企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ロクジュウゴサイテイネンセイ 65歳定年制

「65歳定年制」とは、企業が定年年齢を65歳と定め、当該年齢に達したことを理由に従業員との雇用関係を自動的に終了させる制度のことです。2013年4月に施行される改正高年齢者雇用安定法により、雇用主には、2025年度までに希望する従業員全員の雇用を65歳まで確保するよう「定年退職制度の廃止」「定年年齢の引き上げ」「再雇用制度」のいずれかを実施することが義務づけられます。従来の60歳定年制から実質的な“65歳定年制”へ移行することで、厚生年金の受給開始年齢が65歳まで段階的に引き上げられるのに対応、年金受給まで無収入になる人が増えるのを防ぐねらいがあります。
(2012/11/12掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

65歳定年制のケーススタディ

法改正で無条件の雇用延長を義務化
人件費の負担増重く、企業は及び腰

大和ハウス工業は2012年10月、翌年4月から「65歳定年制」を導入する方針を明らかにしました。現行制度では60歳が定年。定年後は希望者を最長5年間再雇用していましたが、嘱託になるため、給与は現役時代の4~5割の水準に抑えられていました。新制度では正社員のまま、給与は60歳時点と比べて約6割の水準に。定年年齢を引き上げるとともに待遇を改善し、従業員の士気向上につなげたい考えです。サントリーホールディングスも従来は再雇用制度で対応していましたが、正社員として65歳まで定年延長すると発表しました。13年4月の改正高年齢者雇用安定法施行にあわせて、同時期から持ち株会社である同社で先行導入し、以後、グループ傘下へ順次展開していく方針です。給与水準は60歳以前の6~7割になる見込みで、配置に関しても本人の希望や適性などを考慮するとしています。

両社のように法改正を受けて“定年延長”にまで踏み込む企業は、現時点では決して多数派ではありません。厚生労働省が全国の企業14万367社からの報告をまとめた「平成24年高年齢者の雇用状況」の集計によると、希望する全社員が65歳まで働ける企業の割合は12年6月1日時点で48.8%にとどまっていることが分かり、改正法施行を来年に控えてもなお、雇用延長に及び腰な企業の多いことが浮き彫りになりました。雇用確保措置として何らかの制度を導入している企業の割合は97.3%で、前年比1.6ポイント上昇しているものの、そうした企業の多くは雇用延長の対象者を、労使の合意で設けた基準を満たす従業員に絞っています。集計では継続雇用を望んだにもかかわらず、基準により離職させられた人が、定年に達した社員の1.6%に当たる6,852人いました。

改正法では、企業が労使協定で対象者を選別することは認められていません。希望する65歳までの全従業員の雇用確保措置が義務付けられ、違反した場合、指導や助言に従わない企業名は公表されることになっています。いままでは定年に達したら継続雇用を希望しないという人も一定数いましたが、年金の受給開始年齢が引き上げられる13年春以降、希望者が増加するのは火を見るより明らかです。みずほ総合研究所の試算では、従来なら継続雇用を希望しなかったり、希望しても離職させられたりしていた人が、全員継続雇用されると想定すると、賃金総額は25年度に1.9兆円増加し、企業の総人件費を約1%押し上げるといわれます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

改正高年齢者雇用安定法
65歳まで働き続ける環境整備を企業に義務づける法律。高年齢者の安定的な雇用確保のため、65歳までの雇用確保措置の導入が事業主の義務となった(2006年4月施行)ほか、雇用者の再雇用促進などを図る措置(2004年12月施行)も盛り込まれています。
継続雇用制度
2006年4月、改正高年齢者雇用安定法が施行されました。同法には、雇用確保のための65歳までの「定年延長」、希望者全員の「継続雇用制度」、「定年の定めの廃止」――3つの選択肢が規程されていますが、継続雇用制度を導入する企業は対象となる高年齢者に関する基準を労使協定で定めれば、希望者全員を対象としな...
継続雇用定着促進助成金
就業規則などによって60歳以上の定年を定めている会社が、その定年年齢の引き上げや、再雇用による継続雇用制度を導入した場合に支給されます。ただし、「65歳定年制」が施行されるまでの助成金と見られています。

関連する記事

外国人を雇用している企業は過半数、「さらに増やす」「今後雇用する」企業も半数近くに
人事担当者に外国人の雇用状況について聞いたところ、現在雇用している企業は過半数で、「さらに増やす」「今後雇用する」企業も半数近くであることがわかった。
2019/08/20掲載人事白書 調査レポート
“うっかり5年超え”に注意が必要! 無期転換ルールに対応した「定年退職日」と「再雇用終了日」の定め方
就業規則等で定年および定年後の再雇用制度について定める場合には、労働基準法、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律のほか、労働契約法および本年4月から施行される「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」に留意する必要があります。本稿では、これらの...
2015/05/14掲載人事・労務関連コラム
高年齢者雇用の最新実態--改正高齢法への対応と継続雇用制度の実態を調査
団塊世代の大量退職が始まる2007年を目前にして、「改正高年齢者雇用安定法」が2006年4月から施行されました。改正法は、定年後65歳までの安定した雇用確保を企業に義務付けています。2006年5月から6月にかけて『労政時報』が行った「改正高齢法への対応と高年齢...
2007/04/16掲載人事・労務実態調査

関連するQ&A

定年延長、再雇用制度
今後の展望について
定年再雇用の勤務時間について
対象者から週5日9:00~16:00の時間帯での勤務希望が出て来たのですが、週5日9:00~17:30の時間帯であれば再雇用は出来るが、そうでなければ再雇用出来ないと言う事は可能ですか?宜しくお願い致します。
再雇用者の契約打ち切りについて
弊社では、雇用延長でなく再雇用の制度を採用していますが、再雇用後にシェアを大幅に下げたり、上司の指示に従わないなど問題を起こしています。このような再雇用社員も63才までは再雇用を継続しなければならないでしょうか。また、継続しない場合はどのような措置か必要でしょうか。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
人事・労務のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。
「エンゲージメント」を高めるためのポイントやソリューション

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

期間限定キャンペーン シェアNo.1採用管理システムi-web

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


「エンゲージメント 」を高めるソリューション特集

「従業員エンゲージメント」を高めるために押さえておきたいポイントや具体的な施策、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


エンゲージメントサーベイの選択眼を養う<br />
~押さえたい設計の基礎と判断軸~

エンゲージメントサーベイの選択眼を養う
~押さえたい設計の基礎と判断軸~

従業員に長く活躍してもらうために、いかに組織の土台を作り上げていけばい...