東証プライム上場企業の2023年
年末一時金(賞与・ボーナス)の妥結水準調査
全産業187社ベースで80万28円、対前年同期比1.5%増
1970年の調査開始以来、初めて80万円台となる
労務行政研究所
⺠間調査機関の⼀般財団法⼈労務⾏政研究所(理事⻑:猪股宏)では、東証プライム上場企業を対象に2023年年末⼀時⾦の妥結⽔準を調査し、⽀給⽔準は187社、⽀給⽉数は196社について集計した(2023年9⽉5⽇現在)。
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2023年年末⼀時⾦の⽀給⽔準
東証プライム上場企業の全産業ベース(187社、単純平均)で80万28円、対前年同期比で1.5%増となった。産業別に見ると、製造業は同1.7%増、非製造業は同0.8%増で、業種によるバラつきが目立つ(下表および[図表1])。 -
妥結額の推移
各年9月時点の集計で見た年末一時金妥結額は、新型コロナの影響で2020年に74万3968円(対前年同期⽐3.2%減)、2021年に71万5553円(同1.9%減)と減少したが、2022年にはマイナスの影響が薄らぎ78万6945円(同8.5%増)と⼤幅に増加し、2023年も80万28円(同1.5%増)と2年連続でプラスとなっている[図表2〜3]。 -
妥結⽉数の⽔準
全産業196社の平均で2.56カ月。同一企業で見た場合、前年同期(2.55カ月)から0.01カ月の微増となった。最高月数は5.55カ月と前年同期(5.02カ月)を上回り、最低月数は1.50カ月で前年同期(1.50カ月)と同水準である[図表4]。
[1]2023年年末一時金の支給水準
2023年年末⼀時金の支給水準は、東証プライム上場企業の全産業ベース(187社、単純平均)で80万28円となり、1970年に調査を開始して以来、初めて80万円台となった。同一企業で見た前年の妥結実績(78万7924円)と比較すると、金額で1万2104円増、対前年同期比で1.5%増と2年連続でプラス(前年は8.5%増)となった[図表1]。
[2]年末一時金妥結額の推移
年末一時金について妥結額の推移を見ると、2019年の74万7808円(対前年同期比0.1%減)に続き、コロナ禍の影響で2020年74万3968円(同3.2%減)、2021年71万5553円(同1.9%減)と3年連続の減少となった[図表2]。しかし、コロナ禍によるマイナスの影響が薄らいだ2022年には78万6945円(同8.5%増)と大幅な増加に転じ、2023年も80万28円(同1.5%増)と2年連続のプラスとなっている(夏季一時金の推移は[図表3]参照)。
[3]2023年年末一時金の支給月数
集計社数196社の平均で2.56カ月となり、同⼀企業で見た場合の前年同期(2.55カ月)から0.01カ月の微増となった[図表4]。なお、個別企業の状況を見ると、月数の最高は5.55カ月(前年同期5.02カ月)、最低は1.50カ月(同1.50カ月)である。産業別に見ると、製造業の平均支給月数は2.66カ月で前年同期の2.65カ月から0.01カ月増、非製造業は2.13カ月で前年同期の2.11カ月から0.02カ月増と、いずれも小幅ながら増加している。
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調調査名
「2023年年末賞与・⼀時⾦の妥結⽔準調査」 -
調査対象
東証プライム上場企業(2023年8月31日現在で1834社)のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業。持株会社が東証プライム上場企業の場合、その主要子会社は調査対象としている。なお、[図表1、4]の「商業」は卸売業、小売業であり、「情報・通信」には、IT関係のほか、新聞、出版、放送を含む(業種分類は、東洋経済新報社『会社四季報』をベースとしている) -
集計対象
上記調査対象のうち、調査時点で2023年年末賞与・一時金を妥結・決定しており、「2023年年末」「2023年夏季」「2022年年末」の三者の金額または月数が把握できた企業(組合) -
集計社数
⾦額集計は187社。⽉数集計は196社 -
集計対象範囲と集計⽅法
集計対象範囲は、原則として組合員1人当たり平均。ただし、一部「年齢ポイント」「標準労働者」「全従業員平均」による妥結水準を含む。集計は、単純平均による(=各社の1任当たり平均を単純に足し上げ、集計社数で除した) -
調査時期
2023年3⽉15⽇〜9⽉5⽇ -
調査⽅法
主要単産に取材し、各単組の妥結データを収集した
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