人事部課長に聞いた 人事戦略の現状と課題
人事戦略の策定・明文化
人事戦略を明文化しているか
人事戦略を明文化している企業は28%
「人事戦略を明文化しているか」について尋ねたところ、「【1】人事戦略を明文化している」企業は27.5%と3割未満で、「【2】人事戦略を明文化したものは、ない」とする企業が68.3%と7割近い結果でした。
規模別に見ると、「【1】人事戦略を明文化している」企業は1000人以上で31.9%とやや多くなっています。
なお、「【1】人事戦略を明文化している」企業に「人事戦略をどのように作成しているか」を尋ねたところ、 「(1)経営戦略の立案とともに、その中で同時に作成している」企業が54.5%と過半数に達する一方、「(2)経営戦略の完成を受けて、これをベースに 作成する」企業も27.3%、「(3)必ずしも経営戦略をベースとせず、“経営への寄与”を意識しながら別個に作成する」企業も18.2%ありました。
規模別に見ると、「(1)経営戦略の立案とともに、その中で同時に作成している」企業は、1000人以上で60.0%、300~999人で63.6%と多い一方、300人未満では28.6%にすぎません。
人事戦略の“明文化”は、必ず要するというわけではありませんが、人事部門の役割が経営目標の実現にある以 上、経営戦略や経営計画と密接につながった人事戦略(人事マネジメントの方向性) が明確になっていなければなりません。そうした戦略が、経営戦略や経営計画と一体のものとして定められていないとすれば、人事諸施策は、経営目標への貢献 とは無関係に行われてしまう可能性があります。
また、変化の激しい時代にあって、経営も従来よりスピーディな変革や舵取りが求められる中、「経営の決定を 受けて執行する人事」から「経営改革を経営と一緒になってマネジメントする人事」への転換が求められるでしょう。人事が、経営戦略とより連動性を高めた 「戦略的人事マネジメント」を実現するために、人事部門は改めて自らの在り方を考えてみる必要があります。
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