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コロナでは地方分散は進まない、と思う理由
~テレワークは、良くも悪くも働くことへの自覚を促した~

第一生命経済研究所 ライフデザイン研究部 主任研究員 稲垣 円氏

コロナでは地方分散は進まない、と思う理由

今夏にピークを迎えた感染拡大の第7波もようやく沈静化した。

国内の新規感染者数は、過去6度の感染拡大を上回る状況だったが、政府は行動制限をしない方針を示し、Withコロナの中で経済・社会生活をおくるはじめての夏を経験した。各地では祭事が復活し、制限なく移動できることや移動先での出会い・体験に喜びをかみしめた人も多いのではないか。

当研究所では、2020年から5回にわたり「新型コロナウイルスによる生活と意識の変化に関する調査」(注1)を実施し、コロナ禍における社会の移り変わりを見てきた。本稿では特に、2021年9月(第4回調査)と直近の2022年9月(第5回調査)に実施した「引っ越し(移住)」(注2)意識を取り上げ、地方分散について展望する。

1. テレワークは、引っ越し(移住)意識を高めたか

政府は、新型コロナウイルス感染拡大について「東京一極集中を転換する大きなチャンス」「コロナ対策に伴うテレワークの普及が、地方への人の流れにつながっていくことが重要だ」として、「地方創生テレワーク」と称した政策を進めている。

では、生活者の引っ越し(移住)意識はどうか。図表1は、引っ越し(移住)への関心についてたずねた結果である。上段2つの棒グラフ(2021年9月全体、2022年9月全体)をみると、引っ越し(移住)に「関心を持っている/関心を持つようになった」と回答した割合は、2021年から2022年の一年で微減し(19.9%→18.5%)、傾向としては二度の調査共に約8割が「関心がない/関心がなくなった」と回答している。

他方、地方分散の施策は、主に東京近隣に在住する人、およびテレワーク経験がある人を想定しているため、本稿では、分析対象に東京圏(一都三県)在住で働いている人、そしてテレワーク経験有無という視点から①~④の属性を新たに設定し、改めて第5回調査結果を分析した(図表1・下段横棒グラフ)。

2022年全体の結果と比較すると、①東京圏在住者は引っ越し(移住)への関心は若干高い結果となったが(2022年全体:18.5%、①東京圏:23.9%)、テレワーク経験の有無で見ると、②テレワーク経験有と④東京圏・テレワーク経験有は、3割以上が「関心を持っている/関心を持つようになった」と回答し、2022年全体の結果よりも10ポイント以上の差をつけた。③テレワーク経験無との比較でみると差は2倍である。この結果から、テレワーク経験の有無は、引っ越し(移住)への関心に、少なからず影響を及ぼしていることが示唆される。

図表1 引っ越し(移住)への関心

この傾向は、図表1で「関心を持っている/関心を持つようになった」層に現在の予定をたずねた結果にも表れている(図表2)。2021年全体と2022年全体の結果をみると(図表2・上段横棒グラフ)、「時期あるいは行き先(またはその両方)が決まっている」と回答した割合は、2022年結果の方が微増した(3.6ポイント)。しかし、①~④の属性でみると(図表2・下段横棒グラフ)、テレワーク経験有(②・④)は、2022年全体またテレワーク経験無と比べると「時期あるいは行き先(またはその両方)が決まっている」と回答した割合が高い傾向にあった(2022年全体との差→②:18.1ポイント、④:9.5ポイント、テレワーク経験無との差→②:30.5ポイント、④21.9ポイント)。

さらに、「関心を持っている/関心を持つようになった」層と過去1年以内に実際に引っ越し(移住)した層に対して、「引っ越し(移住)に関心がある理由」、あるいは「引っ越し(移住)した理由」をたずねた(図表3)。特徴的な回答としては、テレワーク経験有(②・④)は、「生活費を下げるため」や「憧れのエリアで暮らすため」といった項目が他の属性よりも割合が高い傾向にあった。また、当然の結果ともいえるが、「テレワークによって通勤する必要が減った(なくなった)ため」についても、他の属性よりも高い傾向にあった。他方、テレワーク経験無(③)は、「現在の住まいに不満があるため」と回答した割合が他の属性よりも若干高い傾向にあった。

図表2 引っ越し(移住)に関する現在の予定
図表3 引っ越し(移住)に関心がある理由

2. マジョリティは、引っ越し(移住)に「関心がない」

ただし、忘れてはならないのは、どの属性も6割以上の人は引っ越し(移住)に「関心がない/関心がなくなった」と回答している点だ。その理由をあげると、テレワーク経験有(②・④)は「現在の生活環境(買い物、交通、教育、医療機関等)に満足しているため」、「旅行は良くても、暮らすことは別だと思うため」が他の属性よりも高い傾向を示している(図表4)。

当研究所のレポート(注3)で述べられている、感染拡大が始まって以降、オンラインでのコミュニケーションに慣れた人が増加したという見解は、自律的に働く人が増えた、ともいうことができる。その結果、良くも悪くも「職場以外の場所で働くこと」に対する具体的なイメージを持ちながら、引っ越し(移住)を検討することができるようになった。だからこそ、「現在の生活環境で満足している」という、ある種の現実的な解を出しているのではないか。特に、④東京圏・テレワーク経験有の回答は6割を超えており(63.0%)、因果関係までは特定できないが、テレワーク経験が東京近郊で暮らすメリットをより鮮明にしたのではないか、とも推測できる。

