台風到来時の事業所待機についての考え方
台風が到来した場合、当社は一部の管理職と一般社員で編成している自衛消防隊により台風が通過するまで事業所に待機する場合があります。
・待機目的は、主に工場・事務所の防水・防風対策です。但し風雨が本当に強い時は非常に危険なため、実際は何らの対策もできず、過ぎ去った前後の見回りとなっています。
・自衛消防隊は、市主催のポンプ操法大会にも参加していますが、規律訓練の教育の一環として主に若手社員を中心とした編成隊です。一般隊員には固定で2,000円を毎月給与に加算しています。
そこでご質問ですが、①本来台風等による災害から事業所を守るのは、どのように対応するのが一般的なのでしょうか。
(暴風雨警報が出ると原則、社員は帰宅させています。)
②管理者または消防隊員(一般社員)が夜通し警備した場合、実質の労働とは異なりますが、所定外の観点からどのように対処すべきでしょうか?なお、夕食・翌日の朝食はケアしています。
翌日特別有給休暇にするというだけでもよろしいでしょうか。
投稿日:2005/08/10 13:02 ID:QA-0001574
- あーさん
- 愛知県/機械(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 畑中 義雄
- 有限会社人事・労務
台風到来時の事業所待機についての考え方
ご質問①についてですが、やはり特別の訓練を積んでいる訳ではないでしょうから、一般の社員には無理をさせずに帰すのが無難でしょう。
ただ突然の風水害など、急な事故があるかもしれないので、一部が待機しているのだろうと思います。これも管理職とか自衛消防隊という名目で待機しているだけで、特別の訓練もないでしょうから、危険な作業は極力避けるべきです。
もし工場などの建物が古く、台風による被害が想定されるときは、工場内に待機することすら控えた方が良いでしょう(仮に近くのホテル等で待機しても、現状やっている事(見回り等)と大差ない対応が取れるでしょう。)
> ②管理者または消防隊員(一般社員)が夜通し警備した場合、実質の労働とは異なりますが、
> 所定外の観点からどのように対処すべきでしょうか?なお、夕食・翌日の朝食はケアしていま
> す。翌日特別有給休暇にするというだけでもよろしいでしょうか。
確かに実質の労働とは違いますが、会社からの「業務命令」であることに違いはありません。
また労働基準法には、下記の様な規定があります。
(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等)
第33条 災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において(中略)労働時間を延長し、又は(中略)休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない。
2 前項ただし書の規定による届出があつた場合において、行政官庁がその労働時間の延長又は休日の労働を不適当と認めるときは、その後にその時間に相当する休憩又は休日を与えるべきことを、命ずることができる。
上記への対応は、原則的に割増賃金の支払が義務付けられています。仮に「行政官庁の許可」を受けていなくても割増賃金は必要です。
この場合の許可とは、「臨時の災害」という36協定外の理由で時間外作業を行わせるために、必要になるものです。
仮に翌日の特別休暇を与えたとしても、時間外作業を行なわさせた事に変わりありません。
それと、一連の作業は業務命令ですから、当然、何らかの事故が発生すれば「労災保険」の対象にもなり得ます。
併せて、対象者の労務管理を行なう上で、念頭に置いて下さい。
投稿日:2005/08/10 19:24 ID:QA-0001585
相談者より
投稿日:2005/08/10 19:24 ID:QA-0030623大変参考になった
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