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HR業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

人は本来、たくさんの可能性を持っているもの――若い人たちが自分の才能や価値観を大切にし、「仕事を謳歌」していくために必要なこと

株式会社ジェック 代表取締役社長

葛西 浩平さん

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経営者や営業部長への「お役立ち」に目覚め、大きな結果を出す

そうした風土の中で、入社後はどのようなミッションを担っていたのですか。

営業職として入社したのですが、1年目は「ダメセールス」でした。当時はハードな社風で、3ヵ月新規が上がらなければ退職するのが慣例となっていました。当時は、右肩上がりでいくらでも就職先があったというのも一因だと思いますが、定着率はそんなに良くなかったのではないかと思います。最初の1年は何とか乗り切りましたが、その時点で同期は累計1000万円ほどの業績を上げていたのに、私はキャンセルなどもあってマイナス状態でした。上司からは「いつ辞めるんだ」と言われるような始末で、いつも退職願をスーツのポケットに入れていました。

「いつ退職願を出そうか……」と考えながら、私は担当エリアだった大阪の街をとぼとぼ歩いていました。いろいろ考えれば考えるほど、躊躇している自分がいた。「それはなぜだろう」と考えているうちに、ベストを尽くしきれずに悔いが残っている自分に気づきました。セールスの知識や技能は会社から教わったけれど、高校時代に味わった「フロー状態」に入るような経験を、私はジェックで一度もしていなかったんです。ベストを尽くして通用しないのなら仕方がない。しかし、全力を出さずに辞めてしまうのは悔いが残る。そう素直に思いました。

自分の中のベストとは何か。それはあの生徒会活動のように、「一人ひとりの個性を伸ばしてチームを引き上げるような場面を作ること」だと思いました。自分のやる気が最も引き出されるのは、そうした状態にあるときだと。では、そんな状態をどうすればつくれるのか。そこではたと思い当たったのは、ジェックが掲げている「お役立ち」という精神でした。自分にとってのお役立ちというのは、一人ひとりの個性を伸ばして全体を盛り上げられるよう貢献すること。そうしているときに、最も知恵と力が出てくるはず。私はそのお役立ちの精神を忘れていたんです。

株式会社ジェック 代表取締役社長 葛西 浩平さん

ハードな環境の中で、数字や結果ばかりにとらわれていたのかもしれませんね。

まさにそうです。でも自分の中には、お役立ちにつながる気持ちが米粒くらいのサイズで、まだ残っていました。そこに集中していると、不思議なことにその米粒がだんだん大きくなっていくんです。心理学的には「意識の広がり」と言われるものですね。一つのことに集中していると、その意識が広がっていく。相手の欠点ばかりを見ているとその欠点が広がるように。逆もしかりです。

「顧客へのお役立ち」だけを考えていると、米粒大の意識はやがて大きなボールのようになっていきました。「同じような価値観を持っている人は誰だろう」と考えると、私が積極的に会いに行くべきなのは、経営者や営業部長を務めているような人たちだと気づきました。そのためのアプローチをし始め、商談のプロセスなどは二の次で、自分の中のお役立ちの気持ちを伝えるようにしました。

そうすると、少しずつ経営者や営業部長の共感を得られるようになっていきました。言葉で伝えるというよりは、気持ちが通じていく感覚でしたね。経営者や営業部長は、「どうすれば一人ひとりの力を最大限に発揮させてあげられるのだろうか」と考えている。私も同じ方向を見て一緒に考えるようになると、最初の商談で、即決で契約をいただけるようにもなりました。その後は、ジェックがそれまでに切り込めていなかった業界の大企業もクライアントにすることができました。

葛西さんが語る「お役立ち道」の原点には、この経験があるのですね。

はい。誰もが同じような気持ちを持っているのではないかと思うのです。大切なのは、それをどうやって引き出すかということ。自分の中にあるお役立ちの気持ちに気づかなければ、何のために仕事をしているのかがわからなくなり、毎日がどんどんつまらなくなっていきます。お金のためだけに会社へ行っているような状態になる。当然、自分や周囲が本来望んでいる結果も出ません。しかし本来、仕事とは面白いものであるはずなんです。仕事を通じて、最高の自分を出すためのチャンスと場がきっとある。組織には、人の能力を活用するためのシーズやサービスを発見していける可能性がまだまだあるはずです。


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