再委託先の事業従事者を指定することは適法でしょうか?
弊社は、A社から業務請負を受託し、このうちの一部業務をB社に再委託しています。
先般、A社からの指示があり、弊社とB社間の契約について、契約書を作りなおすよう、要求されました。
指示の内容は以下の通りです。
◎弊社がB社に委託した業務内容は特殊な技能を必要とするものであるため、従事する人員を特定し、契約書に名前を明記すること。
◎A社と弊社の契約書には、事業従事者の名前が記載されているため、これと同じ形式で作成すること。
通常、委託先の人員配置については能力要件によるものと認識していますので、特定の個人名を指定して業務委託することが、過剰な指揮にあたり違法行為になるのではと危惧しています。
助言をいただければ幸いです。
(なお、弊社は公益法人ですので、個人名の契約書への記載が個人情報保護法違反にも抵触しないか心配です)
投稿日:2009/01/20 19:21 ID:QA-0014822
- *****さん
- 京都府/コンサルタント・シンクタンク(企業規模 1~5人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
請負契約に発注側が特定労働者を指名、契約書に記載できるか?
■請負契約としての具体的要件は、厚労省告示に示されていますが、その項目は次の通りです。
① 労務管理上の独立性
▼ 労務管理上の独立性
▼ 労働時間管理上の独立
▼ 秩序の維持,確保,人事管理上の独立性
② 事業経営上の独立性
▼ 経理上の独立性
▼ 法律上の独立性
▼ 業務上の独立性
■特殊な技能を必要とする労働者と雖も、発注側が特定の従事者を指定、且つ契約書に記載を要求することは、労務管理上の独立性を侵すものと判断される可能性が大です。あくまで、そのニーズを十分理解した上で、受注側の責任で、そのスキル保有労働者をアサインすべきものと考えます。
■いくら企業間の契約は自由だと言っても、法的な要件は遵守しなければなりません。その上で、契約の目的である 《 約束仕事の完成 》に必要な 《 特殊な技能 》 保有者を受注側が主体的に指名するというシナリオが必要です。この方法で、特に、A社およびB社との関係を損なうこともなく、目的を達成することができるはずです。個人情報保護法云々の問題も生じることはありません。
投稿日:2009/01/21 13:22 ID:QA-0014837
相談者より
丁寧なご回答、ありがとうございました。
「労務管理上の独立性」の部分を強調して、
A社に交渉してみます。
投稿日:2009/01/22 15:14 ID:QA-0035847大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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