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『労政時報』提携

「改正高年齢者雇用安定法」への企業の対応と今後の意向 (1/2ページ)

労政時報 photo

民間調査機関の労務行政研究所(理事長:矢田敏雄)では、本年4月から施行される改正高年齢者雇用安定法(以下、改正高齢法)に対する企業の対応を探るため緊急WEBアンケートを実施。本記事では、その中から「定年後継続雇用制度の現状」「改正高年齢者雇用安定法への対応」「現状の定年後再雇用制度の内容と見直し予定」「継続雇用者が増加した場合の若手・中堅層(新卒を含む)の採用動向」について、取り上げます。

※『労政時報』は1930年に創刊。80年の歴史を重ねた人事・労務全般を網羅した専門情報誌です。ここでは、同誌記事の一部抜粋を掲載しています。

【 調査概要 】
調査名:「改正高年齢者雇用安定法への企業の対応と今後の意向に関する緊急調査」
調査対象および集計対象:定期購読者向けサイト「WEB労政時報」の登録者から抽出した人事労務・総務担当者の合計5366人を対象に、WEBによるアンケートを実施。このうち、回答のあった142人(1社1人)について集計
調査期間:2012年12月4~13日
調査方法:WEBによるアンケート

定年後継続雇用制度の現状

継続雇用制度の形態
「再雇用制度」採用企業が大多数

64歳以下の定年年齢を定めている企業について、定年到達後の社員を継続して雇用する制度(継続雇用制度)の形態を聞いたところ、「再雇用制度」と回答した企業が96.4%と大多数に上り、「再雇用制度と勤務延長制度の両方を設けている」は2.9%にとどまりました。

【図表1】継続雇用制度の形態

【図表1】継続雇用制度の形態

改正高年齢者雇用安定法への対応

継続雇用制度の対象者を限定する基準の有無
「限定する基準を設けている」が86%

今回の改正高齢法では、継続雇用制度の対象者を労使協定で定める基準により限定できる仕組みが廃止されます。指針によれば「心身の故障のため業務に堪えられない、 就業規則上の解雇または退職事由に該当する場合には、継続雇用しないことができる」としており、それ以外の者は希望者全員が継続雇用制度の対象となります。

そこで、現時点での継続雇用制度の対象者を限定する基準の有無について尋ねたところ、「心身の故障、就業規則上の解雇または退職事由に当たるもの以外の『労使協定により限定する基準』を設けている」が85.5%に達していました。改正に伴い、希望者全員を継続雇用制度の対象とする措置を講じる必要のある企業が多いことが分かります。

※限定する基準の内容
労務行政研究所が2010年に行った「高年齢者処遇の実態調査」によれば、再雇用制度における対象者の選考基準(複数回答)として、「勤務に支障がない健康状態にある」(98.3%)、「本人に働く意思・意欲がある」(93.6%)、「(定年前の)人事考課が標準レベル以上」「勤務態度が良好」(それぞれ69.2%)などが挙げられています。

継続雇用における雇用先のグループ企業(子会社・関係会社等)への拡大意向
グループ企業に「広げる予定」は18%

改正高齢法では、定年を迎えた高年齢者の継続雇用先を、自社だけでなく、グループ内の他の会社(子会社や関連会社など)まで広げることができるようになっています。

そこで、改正法施行後に対象労働者の雇用先をグループ企業に拡大する意向があるかを尋ねたところ、「未定・分からない」が44.2%で最多、次いで「広げる対象となるグループ企業はない」20.3%などとなり、「広げることを予定している」は2割弱(18.1%)となりました。

規模別に見ると、300人以上の規模では「広げる予定」が2割に達しているものの、300人未満では11.4%にとどまっています。また、300人未満では「広げる対象となるグループ企業はない」が38.6%と高くなっており、企業規模による格差が浮き彫りになりました。

【図表2】継続雇用における雇用先のグループ企業(子会社・関係会社)への拡大意向

【図表2】継続雇用における雇用先のグループ企業(子会社・関係会社)への拡大意向

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