給与サーベイと個人情報保護法
外部給与サーベイに参加する際、社員の氏名は必要ないですが、給与額、生年、入社年、資格の有無、ジョブタイトル、性別、最終学歴などの個人情報を提供しなければなりませんが、個人情報保護法との関係を教えていただけませんでしょうか?
基本的には、社員一人一人から同意を得る必要が、法律上発生いたしますでしょうか?
投稿日:2010/06/02 12:10 ID:QA-0020831
- *****さん
- 東京都/マーケティング・リサーチ・テレサービス(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
意外にハードルは高い
■ 氏名及び住所は除外されていますが、その他の情報を組み合わせると、御社内における社員の特定化が可能なデータ群と判断され、保護法にいう、個人情報に該当すると考えられます。
■ 従って、法に定める特定の場合を除き、予め、本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供することはできません。
■ 法の義務に違反し、この件に関する主務大臣の命令にも違反した場合、「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の刑事罰に加え、損害賠償民事訴訟のリスクもありますので、慎重な取扱いが不可欠です。
投稿日:2010/06/02 14:06 ID:QA-0020833
相談者より
ご回答頂きまして誠にありがとうございます。
投稿日:2010/06/04 23:28 ID:QA-0040302参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
個人情報とは
「個人情報の保護に関する法律」で検索していただきますと首相官邸の該当ページが出ます。そちらに定義など詳細がございますが、「個人情報」とは氏名だけを意味するものではなく、「個人を特定できる」情報と言えます。ゆえにご提示の情報を総合すれば個人を特定出来るのではないでしょうか?であれば本人同意が必須です。
外部サーベイ参加への必要性をしっかり説明の上、開示という本道が欠かせないと存じます。
投稿日:2010/06/02 19:39 ID:QA-0020836
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
文面に挙げられている情報のみですと、大規模企業であれば必ずしも特定の個人を判別しうるとは限りませんが、個々の社員に関する広範な属性までサーベイされることになりますので、やはり本人同意の上で提供されるべきといえます。
勿論、通常こうしたサーベイに参加する義務はございませんので、慎重を期す上で調査機関の信頼性を確認された上で対応される事が重要です。
投稿日:2010/06/02 22:11 ID:QA-0020841
相談者より
投稿日:2010/06/02 22:11 ID:QA-0040306大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
賃金調査への協力
そもそも法律は矛盾したものも次々作られます。憲法第9条があるのに、自衛隊があり、関連する法令もあるのです。
個人情報保護法は新しく重要な法律ですが、一方で、様々な調査は官公庁や外郭団体が行なっています。あるいは、それに準じる公共性の高い機関が行なっています。
まず、国税局が所得税を参考に、実際に支給された賃金事情を統計にしています。また、厚生労働省も賃金センサスを出しています。これら行政機関は個人情報保護法を運用する政府の機関です。
労務行政研究所や産労総研、生産性本部がどれだけ公共性があるのか、コメントは控えますが、大企業は生産性本部の賃金部、中堅中小企業は他の2つの調査を参考にして、自社の報酬決定の手がかかりにしています。またこのほかに経団連(旧日経連)を忘れてはいけないでしょう。
貴社でも報酬を決定する際に、何らかの外部指標がほしい、また実際に利用しているのではないでしょうか?
いわゆる賃金設計は楠田丘先生をはじめとするコンサルタントの本を参考にすれば賃金表を作れますが、年収や月収、手当などをどうするかは賃金統計を利用しています。
また、私自身、労働経済学を専攻していましたが、経済学者は賃金を研究の対象にしており、それらの研究は国や労組などの政策、交渉の基礎になっています。決して経済学者は自分の業績を作りたいから調査研究をしているわけではありません。
少し長くなりましたが、統計はこのように意義あることなので、個人情報に当たっても、開示されるべきと考えます。しかし、実施機関が提供された情報を倫理的に扱うところか、機密管理、情報管理できる機関なのかは問題になるでしょう。
自社の賃金は社内でさえ、おいそれと開示できないもので、経理が外部に開示する企業業績以上に機密性の高い情報です。
もちろん、賃金情報を提供しないという企業としての選択はありえますし、開示の仕方も平均値、最低値、最高値などの代表値だけを提示する場合もあるでしょう。
私の知る限り、生産性本部の賃金部は主要な上場大手企業の個人別賃金が非常に細かいところまで提供され、大手の人事部は生産性本部を最も頼りにしています。情報交換会もあります。
こうした事情もお考え頂き、個人情報保護法、コンプライアンス、従業員のプライバシー保持などをどう扱うか、判断されるべきでしょう。
投稿日:2010/06/02 23:58 ID:QA-0020846
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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