能力不足による社員からアルバイトへの降格について
お世話になります。
弊社の従業員について、社員からアルバイトへの降格を検討しています。
・印刷加工業(工場勤務)
・45歳(勤続27年)
・適応障害、発達障害の診断あり
社員として雇用しておりますが、本人の明らかな能力不足に加え、業務に支障をきたしているレベルになっており、いよいよ看過できない状況になりました。
具体的には
・上司や同僚から指摘された簡単なことができず、商品事故が発生しているにもかかわらずアルバイトに指摘されるまで気が付かない。
・商品事故が発生した後の処理ができない(報告書作成業務や社内連絡業務)
・商品作成の予定表作成や生産量の管理ができない。
・アルバイトへの作業指示ができず、逆にアルバイトに指示を受けている状態
・機械不良が起こった際に、メーカーへ電話で問合せができない(電話でうまく話すことができず、本人も自信がないので他の従業員に頼っている)
・報告事項についても、虚偽の報告が多く、信頼できない。
・通常であれば30分でかかる業務に2日かかり、結局何もできない
※過去に数回作業手順の指導を受けており、本人はノートにも書いている
書き出すときりがないのですが、本人からも「自分は社員としての仕事ができず、周りに迷惑ばかりかけている。社員としてこれ以上働くことが難しい。」という発言を繰り返しています。
工場を管理している職長もこの従業員への対応で体調不良に陥って病院へかかることが起こるなど、周りへの影響も大きくなってしまいました。
私が労務管理をするようになり1年間経過し、毎月定期的に面談を重ねて改善に向けた指導をしてきましたが、生産過程においてミスも多発し、これいじょうは看過できない状況に陥っています。
(質問)
・本人と話をしてお互い納得できれば社員からアルバイトへ降格し、単純な作業に専念するなど軽易な業務への転換は可能でしょうか?
・アルバイトへ降格するにあたり、どのような手順を踏む必要がありますか。降格願いなど本人の意思が証明できる書類の用意などしておいた方がよいのでしょうか。
投稿日:2021/06/01 10:48 ID:QA-0104041
- hikari-oさん
- 広島県/販売・小売(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
話合いに基づくアルバイトへの転換
▼能力という定量測定の難しい要素を理由に懲戒処分をするのは、非常にハードルが高く、難しいことです。懲戒処分とは、企業秩序を乱したことに対する制裁(ペナルティ)となる処分ですが、「能力が低い」ことは、あくまでもその労働者個人の問題であって、会社の秩序を乱す問題行為と考えることはできないからです。
▼ご相談事案では、「適応障害、発達障害の診断」があり、本人もある程度、業務遂行上の問題の存在を自覚している様なので、気が楽になる様、業務負荷軽減の申し出を示唆されては如何でしょうか。話合いに基づくアルバイトへの転換というステップで懲戒処分に基づく減給とは異なります。
投稿日:2021/06/01 15:49 ID:QA-0104052
相談者より
ご回答ありがとうございます
我々としても、懲戒ということではなく、あくまで本人の精神面と能力を総合的に判断しての転換という形を考えております。
本人と面談し、解決いたしましたのでお礼申し上げます
投稿日:2021/06/10 17:01 ID:QA-0104423大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
①本人納得の上で能力に見合った職務と、職務に見合った給与待遇とすることは問題ありません。
②労働契約を変更することになるので、まずは能力に見合う業務があるのかどうか確認の上、バイトであればそれに見合う給与を出すことができるのかを確認し、条件を会社が固めて本人に提示します。
合意が得られれば新たな労働契約がスタートとなります。(有給休暇などはすべて継続となります)
投稿日:2021/06/01 16:19 ID:QA-0104054
相談者より
ご回答ありがとうございました。
有給休暇や社会保険はそのまま引き継ぎます。
投稿日:2021/06/10 17:02 ID:QA-0104424大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
会社が一方的に降格ということではなく、
本人からも「自分は社員としての仕事ができず、周りに迷惑ばかりかけている。社員としてこれ以上働くことが難しい。」という発言を繰り返しています。
ということですので、
よく話し合って、双方アルバイト契約ということで合意すれば問題はありません。
アルバイトの契約書を作成して、労働条件、賃金等明確にしたうえで、双方署名の方法で進めてください。
投稿日:2021/06/01 17:22 ID:QA-0104056
相談者より
ご回答ありがとうございます。
条件面も本人に提示して同意を得ることができました。
投稿日:2021/06/10 17:02 ID:QA-0104425大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、文面内容を拝見する限り、現状内容で就労を続けられる事は明らかに困難といえるでしょう。1年以上も経過しているとすれば、むしろ対応が遅きに失した感すら否めません。
幸い当人もこのままでの就労は困難であると理解されていますので、ご認識の通り早期に本人とご相談され同意を得られた上でアルバイトとして低負担の就労をして頂くか、また健康回復に専念されるよう一旦休業してもらうか、いずれかの措置を採られるべきといえるでしょう。
ちなみに、アルバイトへの降格であれば、当然ながらアルバイトとしまして新たな雇用契約書の締結が必要ですので、別途降格の申し出や同意文書等は不要です。また休職の場合ですと、就業規則の定めに基づいて原則会社が指示するものになりますので、通常当人の同意を得る必要性もございません。
投稿日:2021/06/01 20:40 ID:QA-0104065
相談者より
ご回答ありがとうございます。
確かに数年前よりこのような問題はありました。
私が労務管理を引き継いで1年間は様子を見ながら改善に向けて取り組んできましたが、やはり難しいということでこのような判断になりました。
投稿日:2021/06/10 17:04 ID:QA-0104426大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
労使双方で話し合い、本人が自由な意思で同意すれば、社員契約からアルバイト契約への変更は何ら問題はありません。
正社員としての雇用を終了させ、アルバイトとして再雇用する形になりますので、退職届(退職理由は、アルバイトとして新たに雇用契約を結ぶため等)、アルバイトとしての新たな雇用契約書(労働条件通知書等でも可)は必修になります。
中でも、雇用期間、労働時間には注意する必要があり、労働時間に関しては、いわゆる4分の3基準が満たされなければ社会保険から外さざるを得なくなるし、有期雇用契約を結んだ場合は、5年経過時点で無期転換の問題が起ります。
その点も含めてよく説明し、双方が互いに納得いく形で処理する事が望まれます。
投稿日:2021/06/03 11:48 ID:QA-0104112
相談者より
ご回答ありがとうございます
社会保険は引き続き継続し、条件面も本人の生活のこともあるので勤続年数等も総合的に判断して決定いたしました。
投稿日:2021/06/10 17:05 ID:QA-0104428大変参考になった
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