らず個々の休職等に関する事情を考慮した上で柔軟に対応するのも一つの有り方ではというのが私共の見解になります。
投稿日:2011/08/26 12:02 ID:QA-0045652
相談者より
お忙しい中早々のご回答ありがとうございました。
当社特有の事情も勘案したうえで、社内検討を重ねていきたいと思います。
投稿日:2011/08/26 13:40 ID:QA-0045661大変参考になった
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