図表4 引っ越し(移住)に関心がない理由

3. 「働く場」の進化

加えて、職場環境の変化についても触れておきたい。

当研究所のレポート「なぜ、人はオフィスに戻るのか」(2022年5月)で述べたように、コロナ禍で半ば強制的に始まったテレワークは、徐々に実施率が低下するとともにオフィスワーク回帰の動きが強まっており、その傾向は現在も続いている。本調査結果においても、テレワーク実施率は低下したことが分かっており(注4)、日本生産性本部の最新の調査結果(7月実施)でも、テレワーク実施率は第1回調査実施(2020年5月)以降、過去最低を記録したことが報告されている(注5)。

各種オンラインツールやシステムの導入によって、従業員の自律的な働き方は普及したが、感染を回避しながら働くことができるよう、働く場も時差出勤の推奨、出社率の調整、オフィスの縮小化、間隔を空けるレイアウトへの変更等しながら「再設計」が進んだ。つまり、職場もWithコロナ仕様に変化を遂げた結果、多くの面でコロナ以前と同じように仕事ができるようになったということである。従業員にとっては、仕事内容に応じてテレワークか出社するかを選択しながら、これまで通り仕事ができるのであれば、あえて引っ越し(移住)を考える必要もないということになる。 

4. それでも地方分散を進めるには・・・・

政府は、新型コロナウイルス感染拡大を契機として、テレワークの普及、それに伴った職場の再設計、さらに郊外サテライトオフィスの設置によって、地方分散化が進むことを期待している(注6)。確かに、本調査結果からはテレワーク経験の有無が引っ越し(移住)への関心に影響を及ぼす可能性が示唆された。この層へのアプローチは有効だろう。しかし、さらに促進するには、まだ課題があると考える。

当然ながら、テレワークでできる仕事もあればできない仕事もある。また、日常的にテレワークをしていても、全ての業務にテレワークが適しているわけではない(テレワークと出社のハイブリットが主流となっているのは、その現れではないだろうか)。企業側も業務や従業員の管理や自社ビルを遊休化させておくわけにはいかないなど様々な事情を考えると、「地方で暮らしても都会と同じ仕事ができる」から、「従業員のエンゲージメント向上」、あるいは「地域活性への参画・貢献」のためにテレワークを、と推奨するだけでは働く人々の日常とかけ離れていると言わざるを得ない。

たとえば、サテライトオフィスを開設する自治体と企業が連携し、集中して取り組む業務、チームで時間をかけてアイデア出しをする業務、社内研修等、業務に応じて数日間を地方で「ワーケーション」することを制度として取り入れる方が、地方への行き来(分散)が進むのではないか。また、自治体も都市部から来るテレワーカーのための施設ではなく、地元企業や住民にも利用・交流しやすい、地域にとって魅力的な場としての設計が必要だろう。

他方、フリーランスやそれに近い働き方ができる人にとって、テレワークできる施設が全国各地に誕生し、どこでも遜色なく仕事ができる環境が整いつつあることは喜ばしいことだ。絶対数としては多くないが、こうした人たちが各地で働く様子を発信し続けていくことは、人びとの「地方で働くこと」や「テレワーク」そのものへの関心を絶やさないために効果があるものと考える。

最後に、本稿では主にテレワークを中心に述べたが、そもそも引っ越し(移住)には経済的にも、時間的にも大きなコストや負担がかかる。また家族と同居している場合、家族一人ひとりのライフステージを考慮して最適な地を探し、引っ越し(移住)を決断することは容易ではない。加えて図表4を見る限り、どこにいても新型コロナウイルス感染症に対するリスクは変わらない、というのが生活者の認識でもある。

人びとの習慣や意識を、一朝一夕に変えることは難しい。しかし、引っ越し(移住)にせよ、ワーケーションにせよ、それらを日本に根付かせていくには、企業の制度やルールによって、従業員の働き方や居住地が左右されている現状を改めて振り返る必要があるだろう。

【注釈】
  1. 第1回~5回調査の概要は以下の通り。
  1. 本調査では、新型コロナウイルス感染拡大が生活者の「住まいを移す」ことへの意識や行動にどの程度影響を及ぼしたのかを確認するために「引っ越し」「移住」を同義として用いている。
  2. 的場康子「Withコロナに向けた働き方へ」2022年9月
  3. 「ほぼ毎日テレワークをしている」人は、2020年5月18.5%、2021年9月9.9%、2022年9月8.1%、「週の中で出勤とテレワークをする日がある」人は、2020年5月14.6%、2021年9月11.1%、2022念9月8.9%。いずれも減少している。
  4. 日本生産性本部「第10回働く人の意識調査」(2022年7月4日~5日実施、n=1100、インターネット調査)によれば、テレワーク実施率は16.2%と、2022年1月調査の18.5%を下回り過去最低を更新。特に20代・30代の実施率が大幅減と報告している。
  5. 内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、資料3「地方創生テレワーク推進に向けて」2021年9月
【参考資料】
  • 稲垣円「テレワークは、地方分散の鍵となるか」2021年7月
  • 稲垣円「なぜ、人はオフィスに戻るのか~オフィスワーク回帰と地方分散の行方~」2022年2月
  • 内閣府「地方創生テレワーク」
  • 日本生産性本部「第10回働く人の意識調査」2022年7月(2022年10月6日アクセス)
  • 的場康子「Withコロナに向けた働き方へ」2022年9月
  • 的場康子「多様な働き方の一つとしてのワーケーション」2022年7月
株式会社 第一生命経済研究所

第一生命経済研究所は、第一生命グループの総合シンクタンクです。社名に冠する経済分野にとどまらず、金融・財政、保険・年金・社会保障から、家族・就労・消費などライフデザインに関することまで、さまざまな分野を研究領域としています。生保系シンクタンクとしての特長を生かし、長期的な視野に立って、お客さまの今と未来に寄り添う羅針盤となるよう情報発信を行っています。
https://www.dlri.co.jp

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