業績連動型賞与制度の最新実態

導入年

2003年から2007年に導入した企業が多く、2008年以降の導入はわずか

制度の導入年は、「2003年」が18.9%で最も多く、次いで「2004年」(13.5%)、「2007年」(12.2%)、「2005年」(10.8%)などの順で多くなっています。

1999年から2000年にかけて大手電機メーカーを中心に業績連動型賞与制度が導入され話題になり、その後2002年には鉄鋼大手や造船 大手の一部企業にも導入が広がりました。今回の結果も、そのような世相と合致し、2000年以降2007年まで導入した企業が74.3%となっています。 しかし、不況に入った2008年以降の導入はあまり進んでいません。

【図表2】業績連動型賞与制度の導入年
【図表2】業績連動型賞与制度の導入年

過去5年以内における変更・見直し状況

変更・見直し等を行ったが2社に1社

過去5年以内(おおむね2005年以降)に業績連動型賞与制度について、変更または見直しを行ったかどうかを尋ねました。これによると、 「変更・見直し等を行った」が48.2%とほぼ2社に1社に上り、「特に変更等は行っていない」(51.8%)と拮抗しました。規模別では1,000人以 上、産業別では製造業で「変更・見直し等を行った」割合が高くなっています。

見直しの内容は、一概にはいえませんが、営業利益や経常利益といった準拠指標の変更や基準となる利益(上限下限額含む)の見直しのほか、 「経常利益が0(ゼロ)のときの支給額の引き上げ」、「全額業績連動支給」から「固定支給+業績連動」への変更など、経済の後退を受け、業績連動による変 動を緩和する動きもみられます。

変更時期については、2007年以降の不況期に入ってからのものがほとんどです。

【図表3】過去5年以内(おおむね2005年以降)における業績連動型賞与制度の変更・見直し等の有無
【図表3】過去5年以内(おおむね2005年以降)における業績連動型賞与制度の変更・見直し等の有無
* ここでは、労務行政研究所が2010年6月28日~2010年9月7日にかけて行った「2010年度モデル賃金・賞与実態調査」をもとに、『日本の人事部』編集部が記事を作成しました。 詳細は『労政時報』第3785号(2010年11月12日発行)に掲載されています。
◆労政時報の詳細は、こちらをご覧ください → 「WEB労政時報」体験版
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