法定外労働時間の計算方法について
いつも大変参考にさせていただいております。
また、小生のつたない質問にもいつも明確なご回答を頂きありがとうございます。
今回の質問ですが、法定外労働時間の算出方法についての質問となります。
弊社は受託設計部門と労働者派遣部門とがございまして、受託設計部門の人材が新たな技術獲得のため派遣労働者として派遣先で業務を行ったり、また派遣先で技術を獲得した人材が受託設計部門に戻り業務を行うという形で事業を行っております。
そのような業務形態の中で、弊社はフレックスタイム制、派遣先は固定時間労働制という動労形態となっている場合の法定外労働時間計算について確認したく投稿させていただきました。
【条件】
・給与の締め日は月末
・正社員雇用で月給日給制
・受託設計部門はフレックスタイム制、人材派遣部門は派遣先の制度に準ずる
・当該ケースでの派遣先は固定時間労働制
・月の半ばで派遣開始
という条件の下、法定外時間の計算を次のように行おうとしております。
【計算方法】
① 派遣先の固定時間労働制部分で1日8時間週40時間を超える部分を法定外時間とする。
② 1か月間のうち法定休日出勤時間を算出する。
③ 1か月の総労働時間から①と②を引いた残りの時間がフレックスタイム制の法定時間を超える部分を法定外時間とする。
④ ①と③を足した時間を法定外時間として割増賃金とする。
このような計算方法で法定外時間を算出しても問題ありませんでしょうか。
ご教授いただきたく宜しくお願い致します。
投稿日:2022/02/16 15:41 ID:QA-0112404
- タヌキおやじさん
- 長野県/その他業種(企業規模 31~50人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
御社はフレックスということですが、
派遣社員は派遣先の制度に準ずるということですので、
派遣先がフレックスでない場合、あるいは派遣先がフレックスでも派遣社員は対象外としている場合には、派遣社員はフレックス対象外となります。
ですから、③は不要です。
フレックスでは①という概念はなく、③はフレックスだけの概念ですので、
2つをその都度ミックスして計算するのは矛盾が生じます。
標準となる1日の時間等が、派遣先の所定労働時間等と異なる場合には、あらかじめ不利益とならないように調整してください。
投稿日:2022/02/16 18:02 ID:QA-0112408
相談者より
早速のご回答ありがとうございます。
弊社の標準労働時間は8時間、派遣先の所定勤務時間も8時間となっております。
給与清算期間(弊社の場合毎月1日から月末)内でフレックスから固定時間労働に変わった場合、弊社内(フレックス)で勤務していた勤務も固定時間制として考え、1日8時間週40時間を超える部分を法定外時間、また1日8時間を下回る部分は減額として計算するということでしょうか?
もしくはどちらか期間の長い就業形態で計算するということでしょうか?
ご教授いただきたく宜しくお願い致します。
投稿日:2022/02/17 10:34 ID:QA-0112439あまり参考にならなかった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、通常であれば派遣先勤務開始日を境目としまして、その日より前はフレックスタイム制(※法定時間外労働についてはフレックス勤務での暦日数に応じた法定労働時間総枠を用いて計算)、その日以後については通常の労働時間制(※1日8時間または週40時間を基準として計算)を適用される事になります。
御社の場合ですと、恐らくはそうした計算方法が煩雑になる為文面のような措置を採られたいという事でしょうが、そうなりますと例えばフレックス制で勤務時間が多くなり法定労働時間総枠を超える場合でも、たまたま固定時間制の方で勤務時間が少なくなりますと月全体で見れば総枠内に収まりその結果法定時間外労働としまして計上されない可能性も生じてしまいます。
従いまして、上記で触れました通り、両制度別に区分して計算される事が必要といえます。
投稿日:2022/02/16 21:00 ID:QA-0112417
相談者より
早速のご回答、ありがとうございます。
両制度別に区分して計算とのご回答を頂きましたが、次のような考え方でよろしいでしょうか?
【フレックス部分】
1か月の法定労働時間は暦日÷7日×40時間であるため、例えば16日までフレックスでの勤務の場合、
16日÷7日×40時間=91.5時間
上記時間を超える部分を法定外とする。
【固定時間勤務部分】
週の起算日が日曜日で、固定時間勤務での就業開始が火曜日であった場合、
水曜日~土曜日までの週の勤務時間が40時間を超えた部分を法定外とする。
(火曜日~土曜日は5日間ですから1日8時間を超える部分のみ法定外とすれば週40時間を超えることはありませんが、考え方としてご教授願えればと思います。)
※1日8時間を超える部分は明確ですのでその部分は当然法定外として扱います。
以上ご教授宜しくお願い致します。
投稿日:2022/02/17 10:50 ID:QA-0112443参考になった
人事会員からの回答
- 角五楼さん
- 神奈川県/保安・警備・清掃
1か月を超えるフレックスタイム制の場合、清算期間の途中で出入りする労働者に対しては、法32条の3の2により時間外労働の清算を強制しています。これを準用して、
計算の順番として全期間の②が先でそれを除いたうち、①は派遣中のみ
そしてフレックス適用中の労働時間のうち清算期間の暦日数から求まる総枠超え時間
後2者を法定外時間外労働とされるとよろしいでしょう。
投稿日:2022/02/17 06:20 ID:QA-0112424
相談者より
早速のご回答、ありがとうございました。
労基法第32条3の2を調べてみました。
弊社フレックスの清算期間は1か月ですが、「当該労働させた期間を平均し一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合」の考え方が良く理解できました。
これで給与計算時の法定外時間算出を間違いなく行えます。
本当にありがとうございました。
投稿日:2022/02/17 11:15 ID:QA-0112446大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
通常の労働時間制を採用する派遣先での勤務であれば、①、②を基準に計算すれば大丈夫です。
③は考慮する必要はありません。
投稿日:2022/02/17 08:54 ID:QA-0112426
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
ご質問の件ですが、原則ご認識の通りで対応可能になります。
ちなみに固定時間制の週起算日がフレックス内と重複する部分については、その起算日から労働時間を固定時間制に含めまして週40時間を超える場合には時間外労働扱いをされるのが妥当といえます。。
投稿日:2022/02/17 11:18 ID:QA-0112447
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回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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