会社の合併について
子会社の合併についてお教えください。
現在、子会社の合併を検討しておりますが、一方の会社(A社)には単独の労働組合があり、ユニオンショップ制をとっており、もう一方の会社(B社)には組合がありません。このような会社を合併させる場合、通常、ユニオンショップ制などはどのように扱うのが一般的でしょうか。
なお、現時点では未定ですが、会社規模からしてA社が存続会社となり、賃金も含めた労働条件はA社がB社を上回っています。
従いまして、A社の労働協約を変えずに合併するとB社の一般社員は組合員となり、A社の労働協約に記載された内容が適用されることになってしまい、人件費が相当上がってしまうことが想像されますが、会社としてはそのような事態は避けたいと考えております。この点についてご教授ください。
投稿日:2010/07/27 09:20 ID:QA-0021924
- *****さん
- 東京都/その他メーカー(企業規模 1001~3000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
合併人事
合併に伴って労働条件が向上することは労働者に有利なことなので、問題ないと考えます。
ある程度の格差を残す場合、資格等級を下げて合併させる例があります。たとえば、住銀の子会社、日本総研が住友ビジコンを譲渡受けした際にそういう人事を行ないました。
同一資格等級だが、範囲給を設けて基本給を上げないで移行させることは難しくないです。これは自社でもできますが、賃金コンサルタントに依頼するとよいかもしれないです。
労組はA会社のものなので、B社の社員が加入するかは別問題でしょうね。禁じることはできないです(「黄犬契約」という)。
投稿日:2010/07/27 09:27 ID:QA-0021925
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
会社合併の場合には、各々従前の会社での労働契約が継承されます。
従いまして、法的にはB社での労働契約が継承されますので、合併といった事実のみでB社の従業員の賃金がA社と同水準に上がる事にはなりません。
但し、ユニオンショップ制といった特殊な制度を採られているとなりますと、この際そうした制度を見直すか否かも含めて当該組合と協議して対応を決められるべきです。
仮に組合と協議の上ユニオンショップ制を維持するとしましても、B社の社員に関しての取り扱いを一律に同じにするのではなく、業務内容等に応じて合併前の処遇を基本線とする方向で話し合いを進めていくことが現実的にも妥当と考えます。
投稿日:2010/07/27 10:04 ID:QA-0021929
相談者より
ご回答いただき、ありがとうございました。
A社の組合および労働協約やショップ制にばかり目がいき、B社にも労働協約があることをすっかり失念しておりました。両社の労働協約を一切変更せず、合併することは事実上不可能ですね。
両社の関係者から十分ヒアリングして慎重に進めたいと思います。
投稿日:2010/07/27 10:47 ID:QA-0040748大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
統一の費用増は避けられない。合併コストとして織り込むべき
■ 合併時点においては、一つの労働条件事項について、2種類の条件が並存する状態になり、労働者、使用者いずれの立場からも、その統一は避けられません。殊に、存続会社側での労組が、ユニオンショップ制の場合は、消滅会社の社員 ( 労組法第2条第1号の者は除く ) は、原則として、一定期間内に労組加入しならなければなりません。
■ 労組も、労働条件の格差の是正に動く筈です。会社も拒否することは困難です。このようなことは、合併の問題点として事前に、数値的情報も含め、分かりきっていることです。合併委員会、下部組織としての分科会で洗い出されている筈のものです。
■ 統一化は、A社の労働協約レベルを指向するのは避けられないでしょう。労働者に対する不利益変更と逆の構図で、会社に対して、経済的負担増に、どのような,緩和的、過渡的措置が可能か、という労組との交渉、協議事項にポイントは絞られます。本来、合併には、それぞれの目的 ( メリット ) があり、今回のご相談も、その目的達成の所要コストとして、最初の段階から認識しておくべき事項だと考えます。
投稿日:2010/07/27 11:35 ID:QA-0021931
相談者より
ご回答いただきありがとうございました。
会社にとってすべて都合のよい合併は無いのですね。
合併によって生じるメリットとデメリットを精査して
慎重に進めたいと思います。
投稿日:2010/07/30 11:31 ID:QA-0040749大変参考になった
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